原因は自分にある。イベント撮影をかが屋加賀が担当、川谷絵音からサプライズメッセージも

2025年10月16日 / 17:15

 10月15日に4thシングル『パラノイドランデブー』をリリースした原因は自分にある。(通称・ゲンジブ)が、CD予約購入者の中から抽選で選ばれた観測者(ファンの呼称)2,000名を招き、発売記念リリースイベントを新宿・新宿住友ビル三角広場で開催した。

 表題曲「パラノイドランデブー」は川谷絵音の書き下ろし楽曲で、2019年にゲンジブが現在のグループ名を発表した際、川谷が「気になる。笑」とSNSで反応したという縁が6年越しに結実したものだ。イベントでは川谷からのメッセージ映像も大型ビジョンにサプライズで公開された。また、写真にまつわる歌詞やシャッター音がサウンドに入っていることにちなみ、カメラ愛好家として知られる加賀翔(かが屋)もサプライズゲストとして招かれ、当日に撮影したライブ写真の披露や、7人がメンバー愛にあふれた写真で競う『写真愛があるのは誰だ?ゲンジブフォト選手権」も。最後は「パラノイドランデブー」のミュージック・ビデオの初上映、さらにステージ初パフォーマンスと盛りだくさんのメニューで、2年4か月ぶりとなるシングルの発売を観測者と共に祝った。

 躍動的なSEに乗ってメンバーが特設ステージに登場すると、まずは4月に発売された4thアルバム『核心触発イノベーション』のリード曲で、オフィシャルYouTubeチャンネルでのMV再生数が240万回を突破した「因果応報アンチノミー」をパフォーマンス。「楽しもうぜ!」と気勢をあげた大倉空人はウインクをかまし、黒と赤を基調にレザーやグローブ、安全ピンなどを用いたロック&スタイリッシュなスタイルの7人に、集まった2,000人の観測者は熱狂する。SNSでも話題になった〈An An AAAn〉のリフレインとシンクロ率の高いタットダンス、そしてリーダー・吉澤要人の舌打ちと、独特すぎる哲学的世界観は、まさに“THEゲンジブ”と言えるもの。マイクを取るメンバーのイメージカラーに合わせて、次々にペンライトの色を変える観測者の一体感も見事だ。

 ここからは司会者が登壇して「パラノイドランデブー」についてのトークとなり、長野凌大と共に川谷絵音のラジオに出演したという杢代和人は「『尖った個性のあるグループだからこそ、この曲が作れました』と言っていただきました」とコメント。大倉は「その尖りは、これまでタッグを組んできたクリエイターの皆さんが思う『原因は自分にある。とは?』が融合されていったもの。『パラノイドランデブー』にも、そういう部分が感じられる」と語った。

 また、長野は今作のテーマを「逃避行」と明かし、「現代に生きる我々が、SNS等で直面する課題に対して向き合い、『どうポジティブに捉えていくか?』という一種の抗いをテーマにしている」と説明。パフォーマンスに関して「フォーメーションがとても多い! 常に移動しているので、1曲通して飽きずに見れる」と吉澤が伝えれば、武藤潤は「スピーディーな曲なので、レコーディングではブレスが難しくて息苦しくなることも。ただ、逃避行がテーマなので、何かに追われてる緊張感がブレスで表現できてたのかなと。『面白いな、音楽って!』と思いました」と笑顔を見せた。

 ここでステージ上の大型ビジョンに、なんと川谷からのサプライズメッセージ映像が。2019年8月7日にグループ名変更のニュースを「気になる。笑」と引用リツイートしてから6年が経ち、「ようやく携わることができて感謝しております」と挨拶した。また「パラノイドランデブー」について「楽曲自体はカラフルだけれど、歌詞はそんなに前向きではない。ただ、今のタイミングでゲンジブが歌うべき歌詞だなと思って書かせていただきました」とコメント。「いろんな深読みもできると思いますし、何回聞いても楽しめる作品になっているので、これから大切な曲になっていってほしいなと思っております」と話す川谷を見て、武藤は「しゃべり声、カッコよ!」と驚きの声をあげた。

 さらに、メディアのフォトセッションと観測者のメンバー撮影タイムを挟み、歌詞に〈はい、ポーズ〉〈はい、チーズ〉といった写真にまつわるワードや、シャッター音がちりばめられた新曲にちなんで、カメラフリークとして知られる加賀翔(かが屋)がスペシャルゲストとして登場。ステージ上からも7人を撮影し、カメラを構える加賀をセンターに集合写真を撮る際には「こんな構図見たことあります!?」と興奮して「川谷絵音さんには頭が上がりません!」と恐縮した。続いて、写真を撮るポイントを聞かれると「距離感。上手く撮ろうと思わずに、好きだ、カッコいいと思ったことを素直に口に出して撮ること」とメンバーにアドバイス。加賀はオフィシャルカメラマンとしてライブもステージ下から撮影しており、ここで撮ったばかりの写真が大型ビジョンで公開され、桜木雅哉が「唯一、今日(振りを)ミスったところ」が激写されている奇跡も。また、大倉の満面の笑顔も見事に捉えられており、観測者から拍手が湧いた。

