<ライブレポート>青春パンクアイドル・BLUEGOATS「最後は絶対に私が必ず迎えにいくからね」結成4周年記念公演で絆を深める──来年1/28恵比寿LIQUIDROOMワンマンへ

2025年11月12日 / 12:00

 横浜アリーナを満員にするという目標を掲げ、青春パンクを歌い叫び続けている女性アイドルグループ・BLUEGOATS(ブルーゴーツ)。現在【青春を、もう一度】なる東名阪ツアーを敢行中の彼女たちが、結成4周年記念となる公演を11月6日(木)東京・下北沢シャングリラにて開催した。

<BLUEGOATSの軌跡「ここにいる奴全員、私たちの英雄だぁー!」>

 2021年11月7日、下北沢でのお披露目ワンマンライブから4年と1日が経ったこの日。彼女たちは同じく下北沢のライブハウスをアニバーサリー公演の地に選び、あの頃の何倍もの熱量を蓄えて「はじめまして、BLUEGOATSです! どうぞよろしくお願いしまーす!」と、冒頭から「Everybody goodday 最近調子はどうだいベイビーなりたいあの日の君にあとどれくらい?」という問いかけに前へ前へと詰めかけるファンと共に狂喜乱舞。かつてはアイドルが青春パンクを歌うスタイルについていけないオーディエンスも多くいたそうだが、今では誰もがメンバーに負けじと拳を振り上げながら共に歌い叫ぶようになり、昔はBLUEGOATSに懐疑的だったアイドル業界関係者や、様々な対バンの他のアイドルファンからも「BLUEGOATSのライブがすごい」「泣かされてしまった」などの声をよく耳にするようになった。

 それはきっとメンバー4人(ほんま・かいな、ダイナマイト・マリン、チャンチー、ソンソナ)が否定的な声に翻弄されながらも、自分たちの音楽は絶対に誰かの人生を変えられるはずだと、何があろうと夢を叶えられるアイドルグループになれるはずだと、今日まで諦めることなくステージから歌い叫び続け、BLUEGOATSのあらゆる楽曲を自らと聴く者の人生の歌へと昇華できるようになったからだろう。そんな英雄である彼女たちが「飛び立つ前には飛べないなんて きっと誰もが言われてきたんだ」と、客席に集いし戦友たちに「ここにいる奴全員、私たちの英雄だぁー!」と叫びながら歌う「英雄の歌」は涙なしでは聴けないほどドラマティックに響き渡り、かいなが最前客の手を杖がわりに柵の上に立って「今日、あんたが持ってきた気持ちひとつずつ、ひとつ残らず抱きしめて帰るんで、あんたたちも一緒に歌ってください! 今日は全員でヤバい日にしようぜぇー!」と煽ると、誰もが本当に良い笑顔で、想いが溢れすぎた声にならない声で、このうえなく美しいシンガロングを生み出してみせた。

 「私たちのこと、知らない人たち。アイドルのライブと聞いて来たのに「思っていたライブと違う」って思っている人もいるんじゃないかな(笑)。この中でメンバーの名前を知らずに来た人もいると思うんで、私たちは普段は自己紹介とか絶対にしないんですけど、今日はちょっと特別だから」とかいなが振ると、ソンソナが「君に届け! ソナのラブソング~! BLUEGOATSのソナです! みんなで「ソナちゃん」って呼んでください。いくよ? せーの!」「ソナちゃーん!」というアイドル然とした自己紹介をし、あまりにレアな状況に舞い上がるファンたち。その流れでかいなも「はい! BLUEGOATSのギャンブル担当……」と可愛らしく自己紹介を始めるのだが、マリンから「おまえはいい、おまえはいい! 次いくよ!」とツッコミが入り(笑)、曲は「It Won’t Be Long」へ。「笑わないで聞いて 世界を変えたいんだ」と4人4様の全身全霊の声で、BLUEGOATSなりの革命の歌を君のもとへ響かせていく。

