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「Any Song」や「SPOT! (Feat. JENNIE)」、「Okey Dokey」など数々のヒット曲を持つ韓国アーティストZICOと、YOASOBIのikuraこと幾田りらによるコラボレーション曲「DUET」が配信スタートした。「理想の相手とデュエットをしたらどうなるだろう?」という発想から生まれた本曲は、「新しい想像力を引き出すことが自分の強み」と語るZICOらしく、2人の個性が鮮やかに交差する一曲。ikuraとは異なる一面をソロ活動で見せてきた幾田りらが、ZICOとの化学反応によってどんな新境地を見せるのか。その答えはミュージックビデオで。
――2023年の夏に幾田りらとして初めてアルバム『Sketch』をリリースされましたが、当時の心境を振り返るといかがでしょうか。どんな部分を新しく、そしてはっきりと示したいと思っていたのでしょうか。現在、ソロとして明確に定めている方向性があれば教えてください。
幾田りら:1stアルバムということもあり、15歳の頃から活動を始め、メジャーで初めて発表する作品として、自分がシンガーソングライターとして大切にしてきた「日常を歌にする」という軸を強く意識して制作しました。歌うことや、自身の経験を楽曲にするという原点を、初めて幾田りらに触れる方にも伝えられるようなアルバムになっています。そして2025年現在も変わらず、自分自身の生活の中にある心の機微や、日記のような感情を楽曲として描き続けています。これまで“ボーカリスト”として知られてきた側面に加え、一人のクリエイターとして音楽で自分自身を表現する存在として興味を持ってもらえたらうれしいです。誰かの日常や心の拠り所になれるようなソロ活動を、これからも大切にしていきたいと考えています。
――AKMUのスヒョンさんやNewJeansなど、さまざまなK-POPアーティストと共演し、TOMORROW X TOGETHERの「0X1=LOVESONG (I Know I Love You)」日本語版にもフィーチャリング参加されていますが、ZICOとのコラボはまた違った挑戦だったのではと思います。新しいことや初めての試みには、どのように向き合うタイプですか?
幾田りら:これまでさまざまな韓国のアーティストの方々とコラボレーションさせていただく機会がありました。相手の楽曲に参加させていただく際は、常にリスペクトを大切にしながら、自分が加わることで新たな魅力が生まれるステージや楽曲にできたらという思いで、楽曲参加・歌唱参加をしてきました。今回は、2人でコラボレーションし、一緒に楽曲を制作して完成まで作り上げていくプロジェクトでした。楽曲を作っていく過程そのものがとても楽しく、ZICOさんの音楽的ルーツを感じながら、その中で自分らしさをどう表現していけるのか、そこで生まれる化学反応を意識しながら向き合えたことが、とても有意義な時間だったと感じています。
コラボレーションの際には、そのアーティストの方がこれまでどのような音楽を作ってきたのか、どんなルーツを持っているのかをできる限り調べ、理解を深めることを大切にしています。その上で、自分が加わることでどのような新しい変化をもたらせるのかを意識しながら、相手の世界観と幾田りららしさが、いい意味で両立できる形を目指しています。
――今回の楽曲タイトルは「DUET」ですが、「理想の相手とデュエットしたら、どうなるだろう?」という想像から始まったと伺いました。どのような点でおふたりのシナジーを期待していたのでしょうか? また、ミュージシャン兼プロデューサーとしてのZICOにどのような印象を持っていましたか?
幾田りら:いい意味で、まったく異なるルーツやジャンルで活動してきた2人だからこそ、ZICOさんの得意とするクリエイティブの中で、どのように交わっていけるのかという点にとてもワクワクしました。これまでZICOさんが、さまざまなジャンルの音楽を柔軟に、そして自在に作り上げてきたことも知っていたので、今回のコラボレーションにおいて、幾田りらという存在をイメージしながら、今回ならではの楽曲を制作してくださるということ自体が、とても楽しみでした。
――シンガーソングライターとして、他の誰かが作った音楽に自分の色を溶け込ませる作業には、どんな楽しさがあるのでしょうか?
