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ふたつの大切な節目を迎えたこの夜、PENICILLINはまたあらたなスタートを切ったと言えるのかもしれない。2023年は夏に渋谷公会堂ことLINE CUBE SHIBUYAでの[30th anniversary tour real final]を開催し、その後10月に入ってからは最新音源となるDVD付パンフレットCD『永遠と花束を』をリリースしたPENICILLINが、11月よりライヴバンドとしての存在感をより強く放ちながらいそしんでいたのは[PENICILLIN 2023 WINTER TOUR「永遠と花束を」]だ。そして、そのツアーファイナルとなった横浜1000CLUBでの公演については当日がヴォーカリスト・HAKUEI の誕生日だったこともあり、別途[PENICILLIN 2023 WINTER TOUR「永遠と花束を」 TOUR FINAL&HAKUEI BIRTHDAY LIVE「SUPER HEART CORE ’23」]というタイトルがつけられ、何時も以上にスペシャルで濃密な時間がおりなされていくことになったのである。
いかにも年の瀬らしく、ベートーベン作曲「第九」を登場SEにしたうえで今宵のPENICILLINがまず演奏しだしたのは深淵なる響きに満ちた「腐海の砂」で、いきなりアッパーな曲では攻めこむのではなく、ある意味での変化球的なアプローチを仕掛けてくるあたりが実に心憎い。むろん、そのあとには「憂鬱と理想」のような極めてアグレッシヴなロックチューンも惜しみなく投下されていったのだが、PENICILLINほどのキャリアと楽曲数を誇るバンドともなると、TPOに応じての聴かせ方、見せ方、楽しませ方を自在に変えることが出来るのも特徴のひとつと言えよう。
「こんばんは、PENICILLINです。今日は12月16日ということで、ツアーファイナルなんですけどワタシの誕生日と同日でもあり、両方の意味をかねたライヴとしてやらせていただくことになりました。みなさん、こんなにたくさん集まっていただき本当にありがとうございます。というわけで、今日で53歳になったんですけれどもね。ドラクエでいうとLEVEL 53って凄く強そうだし(笑)、僕はこれからも好きな感じでロックンロールをやっていきたいと思ってますので、よろしくお願いします!」(HAKUEI)
もちろん、このライヴでは最新シングルの表題曲「永遠と花束を」が本編中盤のここぞという場面で千聖のエキサイティングなギターソロが映え更に盛り上げることになったほか、O-JIROの頼もしい2バスプレイが轟いた「快感フィクション」、さらにはヘヴィな音像の中でHAKUEIが貫録あるヴォーカリゼイションをじっくりと聴かせた「パライゾ」と、本編だけでも粒ぞろいの楽曲たちが観衆を圧倒していたと言っていい。なお、そんな本編が終わってからアンコールまでの間には客席フロアから♪ハッピーバースデー HAKUEI♪の歌声が自然と湧きあがることに。
「みなさん、お祝いしていただいてありがとうございます。そして、今日のアンコールでは1曲やりたいのがあるんですけど、なんだと思いますか?僕が何歳になったか考えて欲しいんだよね。そう、たまたまなんですけどPENICILLINには53っていう数字の入った曲があるんです。ちなみに、トランプでいうと53枚目のカードはジョーカーなんですけど。そのほかにも、うちに数字の入った曲ってなんかあったかな?あぁ、そうだ「99番目の夜」があった(笑)。じゃあ、56年後の誕生日ライヴの時は「99番目の夜」をやりますね(笑)」(HAKUEI)
ということで、アンコールでは「number53 -僕ラハ53番目ノヒト-」(アルバム『No.53』収録)が披露されることに。また、その後にはメンバーからのバースデーケーキがHAKUEIに贈られ、なんとこの場面では2007年までベーシストとして在籍していたGISHO氏からも、素敵な花束とお祝いメッセージが届けられるという心温まる一幕も。それにくわえ、今回のツアーのために作られたという新曲「雷電」がツアー初日よりも確実に進化した状態で聴くことが出来たこの日のアンコールは、いろいろな意味で盛りだくさんであったと言えるはず。
