<ライブレポート>ジミー・ジャム&テリー・ルイス、40年のキャリアを網羅するヒット曲の数々に場内大興奮 米国を代表するプロデューサー・コンビの初来日公演

2024年8月23日 / 18:00

 一体どんなステージになるのだろう? というワクワクへの回答は、全80分、37曲が披露されるグレイテスト・ヒッツだった。SOSバンドの「Just Be Good To Me」に始まって、ラストはサウンズ・オブ・ブラックネスの「I Believe」。ジャム&ルイスのコンビが曲を書いたりプロデュースを手掛けたりしたヒット曲が、真夏のビルボードライブ東京に土用波のように押し寄せてくる。

 「ジャム&ルイスが自分たちのヒット曲をライヴで演奏する、キミたちはその初めての目撃者なんだよ」。ジミー・ジャムからそんなMCがあったように、ジミー・ジャム&テリー・ルイスの名前では事実上、初めてのコンサート。ジミーがキーボードを、テリーがベースを手にし、他にバンドは、ドラムス、ギター、ミュージックディレクターの3人。ヴォーカルにはルーベン・スタッダードとシェレーエの男女が就き、ふたりがそれぞれに歌い、時にはデュエットを聴かせながら、ステージは進んでいく。

 序盤のハイライトは、シェレールの「I Didn’t Mean To Turn You On」、シェレール&アレキサンダー・オニールの「Saturday Love」、アレキサンダー・オニールの「Fake」、と続いた場面だろう。80年代半ばのジャム&ルイスとタブー・レコードの蜜月を振り返り、シェレーエとルーベンがその媒介を果たすような会心のヴォーカルを聴かせる。続くヒューマン・リーグの「Human」では満員の会場からひときわ大きな歓声が上がり、その名曲ぶりを今あらためて強く印象付ける。

 中盤にバラードのナンバーを並べたセクションでは、フォースM.D.’sの「Tender Love」、ボーイズⅡメンの「On Bended Knee」の、2大ヒットが胸に迫る。ジャム&ルイスはそもそもプリンスが結成させたザ・タイムのメンバーであり、プリンスゆかりのミネアポリス・サウンドを受け継いだコンビなわけだが。そこに大衆的な歌謡性をはらませることで独自の作風とキャリアを築いていった、そのことがよくわかるコンサートでもあったわけだ。

 全37曲のうち最も多く披露されたのは、「What Have You Done For Me Lately?」や「That’s The Way Love Goes」など、やはりジャネット・ジャクソンのナンバー。アレキサンダー・オニールやザ・サウンズ・オブ・ブラックネスの曲が歌われると、同じこのビルボードライブ東京で聴いた本人たちのパフォーマンスを思い出さずにはいられなくなる。

 どんな分野であっても、人とグループやコンビを組んでそれを長続きさせるのは、容易なことではない。今回のステージはジャム&ルイスのキャリア40年の集大成と呼べるものだが、同時に、自分たちがフロントに経つジミー・ジャム&テリー・ルイスのスタートラインと受け取ることもできる気がする。この先の活動もまだまだ楽しみにしたい、そう感じたオーディエンスは決して僕だけではないはずだ。

Text by 宮子和眞
Photo by Masanori Naruse

◎公演情報
【Jimmy Jam & Terry Lewis】
7月28日(日)、29日(月)、30日(火)東京・ビルボードライブ東京
8月1日(木)大阪・ビルボードライブ大阪
※全公演終了


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