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サブリナ・カーペンターのニュー・アルバム『ショート・アンド・スウィート』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
8月23日にリリースされた 『ショート・アンド・スウィート』は、前作『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』(2022年)から約2年ぶり、通算6枚目のスタジオ・アルバムで、アルバム・チャート“Billboard 200”では自身初の首位を獲得した。
初週(2024年8月23日~29日)は、セールスが184,000、ストリーミングが176,000、トラックによるユニットは2,000を記録して、累計362,000ユニットを獲得。ストリーミングの週間再生回数は全12曲で2億3,300万回を記録して、ストリーミング・チャートでも1位に初登場している。
2024年の週間ユニットとしては3番目に高い記録で、ユニット数、週間セールス、週間ストリーミング(週間再生回数)いずれも自己最高値を更新した。また、初週の週間セールスとしては今年5番目に高い売上枚数で、初週の週間ストリーミングは今年4番目に高い記録を打ち立てている。
アルバム・チャート“Billboard 200”では、2015年のデビュー作『アイズ・ワイド・オープン』(最高43位)から本作まで、7枚のアルバムがランクインしているが、これまでの最高位は前作『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』が記録した23位で、TOP20入りは『ショート・アンド・スウィート』が初のタイトルとなる。
前作『イーメイルズ・アイ・キャント・センド』からは、ポップ・エアプレイ・チャートで初のTOP10入りを果たした「ナンセンス」や、デラックス盤に収録された「フェザー」が同チャートで1位、ソング・チャート“Hot 100”で初のTOP40入りを果たすなど、本作に向けたブレイクの兆しをみせていた。
『ショート・アンド・スウィート』からは、リード・シングルの「エスプレッソ」が最高3位(6月)、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」は7月29日付のソング・チャート“Hot 100”で初の首位を獲得し、アルバムのヒットに繋げた。また、今週(9月7日付)のチャートでは3曲目のシングル「テイスト」も2位にデビューして、TOP10に3曲を同時ランクインさせる偉業を達成している。今週のポップ・エアプレイ・チャートでは、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」が1位に浮上し、「テイスト」は34位にデビューした。
『ショート・アンド・スウィート』のフィジカルは、アナログ盤が9種類、CDが5種類、カセットテープは2種類のバリエーションがあり、デジタル・アルバム(ダウンロード)は4種類がリリースされている。今週記録したセールス184,000枚のうち105,000枚がアナログ盤による売上枚数で、LPの週間セールスとしては自己最高記録、今年のチャートでは2番目に高い記録を更新して、ビニール・アルバム・チャートでも1位に初登場した。
その他の内訳は、CDが33,000枚、デジタル・ダウンロードが45,000枚、カセットテープが2,000枚で、公式ウェブサイトではボーナス・トラック、ピクチャー・ディスク、サインを付けたアナログ盤や、サイン入りのCDが限定販売された。公式サイト以外では、アマゾンやターゲット、アーバン・アウトフィッターズでもカラー・バリエーションや特典の異なる限定版がリリースされている。
デジタル・アルバムは、8月23日に12曲入りの通常版がリリースされ、8月28日にボーナス・トラック「ニードレス・トゥ・セイ」を収録した1つ目の限定盤、8月29日の午後に「ビジー・ウーマン」を収録した2つ目の限定盤、同日29日の22時に「テイスト」のデモ音源を収録した3つ目の限定盤が、それぞれ公式サイトとiTunes Storeで$4.99ドル(チャートインできる最低価格)に値引きされリリースされたが、それら3種類の限定盤は8月30日に購入できなくなっている。
一方、『ショート・アンド・スウィート』との首位争いがSNSで話題を呼んだトラヴィス・スコットの『デイズ・ビフォア・ロデオ』は今週2位にランクインし、自身5作目のTOP10入りを果たした。
両者の首位争いにはSNSで大きな影響力があるアーティストも貢献していて、『ショート・アンド・スウィート』にはテイラー・スウィフトや「プリーズ・プリーズ・プリーズ」のミュージック・ビデオにも出演した恋人で俳優のバリー・コーガン、『デイズ・ビフォア・ロデオ』にはイェー(カニエ・ウェスト)等が、メッセージを投稿したり、リンクをシェアしている。
