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ドラマ、映画、ミュージカルなど2023年はこれまで以上の活躍をみせたアーティスト/俳優のMORISAKI WIN(森崎ウィン)。彼にとって初の全国ツアーとなった【MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR】、11箇所目となる最終公演が12月11日に川崎・club CITTAにて開催された。
定刻を少し過ぎた頃、ピンク色のジャケットを着てステージに登場したMORISAKI WINは「Perfect Weekend」で軽快にライブをスタート。楽しさの溢れ出た表情で歌い上げると「Thank you!」と一言、勢いそのままファンキーな「Live in the Moment」になだれ込む。ラストサビでの「It’s gonna be a good one!」のフレーズのシャウトも見事だ。
MCは「【JAPAN FLIGHT TOUR】、ファイナル、Crew!!!」とハイテンションに始まり、「もうね、ライブしたくて仕方なかったよ」とうずうずしていた気持ちを吐露する。さらに「Are you ready?」と煽りまくり、アップテンポなダンス・ナンバー「Move out」へ。全身を動かして表現するWINとバンドとの息のあったパフォーマンスもこの曲の見所の一つだろう。さらに「Fly with me」ではお決まりのダンスを“Crew”(観客)と共有。今回の公演では、会場の中央に設置された花道の存在も大きく、WINがそれを活用して多くのCrewといつも以上に近い距離でコミュニケーションを取っていたのも印象的だ。
立て続けに「Me, Myself and I」を披露すると、「今日という日が来ましたね」とすでに少し寂しそうにWINは話し始める。初のツアーを振り返り「みなさんのおかげです。本当に本当にありがとう」とCrewへ深く感謝を述べると、会場全体から暖かい拍手が送られた。さらに冗談交じりに、この公演の前々日に初日を迎えたミュージカル【ジョン&ジェン】のためにかけたというパーマに対してCrewにリアクションを求めると、「かわいい!」という歓声に混じる「まあまあ」との声にツッコミを入れる。真摯でユーモラスなWINの持つギャップにやられてしまう。
前に進むとき、自分が一番欲しい言葉を歌詞に込めたという「No Limited」をしっとりと届け、ライブは中盤へ。「anymore」とミドルテンポの楽曲が続くと、力強く艶やかな歌声に会場は一層WINの世界へ引き込まれていく。曲が終わるとメンズCrewから「WIN!」と太い声援が響き、WINも「イエー!」と太い声で返す一幕も。ファン層の幅広さもWINの魅力を物語る要素の一つだろう。
「もう俺が座ったからわかるよね?」と自身の出演する映画『おしょりん』のエンディング曲でもある「Dear」で前向きなメッセージを歌い上げた。「照れくさくてなかなか言えないけど、俺からCrewへの気持ちだと思って聴いてくれたら」と、出演した月9ドラマ『真夏のシンデレラ』をきっかけに生まれ、ツアー中に完成したという新曲「Stay By My Side」をフルバージョンで、しかもギター弾き語りで披露。Crewに歌声を任せた終盤は、この日のハイライトと言っても過言ではないだろう。WINの優しく、柔らかな歌声がシンプルなアコースティックギターのサウンドの中でひときわ輝いていた。
さらにジャクソン5による名曲「I’ll Be There」のカバーをアカペラで歌い、ツアーに対して抱いていた熱い想いを語るWINに応え、会場から再び大きな拍手が湧き上がる。「いつだってみんなのところに駆けつけるよ」という彼の言葉はまさにこの場所でも体現されていた。
WINが一旦ステージを離れていた宮野弦士(Gt.&Key.)、武宮優馬(Ba.)、油布 郁(Dr.)、小林ファンキ風格(Gt.)からなるCrumple Bandを呼び込み紹介すると「まだまだ歌い足りないよ!」とライブは終盤へ突入。「WonderLand」で再びアッパーなギアを入れると「俺こそオンリーワン」~「Don’t Boo! ドンブラザーズ」のメドレーへ。フロアをアゲにアゲると「最高だ!」と楽しさを爆発させながら「パレード – PARADE」に繋がる。<明日になれば今日も/遠い記憶の彼方へ Baby/それでも後少しだけ/終わらせたくない ユレていたい>と歌詞にある通りの感情が沸き立ってくる。
ここまでライブを観て驚いたのは、曲を披露するごとにWINの輝きが増しているように感じたことだ。いや、1曲目の「Perfect Weekend」の時点で、ツアーを11箇所回り、研ぎ澄まされた完璧とも呼べるパフォーマンスだったのだが、Crewの反応がそうさせているのだろう。WINはCrewの声援や表情を受け取って生き生きと躍動する。さらにその姿を観たCrewの反応も良くなり、それをまた受け取ったWINが輝くという、永久機関とでも言いたくなるようなアーティストとファンの理想的な関係がそこにはあったのだ。最後の曲の前にWINは言う。「(どんなに仕事が忙しくとも)Crewの前に出ると俺はすごいパワーをもらえるんだよね」。WINの一挙手一投足がその言葉を物語ったライブは「Love won’t die」で美しいラストを迎えた。
鳴り止まないアンコールを求める拍手の中、再びWINはステージへ。ドラマ『パリピ孔明』でギターボーカル・RYOを演じたJET JACKETの「Blue Yell」「MID DAY」で疾走感に満ちたロックサウンドを叩きつける。再三にわたる感謝を告げて「BeFree」でCrewと共にジャンプで締めた。
と思いきやダブルアンコールを求める拍手は鳴り止まず、ゲンティーこと宮野弦士と2人でWINはステージへ。「みんなに綺麗な星空を見せれたらな」とミラーボールの光が降り注ぐ演出で魅せた「Love in the Stars -星が巡り逢う夜に-」から「My Place, Your Place」をピアノと共に届け、あっという間のこの日のライブを“本当に”締めくくった。来年もいろいろと計画しているそうなので、期待してそのときを待とう。
Text by 高久大輝
Photo by 安井宏充(Weekend.)
◎公演情報
【MORISAKI WIN JAPAN FLIGHT TOUR】
2023年12月11日(月)
神奈川・club CITTA
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