<ライブレポート>春茶、会場がありったけの幸福感に包まれたバースデーライブ開催

2025年12月29日 / 19:00

 春茶の単独ライブ【HARUTYA BIRTHDAY LIVE 2025「CHAPTER」】が12月26日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて開催された。

 春茶はYouTubeやSNSを中心に活動するシンガー。透明感と温かみを併せ持つ唯一の声でJ-POPやアニメソング、ボカロ楽曲などのカバー動画を多数発表している。YouTubeチャンネル登録者は131万人、累計再生回数は7億6000万回(2025年12月現在)を突破するほどの人気を誇る。また、近年はシンガーソングライターとしてオリジナル楽曲の制作も本格化。日常の感情を丁寧にすくい取った歌詞と、声の魅力を最大限に活かした表現力でリスナーを惹きつけている。

 今回行われた公演はそのタイトルからもわかるように、当日に誕生日を迎えた春茶のバースデーライブ。ステージ上には3脚の椅子やソファに加えルームライトなどが点在し、リビングを思わせるセットが用意される。定刻が過ぎた頃に会場が暗転すると、オープニングSEに乗せてバンドメンバーが次々に登場。最後にステージ後方の一段高い位置から春茶が姿を現し、「消えない」からライブをスタートさせる。白い衣装にバケットハット姿の春茶は、流麗なピアノに乗せてシルキーな歌声を響かせ、時には飛び跳ねながら歌うなどして、高揚感を高めていった。

 ステージ前方まで移動すると、「ホントトウソ」では軽やかなリズムに合わせてステージ上を動き回り、観客に手を振る。そして、ギターのアルペジオに乗せて「今日は【HARUTYA BIRTHDAY LIVE 2025「CHAPTER」】へお越しいただきありがとうございます。今日は後ろの人も前の人も2階の人も、みんなにいっぱい楽しんでもらいたくて。よろしくお願いします!」と挨拶すると、春茶から指示があるまでペンライトを消灯して楽しんでほしいことが告げられる。

 そんな中始まった「Q&A」では、リズミカルなビートに合わせてクラップが自然発生。春茶のハートウォーミングな歌声とミラーボールの煌びやかな光が相まって、夢見心地な世界が繰り広げられていく。さらに「きみをつくりあげるもの」「mirage」と、柔らかな空気感の楽曲が連発されると、フロアからは温かな拍手が送られた。

 再びステージ後方の高台へと移動した春茶は、「今日はみんな静かだね?(笑)」とちゃめっ気を見せながら観客に語りかける。そのまま椅子に座ると、「私をカバー曲で知ってくれた人も多いと思うので、この日にぴったりな2曲を選曲してきました」と告げてから、ピアノとアコースティックギターの演奏に合わせてOfficial髭男dismの「115万キロのフィルム」をリラックスモードで歌唱。スウィング感の強いアレンジが施されたこのカバーは、限られた照明のもとで聴くことでより没入感が得られたのではないだろうか。続いては、back number「HAPPY BIRTHDAY」をカバー。少ない音数で構成された演奏を背に、春茶は繊細な歌声を響かせていく。2曲歌い終えると「ありがとうございました」と告げ、春茶は一旦ステージから捌けていった。

 春茶がステージ不在の中で急遽始まったのが、「春茶の金曜から夜ふかし」と題したラジオパート。ここでは春茶がバンドメンバーに向けて、「春茶の第一印象」や「春茶を人間以外で例えると」といったお題が提示され、珍回答を交えながら観客の笑いを誘った。

 その後、パンツスタイルの衣装に着替えた春茶がステージに戻ると、再びオーディエンスとコミュニケーションを図っていく。春茶はかつて所属していたユニット“終電間際≦オンライン。”を今年2月に卒業し、この日のライブはそれ以来、初めて人前に立つ機会。「みんなにお別れをできないまま卒業してしまったので」とファンに向けて謝罪しつつ、「“しゅうまぎ”(=終電間際≦オンライン。)で歌った曲はこれからも大事に届けていきたいし、しゅうまぎで過ごした時間はみんなにとっても私にとっても大事な時間だったので、今日はたくさん歌いたいと思います」と伝える。

 そしてペンライト点灯の合図とともに、“終電間際≦オンライン。”の楽曲「escape」にてライブは再開。前半戦の和やかな雰囲気から一転、躍動感に満ちた楽曲で会場の空気が徐々に温まっていく。続く「ヒロイン」では照明と観客のペンライトで会場がオレンジ色に染まり、全体の一体感も急加速。跳ね気味のリズムが心地よいミディアムチューン「ビバ・ライ・ライ」では、オーディエンスの合いの手やシンガロングも加わり、熱気がさらに高まる。さらに、バンドメンバー紹介を経て繰り出された「隠レ陰キャ」では、クラップで会場がひとつになり、クライマックスにふさわしい盛り上がりを見せた。

 本編最後の曲に入る前、春茶は「今日という日を楽しみにしていたんですけど、こうやって集まってみんなと一緒に作り上げるライブが大好きなので、また来年も会えるといいなと思います」と喜びを噛み締める。そして、「今日は来てくれてありがとうございました」と感謝を伝え、躍動感の強いビートとともにアンセミックな「ユナイト」でライブ本編を締め括った。

 アンコールを求めるファンの声に応えるように、Tシャツ&キャップ姿に着替えた春茶がステージに再登場。テレビアニメ『ざつ旅-That’s Journey-』のエンディング・テーマとしてもお馴染みの「bookmarks」をプレゼントし、透き通る伸びやかな歌声で会場を優しい空気で包み込んだ。

 ラジオパートでのバンドメンバーの回答に触れつつ、フロアからの「誕生日おめでとう!」の祝福の声に笑みを浮かべる春茶。「いいこと言おうと思ったけど……ないや(笑)。でも、ここにいられて本当に嬉しいです。別にここで活動を終えるわけではないので、また絶対に会えるよね?」と再会を約束すると、「じゃあ、次のライブまで……絶対に会えるよねってことで、最後に私からのラブレターを渡して終わりたいと思います」とラストナンバー「ラブレター」を歌い始める。春茶からファンへの愛情や優しさがたっぷり詰まったこの1曲により、会場がありったけの幸福感に包まれたところで、【HARUTYA BIRTHDAY LIVE 2025「CHAPTER」】は終了した。

 春茶が「いい誕生日だった! よいお年を!」と観客に別れを告げステージを去ると、これにてライブは完結……と思いきや、暗転したままのステージにスクリーンが降ろされる。そして「重大発表」の告知とともに、TOY’S FACTORYへのメジャー所属決定が告げられると、客席からは喜びの声と温かな拍手が沸き起こり、祝福ムードの中ライブは正真正銘のフィナーレを迎えた。

 メジャーフィールドへと活動の場を移し、今後さらなる活躍が期待される春茶。ここからさらにその歌声が広く届いていくことになる。ここからの動向にぜひ注目しておいてほしい。

Text by 西廣智一
Photo by TETSUYA YAMAKAWA

◎セットリスト
【HARUTYA BIRTHDAY LIVE 2025「CHAPTER」】
2025年12月26日(金)東京・EX THEATER ROPPONGI
01. 消えない
02. ホントトウソ
03. Q&A
04. きみをつくりあげるもの
05. mirage
06. 115万キロのフィルム / Official髭男dism(Cover)
07. HAPPY BIRTHDAY / back number(Cover)
08. escape
09. ヒロイン
10. ビバ・ライ・ライ
11. 隠レ陰キャ
12. ユナイト
アンコール
EN1. bookmarks
EN2. ラブレター


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