<ライブレポート>FOMARE、地元高崎で1万人に誓った宣言「この先どんなことをして、誰に何を言われようが、僕たちFOMAREは変わらずにいようと思います」

2025年10月3日 / 18:00

 結成10周年を迎えたFOMAREが、無料ライブ【愛する人、場所】を群馬・Gメッセ群馬で開催した。群馬県高崎市出身のFOMAREは、最新作であるEP『overturn』のリリース前日、9月23日に自身最大規模のワンマンを地元で実現。1万人のファンが会場に駆けつけた。

 ライブの始まりを今かと待っていたファンが、おなじみのSE「雨の日も風の日も」に合わせて合唱や手拍子をし、喜びを表現するなか、アマダシンスケ(Vo/Ba)、カマタリョウガ(Gt/Cho)が現れた。また、ライブの前半では、サポートドラマーとして畝狹怜汰(mother/forgive,forget)が参加。この日は、前後半でドラマーを交代するという新体制ならではの構成でライブが行われた。

 曲よりも先に届けられたのは、カマタが紡ぐアルペジオとアマダの言葉。「高崎のFOMAREです。よろしくお願いします!」という挨拶、そして「ここにいる一人ひとりのおかげで……愛情、優しさ、力で、10周年を迎えられました。2人になって、どんな体制で(ライブを)やるのかも言ってないのに来てくれてありがとうございます!」という感謝が伝えられた。

 3人の立つステージには、高崎の名産、だるまが置かれている。そしてアマダは、10年前に書いた曲「夕暮れ」を歌い始めた。音源とは異なり、サビから歌い始めるアレンジ。〈夕暮れがきれいだな/死ぬときもこんな感じがいいな〉と歌われるのは、ここ群馬の情景に他ならないだろう。この日の開演時刻は17時半。太陽が西に沈むなか、会場に向かっていたファンはきっと、アマダが歌っていた夕暮れとはこの景色のことかと感じていたことだろう。そしてライブが始まった今、会場では、アマダと観客がともにそのフレーズを歌っている。メンバーの原風景が共有され、バンドとオーディエンスが心を重ね合わせた瞬間だった。

 「夕暮れ」ではカマタが力強くもノスタルジックなプレイで夕景を描くなか、アマダが〈都会でも田舎でもないこの街も悪くは無いけどね〉という歌詞を〈全然田舎だけど俺の地元・伊勢崎も悪くは無いけどね〉と変えて歌い、都会にも馴染んできた今の心境を織り交ぜていく。続く「SONG」では観客が両手を上げて大きくジャンプ。バンドの勢いに満ちた演奏が人々の心を解放させた。Gメッセ群馬に広がるのは歓喜の光景。「夕暮れ」でまだ見ぬ“あなた”への想いを歌ってから10年、今、FOMAREの目の前では1万人の観客が歌声を響かせている。「SONG」の歌詞が示す〈いつか〉や〈あの場所〉とは、まさにこの瞬間、この群馬の地のことだったのかもしれない。「夕暮れ」~「SONG」によるオープニングは、最高に盛り上がる走り出しであると同時に、バンドとリスナーの出会いの物語を感じさせる曲順だった。

 FOMAREはライブ序盤でアッパーチューンを立て続けに披露し、会場を熱狂の渦に。「FOMAREのワンマンに1万人来てるってヤバくないですか? (日本)武道館のキャパ超えちゃってる!」と笑うメンバーは、1万人を連れて地元に帰ってきた誇らしさも、大合唱でアンサンブルに加勢するファンの頼もしさも、今この瞬間の喜びも感じながらステージに立っているようだった。

 MCではアマダが、今年9月から2人体制となったこと、ライブはサポートドラマーとともに行っていることに言及。「初心に戻ってゼロから成長できている感じがする」「のびしろばかり」と実感を語るとともに、スタッフやファン、長い付き合いである相方のカマタに感謝を伝えた。