「年を重ねても相変わらずステージに立てて、こうやって歌うことが出来ていることを、メンバー、スタッフ、そしてみなさんに心から感謝しております。本当にありがとうございます。ライヴって文字通り、命が燃えてるなっていう感覚になれる場なんですよ。独特なエネルギーを感じられるこの場が好きで、とにかくライヴっていうものがやりたくて、僕はバンドを始めました。やっていくうちに夢や目標が出来ていってここまで来た気はするんですけど、将来的には「99番目の夜」を誕生日ライヴでやるまで頑張りたいと思います。(中略)ここからも突っ走っていきたいので、みなさんよかったら一緒に着いてきてください!」(HAKUEI)
ダブルアンコールでは、無敵のヒットチューン「ロマンス」を歌う前にこう述べたHAKUEI。もはやレジェンダリーな領域にいるにも関わらず、何時までも守りには入ることなく、常に攻め続け、どんな時にも麗しい立ち居振る舞いで躍動し、エモーショナルな歌で人々を魅了しながら輝き続ける彼は、やはりPENICILLINにとって唯一無二のフロントマンであるとしか言いようがない。それと同時に、PENICILLINがこうしてふたつの大切な節目を迎えたことにより、またあらたなスタートを切ったことも事実なのではなかろうか。なぜなら来年3月下旬には次なる[PENICILLIN 関東サーキット2024(仮)]の開催が早くも決定しているというではないか。ライヴバンドとしてこれからも最前線に立ち続けていく意志を固めているPENICILLINと、その看板を背負う立場であるHAKUEIの邁進ぶりは、きっとここからさらに加速していくものと確信する。
photo by 折田琢矢
text by 杉江由紀
【セットリスト】
SE 第九
01 腐海の砂
02憂鬱と理想
03 SAMURAI BOY
04 still alive
05 UFO対ラオウ
06 SCREAM
07 Too young to die!
08 永遠と花束を
09 anti catastrophe
10 ハル
11 WARP
12 WHITEHOLE
13 Why?
14快感♾フィクション
-Gt solo-
15 パライゾ
<ENCORE1>
En1
16 number53-僕ラハ53番目ノヒト-
17 雷電
18 SEX
<ENCORE2>
En2
19 ロマンス
20 Fly
【ライブ情報】
■結成32周年ライブ
『HAPPY BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2024』
2月10日(土) 新宿ReNY
開場17:15/開演18:00
2月11日(日) 新宿ReNY
開場16:15/開演17:00
<チケット>
オールスタンディング9,000円(税込/D別)
・オフィシャル先行(抽選)
受付期間:1月9日(火)12:00〜1月16日(火)23:59
受付URL:https://eplus.jp/penicillin2024/
制限枚数:お1人様1申込4枚
・一般発売(先着)
1月28日(日)10:00
イープラス https://eplus.jp/
[問]サイレンエンタープライズ03-3447-8822
■関東サーキット2024(仮)
3月23日(土) 西川口Hearts
開場17:00/開演17:30
3月24日(日) 柏PALOOZA
開場17:00/開演17:30
3月31日(日) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
開場17:00/開演17:30
4月06日(土) 新宿BLAZE
開場16:45/開演17:30
<チケット>
オールスタンディング8,500円(税込/D別)
・FC[QUARTER DOLL]会員先行(抽選)
受付期間:1月15日(月)12:00~1月24日(水)23:59
受付URL:会員コンテンツ内にてご案内
制限枚数:各公演お1人様1申込4枚
・MOBILE FC会員先行(抽選)
受付期間:1月15日(月)12:00~1月24日(水)23:59
受付URL:会員コンテンツ内にてご案内
制限枚数:各公演お1人様1申込4枚
・オフィシャル先行(抽選)
受付期間:1月25日(木)12:00~2月1日(木)23:59
受付URL:https://eplus.jp/penicillin2024/
制限枚数:各公演お1人様1申込4枚
・一般発売(先着)
2月17日(土)
イープラスhttps://eplus.jp/
[問]サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
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