 続いて、事前にメンバーがそれぞれ提出したこだわりの1枚の中から、最もメンバー愛にあふれたものを選ぶ『ゲンジブフォト選手権』も開催。大倉は自身のファンミーティングを観に来てくれた長野に後ろから抱きついているショットを、小泉光咲は2年前の初アリーナ公演で「藍色閃光」を披露する7人を下から押さえた1枚を選んで「絆を感じられる曲なので、ゲンジブ全体の愛を感じられるんじゃないかな」と解説した。

 「載せちゃいけない写真ばっか出して、ギリいけるのがこれだった」と桜木が出したのは、アルバム撮影の際のラフな吉澤のショットで、カメラをやっていた長野は初の写真集撮影で行った沖縄の海をバックに、自身がフィルムカメラで撮ったメンバーの写真を提出。武藤はゲームセンターのプリ機の中で小泉と指でハートを作った瞬間のショットを出し、杢代はライブ前に円陣を組む7人の写真を前に「円陣ってこのメンバーでしかやったことないなぁと思って。僕のカメラで撮ってもらいました」と説明する。

 最後に、遠征先の中華料理屋に並ぶ武藤と桜木を写した1枚を選んだ吉澤は「最年長と最年少が一緒に仲良くご飯食べてる姿って、メンバーから見ても愛おしい」とリーダーらしいコメントを残した。この中からメンバー愛を最も感じた1枚として、加賀は長野の1枚を選出。「みんなデジタルなのに、長野さんだけ現像代かかってるんで!」と理由を伝えた。

 最後までメンバーを撮影しながら加賀が退場すると、この日のお昼にYouTubeでティザー映像のみ解禁されていた「パラノイドランデブー」のMVが全編初公開。草原を走る杢代、海辺にたたずむ吉澤、壁一面に紙が貼られた部屋に閉じ込められた長野、ノイズの走るテレビモニターに囲まれた大倉、電脳空間で黒い目隠しをされた武藤、バスタブに横たわる桜木、朱色のボードの前で拡声器を持つ小泉と、異なるシチュエーションで憂いや、時に狂気も垣間見せる7人の表情に、観測者からは悲鳴交じりの大歓声が。「パラノイドランデブー」はSNSに代表される現代の衆人環視社会における葛藤や孤独、そこからの逃避行を歌っている楽曲であり、MVでは抑圧された自我から解放までのストーリーを描いているという。そのテーマのもと、それぞれが思い思いの表情や仕草で自由に演技をし、逃避行の先にカタルシスにも似た心地よい余韻を感じさせてくれるのは、メンバー全員が俳優としての活動でも注目を集めているゲンジブならではだろう。

 上映後、そのまま7人はステージで「パラノイドランデブー」をパフォーマンス初披露。キャッチーな旋律に乗り、キレの良い動きで目まぐるしくフォーメーションを変えながら、見事なマイクリレーで悩ましい歌声を聞かせていく。まだなじみの薄い新曲にもかかわらず、歌うメンバーが変わるたび一斉に色を変えるペンライトの海も実に壮観だ。一瞬、クライマックスで音が止まると、吉澤が〈はい、ポーズ〉とウインクを決め、ラストでセンターに立った杢代も曲終わりのシャッター音に合わせてウインク。リリースに際して川谷絵音が出した「今までで一番セクシーでカッコよくてユーモラスなゲンジブを見せることができたんじゃないかなと思います」というコメントを、ライブパフォーマンスでも見事に体現してみせた。

 観覧スペースから拍手が湧くなか、杢代が「めちゃくちゃ楽しかったです!」と感想を述べると、この「パラノイドランデブー」MVが夜9時にオフィシャルYouTubeで公開されることを告知。また、7月に国立代々木競技場 第一体育館で行われたアリーナライブ【序破急】を収めたBlu-rayが12月10日にリリースされることも発表された。最後に長野が「これからもゲンジブの世界観だったり、僕たちの伝えたいものを追求して、素敵な音楽をみなさんに届けられるように頑張っていきますので。ライブでまたお会いしましょう」と告げ、武藤が「シングル収録の3曲全部最高なので、何度も聞いてくれたら嬉しいです!」と付け加えてリリースイベントは終了。10月19日には千葉・豊砂公演、10月26日には千葉・セブンパークアリオ柏で観覧自由のミニライブ付きのリリースイベントが開催される。

Text by清水素子
Photos by 加賀翔(かが屋)


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