<「それでも、私はこのワガママを貫いて貫いて貫いて今!」>

 そんな涙あり笑いありの4周年記念公演。マリンが「4周年、本当にありがとうございます」と感謝を告げるとゆっくり語り始める。「私は6年前に地元の群馬を出て、ワガママを言って、友達や親に頭を下げてBLUEGOATSになりました。私がずっと親から言われていたのは「おまえは本当に言うことを聞かない」と。「昔から言うことを聞かない奴だったよ」と散々言われてきて。で、今、BLUEGOATSに入っているわけなんだけど、私がね、いっつも社長に言われていることが「おまえは本当に言うことを聞かないな」っていう(笑)。私、本当に変わってなくて。情けないなって思うんだけど。でも、それでも、私はこのワガママを貫いて貫いて貫いて今! BLUEGOATSとしてここに立っています! 友達にも家族にも「いつか売れたらライブに来てよ」と言って、もう6年も経った。約束なんてひとつも叶えられてない。だけど、それでも、私ができるいちばんの恩返しは、自分のワガママを貫いて、自分が決めたこの場所で、この街で成功すること。そのひとつだけ。私、この街に友達も家族もいないけど、今は同じ歌を歌うメンバーやあなたがいる。だから、最後までやり切るまでは、ワガママばっかだけど、本当に迷惑かけてどうしようもないけど、最後まで貫かせてくれ。そして、また絶対に帰ってくるからなー!」

 そう語ると、今話していた通り、メンバーと眼前のあなたたちひとりひとりと「八月の日が差す頃」を歌い始める。約束を守れないまま過ぎ去っていった日々を思い返しながら、それでもいつか夢を叶えて大切な人たちにまた会いに行く日を想って、みんなと「ララララララ♪」と声を重ねていく。

<「やっぱりアイドルだけ辞められなくて頑張ってきた!」>

 この日はメンバーひとりひとりが心情吐露するロングMCの時間が設けられており、その2番手をチャンチーが担当。「BLUEGOATSが始まって、4年が経ちました。私、アイドルを始めて10年が過ぎました。私はよく「笑顔がいいね」って言われるし、他の人から見たらきっとヘラヘラ笑ってて、ずっとドジって、アホで。忘れ物とか失くし物ばっかりして、ヘラヘラ笑っているような……そんな風に見えているような人生。……人生なんて少しぐらい惨めなほうが~♪ ……10年、アイドル続けてきたよ。どんなに笑われたって、この1本だけは、アイドルだけは、10年、1本、踏ん張って踏ん張ってやってきたよ。そんな私の人生。だからこそ……生きている感じがするでしょ バカみたいだ 今日もまた誰かに笑われて~♪ ……10年の中で大学通っていたときもあって。でも、こんな奴と、こんなアイドルと同じ学年にいたくないって言われて、強制退学した。でも、そんなこともあって、この10年、大学だって捨てて、踏ん張って踏ん張って、やっぱりアイドルだけ辞められなくて頑張ってきた! 1本だけ頑張ってきた! そんな人生、まだまだ終わらせられるわけがない! まだまだ終わる気もない! そんな私……死ねるわけがなぁぁぁぁぁい♪」

 そうアカペラを交えながら語ると、哀愁と熱情が入り混じるギターの音色と共に「あたしの人生クソすぎる」を歌い始める。誰かに笑われるような惨めな人生だとしても、自分でもバカみたいだと思う人生を歩んでいたとしても、こんなところで死ねるわけがないと、クソみたいに光ってやると生きていく日々を「素晴らしき我が人生」と愛すべき仲間たちと歌い叫ぶ。