幾田りら:自分の楽曲として制作する場合とは違い、私自身をイメージして作っていただいたメロディーから歌詞を紡いでいく作業は、より客観的に自分のイメージを捉えてもらっていることを強く意識する時間でした。その分、「自分がどう歌えば相手の期待に応えられるのか」「こう表現したら、この楽曲によりよいスパイスを加えられるのではないか」と考えながら、いつも以上に自分自身をプロデュースするような感覚で制作に向き合いました。自分で楽曲を作るときとはまた違った視点で、自分の声や表現と向き合うことができた、とても新鮮で刺激的な制作経験だったと感じています。
――ZICOは多くのアーティストとコラボし、かつてはK-POPボーイグループとしても活躍したというユニークな経歴を持っています。そんな彼にとっても、海外の女性ミュージシャンと単独で制作するのは初めてだったそうですが、その事実は今回のプロジェクトを進めるうえで何か影響を与えましたか? 音楽において言語や国境は大きな意味を持たないと感じることはありますか?
幾田りら:私が目指しているのは、それぞれの言語やルーツを大切にしながら、純粋に楽しい音楽を発信し、その面白さが国境を越えて音楽として自然に広がっていくことです。言葉や文化の違いを超えて、音楽そのものの魅力で人と人がつながっていくことを、これからも大切にしていきたいと考えています。今回の「DUET」も、どんな場所で、どのような時間を過ごしていても、音楽を通してつながれるというテーマのもと制作しました。お互いの音楽をシームレスに持ち寄り、無邪気な気持ちで制作に向き合うことで、聴いてくださる方が純粋に楽しめる楽曲になるのではないかと思いながら取り組みました。
――ミュージックビデオの撮影は日本で行われました。K-POPシーンは音楽のビジュアライズに非常に力を入れることで知られていますが、これまでのMV制作とは違うと感じた点はありましたか?
幾田りら:これまでの活動では、シンガーソングライターとして、歌やその背景にあるストーリーを映像で表現することは多くありましたが、ダンスによって物語をつないでいく表現に挑戦したのは、今回が初めてでした。印象的な振付の中で、自身も実際に踊りながら表現する映像撮影は初めての経験で、とても刺激的でした。歌とはまた違う身体表現を通して楽曲の世界観と向き合えたことが、新たな発見につながったと感じています。
――幼い頃からピアノとギターを学び、芸術学部に進学されています。ひとつの道を歩み続けてきたことへの誇りはありますか? 自分の道は音楽だと確信したのはいつ頃でしょうか? また、進路が早くから決まっていたことで悩んだ時期はありましたか?
幾田りら:歌うことは日常の一部として自然に身についていて、物心ついた頃から歌手になることを夢見ていました。活動を続ける中で、さまざまな悩みは常に隣にあり、特に高校時代は、10代のうちにデビューすることを目標に掲げていた分、その思いがなかなか形にならない日々に葛藤していた時期でした。周囲にも同じ夢を持って努力している人たちがいる中で、自分はどうすれば環境を変えられるのか、どうすれば一歩先に進めるのかを考え続けていました。
そうした10代の頃に抱いていた思いや、純粋に歌と向き合いたいという探究心は、今もなおミュージシャンとして活動する上での軸であり、自分を突き動かしてくれる原動力だと感じています。今でも、一言で言えば「初心」を忘れず、音楽が大好きだという気持ちを常に胸に置きながら、作った音楽が誰かに届き、その人の生活に少しでも彩りを添えられたらうれしいと思っています。
――そして、ソロとして初めての韓国公演も控えています。ソウルで単独公演を行う日本人女性シンガーソングライターは多くありません(今年はあいみょんさん、来年は松田聖子さんがいます!)。今回、単独コンサートを決めたお気持ちや、アーティストとしてどのような成長につながると感じていますか?
幾田りら:これまで、海外を強く意識して楽曲を制作してきたわけではなく、自分の日常の中にある心の機微を大切にしながら音楽を作ってきました。そうした楽曲が、日本国内だけでなく、海外のさまざまな方にも聴いていただけていることを、とてもうれしく感じています。もし、海外で暮らす方々の日常にも寄り添うことができているのだとしたら、それは本当に幸せなことですし、今回の韓国公演のように、いつかその音楽を各地へ直接会いに行って届けることができたらうれしいなと思っています。
――今回のプロジェクトについて、どんな言葉や反応をもらえたらうれしいですか?
幾田りら:2人ならではの化学反応を楽しんでもらえたり、この楽曲が持つポップで楽しい魅力が自然に伝わったらうれしいです。
◎リリース情報
「DUET」
2025/12/19 DIGITAL RELEASE
(P)&(C) KOZ Entertainment.
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