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2025年年間Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」が首位を獲得した。
2025年は、下半期初週にあたる6月4日公開の“JAPAN Hot 100”より、52週チャートインした楽曲のストリーミング・ポイントを一定の割合で減算する“リカレントルール”を適用したことが大きなトピックとなった。当チャートはリカレントルール適用外のチャートのため、2025年下半期からも同年上半期以前と同様のルールで集計をおこなっている。
本年上半期チャートの際も記したことだが、今年のストリーミングシーンはまさに“Mrs. GREEN APPLEの年”であった。デビュー10周年のメモリアルイヤーということもあり、コンスタントな新曲リリースに加えてベストアルバム『10』、また神奈川・山下ふ頭での大規模野外ライブ【MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~】に、現在も開催中の自身初となる5大ドームツアー【DOME TOUR 2025 ”BABEL no TOH”】と、いっそうパワフルに活動していた彼ら。そこで広げた支持を示すように、トップ20のうちミセスの楽曲は2024年年間では7曲、2025年上半期では半数の10曲であったところを、2025年年間では12曲に増加。着実にその勢いを強めている。
首位を獲得した「ライラック」はTVアニメ『忘却バッテリー』のオープニング・テーマで、アニメ初回放送後の2024年4月12日にデジタル・リリース。登場11週目にあたる2024年6月26日公開チャートで初の1位を獲得して以降、通算で36回の当チャート首位を獲得しており、これまでOfficial髭男dism「Pretender」が保持していた記録を抜いて、歴代単独最多となる首位獲得記録を打ち立てた。
またこの曲に加え、2023年の【第65回日本レコード大賞】で大賞を獲得し、彼らの人気を爆発させるきっかけになった「ケセラセラ」、2022年リリースの「Soranji」、2025年最初のリリース作であった「ダーリン」、彼らの代表曲で今や夏の風物詩にもなった「青と夏」で、驚異のトップ5を独占。当チャートにおいて、同一アーティストが年間トップ5を独占するというのは今回が初となる。さらにトップ100に広げると、Mrs. GREEN APPLEの楽曲が実に22曲登場していることからも、2025年のストリーミングシーンはミセスの一強状態であったことは疑いようがない。
Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が当チャート首位を獲得していた2024年年間チャートは、その他トップ20を含め“楽曲のパワー”が強く表れた結果であった。それに対し、今年はMrs. GREEN APPLEしかり“アーティストのパワー”が強く表れる結果になったと感じる。特にその勢いを感じるのが、HANAとちゃんみなの2組だ。今年1月にプレデビューしたばかりのHANAは、4月リリースのデビュー曲「ROSE」(9位)および、リリース当時の今年度最多週間ストリーミング数を記録していた「Blue Jeans」(20位)がトップ20入り。トップ100では「Drop」「Burning Flower」「Tiger」も含めた計5曲を送り込んだ。また、HANAのプロデューサーを務め、彼女たちを生んだオーディション【No No Girls】でその人間性にも大きな支持を集めたちゃんみなは、昨年はトップ100圏外であったところから、「SAD SONG」「ハレンチ」「Never Grow Up」の3曲がトップ100に登場している。話題を呼んだ1曲だけでなく、複数曲で年間トップ100入りを達成するというのは、曲単位に限らず“アーティスト”そのもののファンが多くついており、さらにそのファンがストリーミングでそのアーティストの楽曲を聴き続けている状況(これにはストリーミング・プラットフォームのアルゴリズムも関係していると思われるが)ができあがっている証明だろう。
年間順位としては11位に落ち着いたが、当チャートにおける国内楽曲最多となる週間ストリーミング再生回数(28,733,082回)、また史上最速(4週)でのストリーミング累計1億回を記録した米津玄師「IRIS OUT」は、リリースから10週にしてさっそく年間チャートに登場。この曲の登場で、2021年以降毎年1曲は誕生している“ストリーミング週間2,000万回超”楽曲の歴史が2025年も更新された。今年のトップ20がMrs. GREEN APPLEによって2024年のモードから大きく塗り替えられたように、2026年度はどのような楽曲やアーティストが台頭してくるのか、さらにストリーミング市場の成熟によって前人未踏の“週間3,000万回再生”を達成する楽曲は現れるのか、期待が高まる。
Text by Maiko Murata
【Billboard JAPAN Streaming Songs of the Year 2025】トップ20
1位「ライラック」Mrs. GREEN APPLE(475,655,201回再生)
2位「ケセラセラ」Mrs. GREEN APPLE(279,927,751回再生)
3位「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(273,412,805回再生)
4位「ダーリン」Mrs. GREEN APPLE(262,642,609回再生)
5位「青と夏」Mrs. GREEN APPLE(256,148,661 回再生)
6位「APT.」ロゼ & ブルーノ・マーズ(249,835,869回再生)
7位「クスシキ」Mrs. GREEN APPLE(232,966,101回再生)
8位「ビターバカンス」Mrs. GREEN APPLE(230,319,597回再生)
9位「ROSE」HANA(222,589,130回再生)
10位「点描の唄 feat.井上苑子」Mrs. GREEN APPLE(221,887,580回再生)
11位「IRIS OUT」米津玄師(208,023,107回再生)
12位「怪獣」サカナクション(207,224,840回再生)
13位「幾億光年」Omoinotake(202,572,442回再生)
14位「ダンスホール」Mrs. GREEN APPLE(201,595,000回再生)
15位「怪獣の花唄」Vaundy(200,760,345 回再生)
16位「僕のこと」Mrs. GREEN APPLE(196,819,763回再生)
17位「オトノケ」Creepy Nuts(177,423,801回再生)
18位「familie」Mrs. GREEN APPLE(170,500,808回再生)
19位「Magic」Mrs. GREEN APPLE(168,655,693回再生)
20位「Blue Jeans」HANA(168,645,923回再生)
集計期間:2024年11月25日(月)~2025年11月23日(日)
※()内の数字は集計期間中のストリーミング再生回数となります。
※総合ソング・チャート“Hot 100”のストリーミング指標と動画再生指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、一部サービスにおけるデータを無料ストリーミングと有料ストリーミングで分けて集計し、それぞれ異なる係数を乗じているため、再生回数の合算によるランキングとは異なる場合があります。
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