<「自分だけ幸せでいいんだったら、BLUEGOATSっていう人生を選んでない!」>

 さらに「ガムシャラ」「誰もあなたを笑わない」といったキラーチューンで会場を圧倒的な熱量でひとつにし、大スパークを生んでいくと今度はソンソナが語り始める。「4周年でしみじみと思うことがあって。私、実は2年前にお母さんとある約束をしたんです。3年後、横アリに行けなかったら、もうアイドルっていう夢は諦める。だけどね、やっぱり、諦めきれなくって! 大切な人との約束なんだけど、それでも「どうにか!」って引き伸ばしているんです。先延ばしにして、だけど、ずーっとお母さん、家族は応援してくれていて。だから、今日こうやって4周年、あなたと顔を合わせてライブができていること。あのとき、私に夢を諦めなくてもいい環境をくれたお母さんに今はまだ感謝しかできていないんだけど、本当に感謝しています! 私ね、夢って叶えるか諦めるか、この二択で。きっと諦めないといけないときのほうが多いって思うんですよ。だけど、私はもう叶えられる環境をもらったから。だから、絶対に叶える。もう3年経ったけど、のんびりしているつもりはないし、今日までの時間を信じているし、今日だってね、あなたと「今日、良い日だった」って言えるように、その夢を叶えに来たんです! 私、自分だけ幸せでいいんだったら、BLUEGOATSっていう人生を選んでない! 誰かに愛されていたいし、愛してくれたあなたのその愛に相応しいアイドルでいたい! だから、あなたとおんなじ景色が見たい! だから、今日も私はここを選んであなたに希望の歌を歌いたい!」

 そう母への感謝と愛するあなたたちと叶えたい夢について熱く語ると「これが人生だ」を歌い始める。何があろうと夢が叶えたくってどうしようもない人生にありったけの想いを乗せて、大切な仲間たちと愛すべきあなたたちと希望の歌を叫んでいく。

<「音楽が流れたら、失ったものも、今ここにあるものも思い出す」>

 そして「嘘ひとつ言えたなら」「IWGP」と全員で肩を組んで揺れながらハートフルすぎるシンガロングを生み出したあとは、その優しさに包まれたままかいなが語り始める。「BLUEGOATS、いつに間にかもう4年も経っていました。気付けばYouTubeが炎上していたり、フロアにいつも居てくれた人がいなくなっていたり、メンバーも……今は変わってないけど、昔はちょくちょく変わったり、曲も変わったし、グループの感じも変わったし、フロアの感じも変わって。「変わったな」と思うことがたくさんあると同時にきっと私、たくさん失ったものもあるんだろうなって、この4年をちょっと振り返ってみて思って。でも、失ったものばっかりもう数えたくないし、てか、もう数えてもないし、失っても寂しくないって思えるところまでひたすらやろうって、本当に後ろも横も見ないで突っ走ってきました。そしたら、いつの間にか、こんなにたくさんの人がライブを観に来てくれるようになったし、曲も死ぬほど増えたし……ここは笑うところです。あのー、本当に曲が多すぎて(笑)。でも、そのひとつひとつがあなたの心ときっと結びついているんだろうなと思う。それがすごくうれしい。例えば、会社に行く前とか、試験の前によく聴いていたなぁとか、学校とか会社とか行くのがイヤで「でも、頑張んなきゃ!」ってときに聴いていたなぁとか、会社の帰りに寝ながら聴いていたなぁとか。そういう大事な曲はこれからどんなにたくさん増えても、あなたの心の中に在り続けていると思う。それは私たちだって同じで、私たちにだって大事な曲があります。この曲がなかったら今のBLUEGOATSはきっとないし、ここにいるあなたたちひとりひとりとだって多分出逢えなかったと思う。すべてのBLUEGOATSのはじまりみたいな曲です」

 そう語ると「ねぇダーリン ここから 見えない東京タワー あの頃君とおそろいの夢 見れた気がしていた~♪」「それでもここにいるあなたたちひとりひとりの目を見たら、それでよかったんだって思う。失ったものはもう数えない。今、目の前にあるものだけを見つめる。失ったものだって多分、本当に失ったわけじゃないんだよ。音楽が流れたら、失ったものも、今ここにあるものも思い出す。それってずっと心の中で生き続けてるってことなんじゃないかって思う。それなら……さよならだって 寂しくなーい♪ おー、いぇぇぇぇぇぇーい! この曲はあなたを照らせるような曲でありたい」と、BLUEGOATSの代表曲と言っても過言ではない「東京タワー」を会場中の全員とエモーションの限りに歌い上げていく。

