[Alexandros]、【NEW MEANING TOUR】を完走「みんなの声がうるさすぎてうれしいよ!」

2023年12月12日 / 11:00

 [Alexandros]が、11月15日から各2公演ずつ大阪、名古屋、東京にて開催した【NEW MEANING TOUR 2023】を完走し、1月8日東京公演のライブレポートが到着した。

 「おまえら、ホント声でかいな。ありがとう。みんなの声がうるさすぎてうれしいよ!」

 川上洋平(Vo./Gt.)が快哉を叫ぶように言った、そんな言葉が熱狂という言葉がふさわしいライブの盛り上がりはもちろん、観客の1人1人がどれだけこの日を待ち焦がれていたかを物語っていたと思う。東京公演の1日目となる12月8日のZepp DiverCity公演も、大阪、名古屋と同様にバンドは2時間半にわたって、終始、テンションが途切れない熱演を繰り広げながら、観客にシンガロングの声を上げさせ、そして会場が揺れるほどジャンプさせつづけた。

 登場のSEに使っているインスト・ナンバー「Burger Queen」をそのまま演奏して、ライブになだれこんだバンドがこの日、サポート・メンバーのROSÉ(Key.)、MULLON(Gt.)とともに演奏したのは新旧の全24曲。川上が語ったところによると、今回のツアーは全6公演と短かった分、濃密なセットリストを組んだのだそうだ。ミラボールが放つ眩い光と楽曲のサイケデリックな展開が観客を眩惑する[Alexandros]流のグランジ/オルタナ・ロック・ナンバー「KABUTO」で、1曲目からいきなり圧倒的なバンドの姿を見せつけると、「My Blueberry Morning」から切れ味抜群のロックンロールをたたみかけるように繋げ、観客の気持ちに火を点ける。「Baby’s Alright」のラスサビ直前にリアド偉武(Dr.)が入れた怒涛のフィルは、まさに超人的の一言。 

 「[Alexandros]のライブでおとなしくしてんなよ!(笑)。絶対歌えよ! サビだけじゃなくて、Aメロも歌えよ!」(川上)。川上と白井眞輝(Gt.)が向かい合い、挑発しあうようにコードをかき鳴らしながら始まった「無心拍数」でシンガロングするだけでは気持ちを抑えきれない観客がダイブを始めると、「東京! もっと暴れたいだろ!?」(川上)とバンドは早くも、磯部寛之(Ba./Cho.)がベースで奏でる、うねるようなフレーズが重厚なグルーブを作るアンセムの「Kill Me If You Can」と[Alexandros]のライブに欠かせないキラー・チューン「Kick&Spin」をフロアに投下する。白井、磯部、MULLONの3人がフライングVでザクザクザクとリズムを刻む光景も見どころだった「Kick&Spin」では「あ・ば・れ・ろ!」という川上の合図をきっかけに観客が飛び跳ね、2階席まで揺らしながら、前半戦とは思えない熱狂が生まれたのだった。

 しかし、それを軽々と超えていくのが今の[Alexandros]だ。2010年に『Disney Rocks!!』に提供した映画『メリー・ポピンズ』の劇中歌「Supercalifragilisticexpialidocious」のカバーで一息つくと思わせ、シーケンスでタテノリのビートを鳴らしながら、UNDERWORLDの「Born Slippy」から「Stimulator」と繋げ、再びフロアを揺らしていく。そして、「Zeppをクラブに変えようぜ。1階も2階も全員、踊れ!」(川上)と繋げたのが、[Alexandros]流のレイブ・ナンバー「we are still kids & stray cats」。力強い4つ打ちのビートとギターの轟音が響き渡る中、「踊り狂おうぜ!」と言った川上自身が踊り狂い、熱狂に身を委ねる光景を目の当たりしながら、バンドにとって新境地だった「we are still kids & stray cats」がいつしか彼らのライブにおいて重要な位置を占める曲になっていることを改めて実感した人は少なくなかったはず。

 「最高の夜をありがとう。どのバンドよりも歌わせるし、ジャンプさせるけど、よろしくお願いします!」(川上)バラードの「spy」、そして即興で加えたと思しきOASISの「Wonderwall」の弾き語りから「de Mexico」と繋げ、[Alexandros]が持つロックのトラディショナルな魅力をアピールするように始まった後半戦もまた、[Alexandros]流のラテン・ロックンロール「Waitress, Waitress!」から「閃光」「city」「Kids」とアンセミックかつアップテンポのロックナンバーをたたみかけるように繋げ、観客のシンガロングとともにフロアに渦巻く熱狂をさらに大きなものにする。

 「ワンマンで声出しがOKのツアーはすごく久しぶり。この2、3年のコロナ禍を耐えてくれたみなさん、マスクをして、手拍子しかできない状況でもライブに参戦してくれたみなさん、本当にありがとうございます。こうやってみんなの顔をステージから直接見ることって特別なことだと思いました。(バンドを始めてから)十何年を経て、改めてライブの良さを知った上で来年ぶちかまします!」。川上によるそんな宣言が観客全員に歓喜の声を上げさせ、バンドが4人だけで演奏したのが、シンプルなオルタナ・ロック・サウンドとともに、さらなる前進を歌う「Plus Altra」。そして再びROSÉとMULLONを迎え、ニュー・ウェーブ調のポップなロックンロール「Dracula La」で本編を締めくくる。もちろん、そこで終わりじゃない。アンコールはラップ・ロックの「MILK」から「Starrrrrrr」、音源化前の新曲を挟んでからの「ワタリドリ」、そして「Adventure」と、これまで[Alexandros]のライブで数々のハイライトを作ってきたアンセムのつるべ打ちで最後の最後まで、観客にシンガロングの声を上げさせる。観客のシンガロングを全身で浴びながら、川上が歌う<いつだって僕達は君を連れて行く>という「Adventure」のパンチラインを聴きながら、「来年ぶちかまします!」と宣言した彼らが我々をどこに連れて行ってくれるのか、がぜん楽しみになった。

 今年は5月から6月に開催した全国対バン・ツアー【THIS SUMMER FESTIVAL TOUR 2023】と今回の【NEW MEANING TOUR 2023】に加え、数々のフェス出演と2023年はライブに明け暮れながら、この日、披露した曲も含め、バンドは水面下で多くの新曲を作ってきたという。前掲の川上の宣言がにわかに現実味を帯び始めた。その予感に応えるように東京公演の2日目、バンドは来年10月26日と27日の2日間、川上と白井の出身地である神奈川県相模原で[Alexandros]史上最大級の野外主催フェス【THIS FES ’24 in Sagamihara】を開催することを発表。ファンを歓喜させたが、この後、さらなる発表が続くに違いないと大いに期待している。

TEXT  山口智男
PHOTO 河本悠貴


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