【ビルボード 2025年上半期Streaming Songs】Mrs. GREEN APPLE「ライラック」約2.7億回再生で首位、トップ20の半数をミセスが独占<6/6訂正>

2025年6月6日 / 04:00

 2025年上半期Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”で、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」が首位を獲得した。

 下記の当チャートトップ20を見て、「Mrs. GREEN APPLE」の文字のあまりの多さに驚きと納得を感じざるを得ないだろう。それほどまでに、2025年上半期はまさにミセスの“無双”状態であった。

 首位を獲得した「ライラック」はTVアニメ『忘却バッテリー』のオープニング・テーマ、またMrs. GREEN APPLEとしては約5年ぶりのアニメタイアップ作として、アニメ初回放送後の4月12日にデジタル・リリース。金曜日リリースであった影響もあり、集計初週の4月17日公開チャートでは15位であったが、そこから翌週4月24日公開チャートで4位とトップ5圏内に浮上。5月8日公開チャートで3位へ上昇してからは、最新の6月4日公開チャートに至るまで、じつに57週にわたってトップ3圏内を守り続けているというモンスター曲だ。また、当チャートにおける連続首位獲得数は18週で歴代6位(DA PUMP「U.S.A.」と同率)、通算首位獲得数は32週で歴代2位の記録を打ち立てている。

 連覇数という点では、昨年の当チャート上半期/年間を総なめしたCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」を思い出す人もいるだろう。この曲と「ライラック」の異なる点は、Mrs. GREEN APPLEが“アーティスト単位”として、新譜/旧譜の区別なく継続的にストリーミング再生され続けているという点にある。実際、今回の上半期チャートでミセスはトップ20に10曲、トップ100では22曲を送り込んでいるが、そのうち「ライラック」「ビターバカンス」「ダーリン」など2024年~2025年リリースの新曲が上位を占める一方、「青と夏」や「点描の唄」「僕のこと」など、数年前の代表曲も依然として高い再生数を保ち続けている。この「新旧問わず楽曲が同程度聴かれ続けている」という現象は、back numberやOfficial髭男dism、YOASOBIといった特にストリーミングに強いアーティストにたびたびみられる傾向ではある。ただ、特に2025年上半期のMrs. GREEN APPLEが特異なのは、「新曲が“毎度”チャート上位に登場している」という点にある。

 とりわけ、2024年後半からのMrs. GREEN APPLEは確変状態といえるほどの快進撃をみせていた。「familie」は「ライラック」が到達するのにかかった6週の半分、チャートインから3週で当チャート2位を記録。次作「ビターバカンス」はさらに短い2週で2位に到達し勢いの兆しが見えていたが、2025年に入ってからリリースされた「ダーリン」「クスシキ」「天国」の3曲は、いずれも登場2週目で当チャート首位を獲得している。また、2025年1月8日公開分からの20週にわたっては、当チャートの首位楽曲がすべてMrs. GREEN APPLEの楽曲となっており、計4曲(「ライラック」「ダーリン」「クスシキ」「天国」)が入れ替わり立ち替わりでチャート1位を維持するという状態が続いている。これは単にファン層の厚さだけでは達成しえないもので、シンプルに「広く愛される楽曲を作り続ける」という、ごく限られたアーティストしか実現できない現象を彼らが達成したのだといえるだろう。

 もちろんMrs. GREEN APPLEのほかにも、楽曲(の一部)がお茶の間にまで広がった楽曲が特に上位へ登場している。2位となったロゼ(BLACKPINK)とブルーノ・マーズのコラボ曲「APT.」は、世界的アーティスト同士による共演とキャッチーなリフレインで、リリース後まもなくから世界規模でストリーミングが急上昇(当チャートでは楽曲が金曜日リリースだった影響で、登場2週目から急上昇した)。当チャートでは8週にわたって首位を獲得した。また昨年のtuki.「晩餐歌」のように、いわゆる“無名の新人”によるブレイクもみられている。11位のCUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」は彼女たちのデビュー曲にして、TikTokやSNS等での話題を背景に上昇。15位にランクインしたAKASAKI「Bunny Girl」も、リリース後初週の2024年10月9日公開チャートで33位に初登場したあとすぐに急浮上し、上半期チャートでも存在感をみせる結果となった。

 さらに、サカナクションにとって約3年ぶりの新曲「怪獣」の勢いも見逃せない。構想に2年を費やしたという渾身の新曲、またバンド初のアニメタイアップ作という話題性も相まって、今回のトップ20圏内では最もリリースから日が浅い(2025年2月20日リリース)楽曲ながら、すでに上位をキープ。上半期集計の最終週にあたる5月28日公開チャートでは、この曲でサカナクションとして初の累計1億回再生を突破しており、長く支持され続けているバンドが持つ底力を見せつける形となった。

 Billboard JAPANチャートでは、2025年下半期よりリカレントルール導入によるストリーミング値の減算がおこなわれている。“JAPAN Hot 100”および“Hot Albums”の総合チャート2種には変動がみられはじめているが、同ルールは当ストリーミング・ソング・チャートには適用されないため、当チャートでは今後も従来通りにストリーミング再生数の推移を追っていく。7月にはベストアルバムのリリースと、神奈川・山下ふ頭で自身最大規模のライブを開催するMrs. GREEN APPLEが下半期もチャートを席巻するのか、もしくは2024年の「Bling-Bang-Bang-Born」、2023年のYOASOBI「アイドル」のように爆速でチャートを駆け上がる楽曲が番狂わせを起こすのか、下半期の動きにも注目だ。

Text by Maiko Murata

【2024年上半期Billboard JAPAN Streaming Songs】トップ20
1位「ライラック」Mrs. GREEN APPLE(270,787,151回再生)
2位「APT.」ロゼ & ブルーノ・マーズ(188,038,819回再生)
3位「ビターバカンス」Mrs. GREEN APPLE(159,012,045回再生)
4位「ケセラセラ」Mrs. GREEN APPLE(154,826,156回再生)
5位「Soranji」Mrs. GREEN APPLE(148,798,961回再生)
6位「ダーリン」Mrs. GREEN APPLE(147,107,061回再生)
7位「オトノケ」Creepy Nuts(133,481,547回再生)
8位「青と夏」Mrs. GREEN APPLE(126,228,021回再生)
9位「幾億光年」Omoinotake(121,454,819回再生)
10位「点描の唄 feat.井上苑子」Mrs. GREEN APPLE(120,339,414回再生)
11位「かわいいだけじゃだめですか?」CUTIE STREET(112,442,915回再生)
12位「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts(111,445,747回再生)
13位「familie」Mrs. GREEN APPLE(110,117,501回再生)
14位「ダンスホール」Mrs. GREEN APPLE(109,529,365回再生)
15位「Bunny Girl」AKASAKI(107,387,002回再生)
16位「怪獣の花唄」Vaundy(107,215,895回再生)
17位「僕のこと」Mrs. GREEN APPLE(106,535,945回再生)
18位「怪獣」サカナクション(103,134,146回再生)
19位「晩餐歌」tuki.(102,635,135回再生)
20位「風神」Vaundy(96,007,629回再生)

集計期間:2024年11月25日(月)~2025年5月25日(日)
※()内の数字は集計期間中のストリーミング再生回数となります。
※総合ソング・チャート“Hot 100”のストリーミング指標と動画再生指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”では、一部サービスにおけるデータを無料ストリーミングと有料ストリーミングで分けて集計し、それぞれ異なる係数を乗じているため、再生回数の合算によるランキングとは異なる場合があります。

※記事初出時、内容に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。


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