<「迎えにいくよ 友よ──」絆を深めた4周年公演 初のアルバムリリース発表も>

 そのまま感情剥き出しで「君の唄で生きていたい」「YOLO」でも爆発的なシンガロングを響き渡らせると、かいなが「今日、みんなにたくさん「4周年おめでとう」と言われて「ありがとう」って返していたけど、私、メンバーに言っていなかったなと思って。4年って本当にあっという間で、4年経ったような気が全然しない。私たちは、4周年、5周年、6周年ってこの数字を重ねることが目標じゃなくて、横浜アリーナに行くことが目標だから。これから数字が増える度に傷つくことも失敗も、もちろん成功もたくさん増えると思う。YouTubeの登録者数が増えて、ここに来てくれるお客さんが増えて、ライブハウスのキャパの数字もどんどんどんどん大きくなっていって、その度に成功も失敗もたくさんすると思う。傷つかないなんてのはきっと無理だから、傷ついたときにいつでも顔を見合わせられるような、ここにいる4人もそうだけど、あなたたちとも顔を見合わせて「でも、それでもよかったね」ってそう言い合えるようなBLUEGOATSでいよう。多分、この先、本当に想像できないことがたくさん私たちを待っているけど、そんなに怖がらずに、不安にならずに、自信持って、私たちなりに負けずに、歩いていけたらと思う。迷ったり、立ち止まったりしても、それでいいよ。好きなだけ迷っていいし、好きなだけ立ち止まっていい。最後は絶対に私が必ず迎えにいくからね。」

 そう語って「迎えにいくよ 友よ───」と大切なメンバーへの無骨なラブソング、新曲「友よ」を歌い始める。こうして4周年という記念すべき日に絆を深めたメンバーたち。マリン、チャンチー、ソンソナの姿を客席最前から眺めながら「こんなに良い顔してたんだ」とかいなが笑うと、最後はみんなでピースマークを掲げて“解り合って散る”=「解散」。ステージも客席も誰もが笑顔で全力熱唱しながら「いざサラバ!」と、この日のライブを締めくくった。……ように思えたのだが、鳴り止まないアンコールに応えて再登場した4人は「私たち、今度さ、アルバム出すじゃん?」と、さらっとBLUEGOATS初にして全曲新曲のフルアルバムリリースを発表。歓喜とどよめきの声に包まれる会場。そして「マリン、このアルバムで印税いくら狙ってる?」「生生しいな!」といった彼女たちらしい絡みから新曲「印税558円」を披露したのだが、そのユニークなタイトルの印象とは裏腹にやたら猛々しいナンバーとなっており、続くオーラスの「TOMORROW」と共にこの日最大のスパークを生み出してみせた。

<恵比寿LIQUIDROOMワンマンなど今後の動向にも注目>

 こうして4周年記念公演を成功させたBLUEGOATSだが、本公演含むツアー【青春を、もう一度】はまだ続く。12月27日(土)大阪・Live House Pangea、そして、2026年1月28日(水)には【さらば青春の光】と題した6thワンマンライブがツアーファイナルとして東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催される。また、初のアルバムはまだ発売日など詳細未定だが、菅波栄純(THE BACK HORN)、田仲圭太(TOPICS.LAB)、井口イチロウ、小柴タケト(Cloudy)、田口悟(RED in BLUE)といった豪華作曲陣が手掛けたナンバーを収録。この日初披露された楽曲も含む、全12曲が収録される。このリリースに伴うイベントも後日発表予定となっているので、お見逃しなく。

 いずれもBLUEGOATSが横浜アリーナで夢を叶える為の大きな一歩となるトピックゆえ、ぜひ注目してもらいたい。

取材&テキスト:平賀哲雄
写真:すずき大すけ

◎イベント情報

BLUEGOATS LIVE TOUR【青春を、もう一度】
10月5日(日)東京・shibuya CYCLONE(終了)
10月11日(土)愛知・RAD HALL(終了)
11月6日(木)東京・下北沢シャングリラ(終了)
12月27日(土)大阪・Live House Pangea
OPEN 18:00 START 18:30
https://bluegoats.jp/news/42b2d55b-1493-4dc4-b35b-7456fd62a7f5

BLUEGOATS 6thワンマンライブ【さらば青春の光】
2026年1月28日(水)東京・恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00 START 19:00
https://bluegoats.jp/live/8323907c-7f08-4900-9b33-dd31e849092d

◎アオヤギチャンネル | BLUEGOATS
https://www.youtube.com/@BLUEGOATS


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