『デイズ・ビフォア・ロデオ』は、 2014年8月18日に無料でリリースされた2作目のミックステープで、これまでは正式にリリースされていなかったが、今年10周年を記念して8月23日にデジタル・ダウンロードとストリーミングが解禁された。前日の22日に米アトランタで開催したコンサートでは、本作の公式リリースを告知し、収録された12曲中10曲を披露している。
『デイズ・ビフォア・ロデオ』は、初週セールスが331,000、ストリーミングが30,000(全12曲で4,063万回)、トラックによるユニットは500を記録して、累計361,000ユニットを獲得。1位の『ショート・アンド・スウィート』とは僅差の今年4番目に高い週間ユニットで、ラップ・アルバムとしては最高値を更新した。また、週間セールスは5月4日付でテイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(6位)が記録した1,914,000に次ぐ2番目に高い売上枚数で、ラップ・アルバムとしては週間最高セールスを更新し、今週のセールス・チャートでは1位に初登場した。
331,000枚のうち300,000枚がデジタル・ダウンロードによる売上枚数で、週間ダウンロード数としては今年の最高記録を達成している(残りはCDによる売上)。デジタル・アルバムは内容の異なる以下の8種類のバージョンがあり、そのうち6種類は公式ウェブサイト限定でリリースされた。『ショート・アンド・スウィート』同様に、公式サイトでは集計期間中に4.99ドルで販売され、iTunes Storeでも週後半に同じセール価格で販売されている。
8月23日
12曲が収録された通常版をリリース。
8月23日
12曲が収録された通常版に5曲の未発表曲「Mo City Flexologist」、「Too Many Chances」、「Yeah Yeah」「Serenade feat. ヤング・サグ」、「Whole Lots Changed」を収録したデラックス盤をリリース(10周年の8月18日から公式サイトで予約可能)。
8月29日(午前)
12曲が収録された通常版に上記5曲の未発表曲とPDFのブックレットを付けたデラックス盤(Vault 1)をリリース。
8月29日
12曲が収録された通常版に未発表曲の「Hold On feat. クエイヴォ&ヤング・サグ」と「Respected」の2曲を収録したデラックス盤(Vault 2)を公式サイト限定でリリース。
8月29日
通常版に収録された12曲に加え、上記の米アトランタで開催したコンサートから12曲のライブ音源を収録したDBRスタンダード・エディション+ライブ・フロム・アトランタを公式サイト限定でリリース。
8月29日
通常版に収録された12曲と上記のボーナス・トラック7曲、そのうち18曲の“slowed and chopped”リミックスを収録したDBRデラックス・エディション+チョップド&スクリュード・エディションを公式サイト限定でリリース。
8月29日
12曲が収録された通常版に2曲の未発表曲「Naughty」、「Too Many Options」を収録したデラックス盤(Vault 3)を公式サイト限定でリリース。
8月29日(23時30分)
12曲が収録された通常版に2曲の未発表曲「Whoudini feat.プレイボーイ・カーティ」、「Quintana, Pt. 2」のリミックスを収録したデラックス盤(Vault 4)を公式サイト限定でリリース。
上記の通り、8月29日の午前にリリースされたVault 1以降は同日順に発表され、翌30日には『ショート・アンド・スウィート』同様に通常版以外は購入できなくなっている。
一方、公式ウェブサイト限定でリリースされたCDは、CDのみ、さらにグッズを封入したデラックス・ボックス・セット、アナログ盤は通常版と拡張パッケージの2種類がリリースされた。それぞれ異なるグッズを封入したアナログ盤のボックス・セットは、集計期間中に予約注文が可能だったが、まだ出荷されていないため今週のチャートには売上が反映されていない。また、それらは公式サイトのみリリースされていて、現時点では一般小売店での販売はされていない。
1位と2位にランクインしたアルバムがそれぞれ36万ユニットを突破したのは、ビヨンセの『レモネード』(1位)が653,000ユニット、プリンスの『ヴェリー・ベスト・オブ・プリンス』(2位)が391,000ユニットを獲得した2016年5月14日付以来、約8年ぶりで、どちらのアルバムも初登場で36万ユニットを突破したのは、ジャスティン・ビーバーの『パーパス』(649,000ユニット)が1位、ワン・ダイレクションの『メイド・イン・ザ・A.M.』(459,000ユニット)が2位にデビューした2015年12月5日付以来、約9年半ぶりとなる。