 その後は『overturn』収録の新曲「over」、2018年まで群馬県内を走っていた国鉄115系電車をモチーフとした楽曲「かぼちゃ列車」など、ミドル~スローナンバーを中心に披露。10曲目の「アルバ」は「大事な大事な先輩に書いた歌です」と紹介された。別れを受け入れ人生を進もうという意志を歌ったこの曲は、新体制で歩み始めたばかりであるFOMAREの今と重なるようだ。歌い鳴らすメンバーと耳を傾ける観客が共通の想いを巡らせるなか、深い余韻とともにライブの前半が締めくくられた。

 ライブの後半ではドラマーが小松謙太(ハルカミライ)に交代。アマダ、カマタ、小松は先ほどとは異なるSEをバックに入場し、メロディックパンク楽曲「Continue」でライブを再開させた。観客がフロアでもみくちゃになり、大合唱も起こるなか、ドラマーが変わるだけでバンドはこんなにも違った表情を見せるのか、と新鮮味を感じていた人も多かっただろう。畝狹はタイトなビートを的確に鳴らし、場の空気を引き締める。一方の小松は、重厚な音色で会場を地盤から揺らし、メンバーや観客の感情を高揚させる。どちらも優れたドラマーであり、アマダとカマタのバンドマン魂に火をつける最高の仲間だ。この日FOMAREが聴かせてくれたフレッシュなサウンドは、メンバーが語っていた「のびしろばかり」という実感を十二分に裏付けるものだった。

 また、このドラマー交代制が成り立つのは、FOMAREというバンドの中核、アマダとカマタの結束が揺るがないからだろう。そして彼らは「この先どんなことをして、誰に何を言われようが、僕たちFOMAREは変わらずにいようと思います」という宣言とともに「かわらないもの」を、自身のルーツであるここ群馬で響かせる。さらに「2人になったFOMAREもこれからめちゃめちゃ加速していくんで、よろしくお願いします!」と、次の楽曲「優しさでありますように」へ繋げた。

 FOMAREにとっての“愛する場所”とは、彼らの故郷である群馬県高崎市のことだろう。そして本編ラストに披露された2曲――EP収録の新曲「宝物」とこの日のライブタイトルにも引用されたライブ鉄板曲「愛する人」のコンボによって、“愛する人”はリスナーであるというメッセージが浮かび上がった。大きな声で歌う観客同士が肩を組み、フロアに巨大な輪が生まれるといういつものライブハウスと変わらない光景の中、メンバーの背後のFOMAREの名が刻まれた幕が突如落とされる。その向こう側にはなんと、ファンに向けられた嬉しいニュースが。「FOMARE LIVE at 日本武道館 2026年5月22日 単独公演 開催決定」という文章を確認した人から順に驚きの声を上げ、会場には瞬く間に喜びが広がっていった。「武道館のキャパ超えちゃってる!」「これからめちゃめちゃ加速していく」といった発言は、この瞬間を目掛けた伏線だったのだ。

 アンコールを求める声に応えたFOMAREは、「俺たちがいつも絶対に帰ってくる場所が群馬なので、武道館ぶっ倒して、また群馬高崎に帰ってこようと思います」と宣言。そして「みんなも群馬を好きになったかい!?」と呼びかけながら、「サウンドトラック」「Lani」を披露した。ステージ前方に出てきて楽器を掻き鳴らすアマダとカマタは、広いフロアを嬉しそうに見渡して笑顔。バンドの原点を確かめ、充実と幸福を噛みしめながら、次章へと歩みを進めた。

Text by 蜂須賀ちなみ
Photo by RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER]

◎公演情報
【愛する人、場所】
2025年9月23日(火)群馬・Gメッセ群馬

【FOMARE LIVE at 日本武道館】
2026年5月22日(金)東京・日本武道館
OPEN 18:00 / START 19:00
※詳細はFOMARE OFFICIAL HPをご確認ください


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