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今年8月にデビュー20周年を迎えることにあたり、2024年夏に約6年ぶりの再始動、現在年末まで全力で活動を展開しているAqua Timezが、3月15日、京都・平安神宮にて【平安神宮御鎮座百三十年記念 Aqua Timez in 平安神宮 Special Live】を開催した。
この日に鎮座百三十年を迎えた平安神宮を会場とする同公演は、重要文化財である大極殿の前に舞台を設置して行う特別なライブであることに加え、東山区の古川町商店街では、この日から4月13日まで彼らの歌詞を展示する特別企画【ことばの商店街】も実施中。古都での“アクア熱”が高まるなかでの開催となった。もちろんチケットはソールドアウト。あいにくの雨天、そして気温が10℃を下回る寒さにもかかわらず、4000人以上が集結し、後にも先にもない光景が生まれた貴重な一夜をレポートする。
悠久の歴史を感じる厳かで美しい大極殿とステージがライトアップされ、幻想的な空間に雨が無数の線を引く19時過ぎ。5人は、自身初となるストリングスメンバーを引き連れて登場した。その姿を光の中に浮かび上がらせ期待を十分に高めたところで、荘厳なストリングスのイントロから「百年の樹」でライブをスタートさせる。問いかけるような太志(Vo.)の歌声もバンドのプレイも徐々に熱を上げ、いつにも増して壮大に響くと、次はTASSHI(Dr.)の力強いドラムが引っ張る「最後まで」へ。太志が客席を指さすように歌えば、観客は拳を上下させて呼応。さらには音が鳴った瞬間からざわつくほどの人気曲「千の夜をこえて」でもっと夢中にさせる。大介(Gt.)のやさしいアコースティックギターの音色と、〈好きな人には好きって伝えるんだ〉の言葉は極寒の会場に温もりをもたらすようだ。
MCでもTASSHIが「寒さを忘れさせるような音楽を届けたいと思います」と頼もしいコメント。また平安神宮の御鎮座百三十年にも触れ、「先人に感謝です。貴重なバトンを次の世代につないでいきたいと思います。音楽には時間と場所を越えて人と人をつなげる特別な力があると思っています」と話すと、今度は「さくら道」で豊かな表現を見せる。弾むシャッフルビート、ジャジーなmayuko(Key.)のピアノとOKP-STAR(Ba.)のベース、5人とファンの声が溶け合う〈ララララ……〉のコーラス。さくら色の照明を浴びて、太志はうれしそうに「もうすぐ春が来ますね!」ともらす。すると、再結成後初の曲となった「ヒトシズク」で上昇。さわやかなメロディやギター、それと共鳴するようなクラップで突き抜ければ、歓喜の「フー!」が太志から聞こえてくる。
と、ここで空気を変えるエモーショナルな2曲を。流麗なピアノで静寂を呼び込むように始まった「ひとつだけ」ではギターも泣かせるように鳴って、雨の夜には一段と心に染み、アウトロも余韻たっぷり。また「カルペ・ディエム」では曲の情景と物語を丁寧に紡ぐボーカルがオーディエンスの胸を打つとともに、平安神宮で聴く永遠を見つめるリリックはひとしお。だれもが釘づけになる。しかし、太志がフルネーム&さん付けでするメンバー紹介で演者も観客も和ませると、mayukoも今日のライブについて「本当に夢みたいです!」と朗らかに感謝を述べ、そのまま勢いよく後半戦に突入。
まずはスピードを増してロックナンバー「1mm」をゴリッと。ストリングスが心地よくヒリヒリとさせれば、曲後には弛緩して大歓声が。またムードを一転、爽快感抜群の「真夜中のオーケストラ」では、コーラスのハーモニーもメロディックなギターも気分よく、たくさんの手が頭上で揺れる。
そして観客の体調を気遣いつつ、太志が「雨っていうのは神様が迎えてくれているっていう捉え方もありますから。みんな呼ばれたんだよ、神様に」とポジティブ変換したあとは、「ライブでは初めてやるんじゃないかな」(太志)という先月リリースの最新曲へ。高鳴る鼓動のようなドラムがクラップをともなう「深呼吸の理由」は、軽快かつ緩急をつけて進み、サビでは雨足が強まってドラマチックなシーンに。モニターにはメンバーの吐く白い息が映り、プレイに込める力を想像させる一方、観客が伸ばした手も下がることがない。さらに投下するのはキラーチューン「虹」。冒頭から「いっしょ! いっしょ! いっしょ! いっしょ!」と太志が導くように煽れば、大きな手拍子が発生し、みんなで跳ねて大合唱も轟く。OKP-STARと大介も前に出て、冷たい雨に打たれながらのパフォーマンス。会場がひとつになって歓声もあふれるが、クールダウンさせるように続けるのは、〈平安神宮は四つの神が守ってる。蒼龍、朱雀、白虎、玄武……〉という今夜だけのラップから幕を開けるメジャー1stシングル曲「決意の朝に」。バンドサウンドが盛り立て歌を確かに伝えれば、観客はうなずくようにしてリズムをとりリップシンク。太志も「こんな雨の中でも『決意の朝に』は強い曲だ」と最後に添える。
「今日はこういう状況(悪天候)だけど、こういうなかでこそ、音楽ってのは強く光るし、俺も歌ってて、音楽っていうのは全部を越えていくって感じてます。これからも作り続けるんで、よろしくね」と太志が口にすると、ついにラストの「銀河鉄道の夜」へ。ダイナミックなストリングスやキラキラとしたピアノなどに彩られ、時にロングトーンで迫り来るスケール感十分のバラードはすべての人をロックオン。〈もっと遠くへ〉のリフレインも耳に焼きつき、全員が胸を締めつけられたまま、息をのむようにしてライブはとうとう幕を……と思われたが、最後に太志が「今日はアンコールはないです(笑)」とアナウンスすると「えー!」とブーイングが起き、「だって雨、大丈夫?」「……じゃあ1曲やっていいですか?」(太志)と事態が急変。舞台上では5人での緊急会議が行われ、先にストリングスの4人を送り出してから、今度こそ!のラストソング「ALONES」がスタート。その疾走感に拳が次々とアップ&ダウンし、開演からずっとずぶ濡れで歌い続ける太志も「京都! 京都! 京都!」と連呼。OKP-STARと大介の見せ場もばっちり決まり、まさに最高潮で全14曲、1時間30分を駆け抜けてゴールにたどり着いた。
3月とは思えないほどの凍える寒さと雨を、数々の名曲とエネルギッシュなアクトで軽々と越えていった今宵のAqua Timez。20年分の想いが込められるであろう、3月29日からの【Aqua Timez Re:visit tour 2025】にも期待せずにはいられない。
Text:服田昌子
Photo:笹原清明
◎公演情報
【平安神宮御鎮座百三十年記念 Aqua Timez in 平安神宮 Special Live】
2025年3月15日(土) 京都・平安神宮
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