上記2作のデビューにより、先週1位に初登場したポスト・マローンの『F-1 トリリオン』は今週3位にダウンしたが、週間ユニットは111,000(55%減少)を記録して2週連続で10万ユニットを突破した。
チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(72,000ユニット / 1%増加)も先週の2位から4位、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(58,000ユニット / 3%減少)は4位から5位、テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(57,000ユニット / 8%減少)は3位から6位、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(53,000ユニット / 2%減少)も5位から7位にそれぞれ順位を下げたが、いずれもユニット数は大幅に減少していない。
続いて今週8位には、米ルイジアナ州出身の女性カントリー・シンガー=レイニー・ウィルソンの『ワールウィンド』がデビューして、自身初のTOP10入りを果たしている。
『ワールウィンド』は、初週セールスが34,000、ストリーミングが14,000(全14曲で1,783万回)、トラックによるユニットは1,000を記録して、累計48,000ユニットを獲得した。フィジカルは、8種類のアナログ盤、3種類のCDがあり、CDは公式ウェブサイトで販売されたサイン入りの限定盤、グッズとボーナス・トラックを収録したウォルマート限定盤がある。デジタル・アルバムは、通常版と4曲のボーナス・トラックを収録したデラックス盤があり、デラックス盤は公式ウェブサイトでのみ販売されている。
本作からは、リード・シングルの「Hang Tight Honey」が8月にカントリー・ソング・チャートでTOP20入り、カントリー・エアプレイ・チャートではTOP15(最高13位)にランクインして、アルバムのヒットに繋げた。
『ワールウィンド』は、2022年10月にリリースした前作『ベル・ボトム・カントリー』の続編となる5枚目のスタジオ・アルバムで、その前作が記録した51位を大きく上回る最高位を更新した。 レイニー・ウィルソンは、 前作『ベル・ボトム・カントリー』でアルバム・チャート“Billboard 200”で初のランクインを果たし、カントリー・アルバム・チャートでは9位にTOP10入りした。本作は、2月4日に開催された【第66回グラミー賞】で<最優秀カントリー・アルバム>を受賞し、【カントリー・ミュージック協会賞】、【カントリー・ミュージック・アカデミー賞】の<年間最優秀アルバム>3冠を達成した史上9組目のアーティストとなった。
『ベル・ボトム・カントリー』からは、カントリー・ソング・チャートで「Heart Like a Truck」、「Watermelon Moonshine」、「Wildflowers and Wild Honey」の3曲がTOP10入りし、3曲いずれもカントリー・エアプレイ・チャートでTOP5入りした。そのうち「Watermelon Moonshine」は1位を獲得している。
以下、ザック・ブライアンの『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』(41,000ユニット / 7%減少)は6位から9位、ノア・カーンの『スティック・シーズン』 (37,000ユニット / 2%減少)は8位から10位にランクダウンしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは9月6日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
2位『デイズ・ビフォア・ロデオ』トラヴィス・スコット
3位『F-1 トリリオン』ポスト・マローン
4位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
5位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
6位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
7位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
8位『ワールウィンド』レイニー・ウィルソン
9位『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』ザック・ブライアン
10位『スティック・シーズン』ノア・カーン
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