聖飢魔II創始者・ダミアン浜田陛下率いるD.H.C.「世を忍ぶ仮の姿の大学時代に戻ったような。実にたのしい時間を過ごさせてもらった!」デーモン閣下とのツアー千秋楽で伝説刻む

2023年11月29日 / 18:00

 聖飢魔IIの創始者である大魔王・ダミアン浜田陛下が再び人間界に顕現。選ばれし改臟人間たちと結成したヘヴィメタルバンド・Damian Hamada’s Creatures(D.H.C.)のデビューから3年……(元)聖飢魔II主宰・デーモン閣下とのダブルヘッドラインによるカップリングツアーが実現し、その最終公演が11月10日に東京・Zepp DiverCity Tokyoにて開催された。

<陛下と閣下が揃い踏み──さながら魔界の首脳集会>

 D.H.C.第2期メンバーによる初ライヴツアーでもあった【デーモン閣下 c/w D.H.C. TOUR『地球魔界化計画』】。シエル(vo)がメタルに目覚めたきっかけでもある聖飢魔II、その創始者である陛下と主宰である閣下が揃い踏みのステージに立つということもあってか、冒頭の「The Beginning of the End」「Babel」から地鳴らしのような重低音と空間を切り裂くような叫びと演奏が空間を支配する。それに呼応するように超満員の信者たちは暴れながら拳を振り上げ、その光景はさながら魔界の決起集会。「遂にやってきてしまいましたね。地球魔界化計画、千秋楽。全5か所まわってきましたが、ここをいちばん熱い会場にする準備は出来ていますか? 配信視聴組の皆さんも最後まで一緒に楽しんでいって下さぁぁぁい!」「うぉぉぉぉ!」

 そんな爆発的な盛り上がりを見せるメンバーと信者たちのもとへ「おいおい、私抜きでなんだか楽しそうじゃないか」とダミアン浜田陛下が降臨。そして、陛下自ら「そのドラミングは疾きこと風の如し、KAZAMIクロウリー(dr)」「そのパフォーマンスは侵略すること火の如し、RENOファウスト(g)」「その名前を早口で読むとア・ク・マとなってしまう、アックスKAZUMA(g)」「青色信号ですか。いえいえ、もはや赤信号。危険な香りのベーシスト、リリス一ノ瀬(b)」「更なる進化を遂げた闇の世界の歌姫、シエル伊舎堂(vo)」「そして、私が魔王・ダミアン浜田である!」とD.H.C.第2期メンバーを紹介していく。そんな陛下の登場でさらに魔力を増した面々は、愚かな人間どもが支配する地球を魔界化するべく「悪の華」「Eternal Sinner」などキラーチューンを間髪入れず畳みかけ、ダミアン浜田も「魔界美術館」「Running like a Tiger」「嵐が丘」では劇的なギターを楽しげに鳴り響かせていた。

<聖飢魔IIとの出逢い~この日に至るまでのシエル伊舎堂の半生>

 その激しく美しきメタルの饗宴の最中、陛下からの「地球魔界化現象をレポートしてもらおう」という指令で、シエルが実にドラマティックな話を聞かせてくれたので、ここに記載したい。

 「私は聖飢魔IIが地球征服を終え、光の中に消えていった1999年。魔暦(D.C.)元年に生まれました。生まれたとき、家族や看護師さんがビックリするぐらい、頭のてっぺんにつむじがね、1、2、3とオーメンのごとく「666」という数字があったそうです。それをD.H.C.結成当初に陛下に話したら「シエルのことは生まれる前から私が改臓していたのだ!」と仰っていたんですけど、私はそれを本当の話だと思いました。そして、小学生のときに遂に聖飢魔IIと出逢いました。で、中学生になって悪魔になることが夢になりました! で、高校生の頃、まわりから「メタルとか売れないよ」とか言われながらも、どうしてもメタルが歌いたくて、ロックが歌いたくて、どうにかこうにか続けてきて。でも、大学生になって「もう音楽を続けていくのは無理なんじゃないか。就活して普通の人になんなきゃいけないんじゃないかな」と諦めかけたときに……うぅ……(涙ぐみながら)陛下にしもべとして、改臟人間(メンバー)に選んで頂いて、Damian Hamada’s Creaturesのヴォーカルになりました!

 そして、私は今年、ライヴ活動15周年というすごく大切な年なんです。そんな大切な年に陛下、閣下、DKBの皆さん、D.H.C.、スタッフさん、お客さんと一緒に5か所もツアーでまわれたことを本当に嬉しく思っております。これぞ! まさに! 地球魔界化計画なんじゃないでしょうか!(客席から拍手喝采)今回のツアーですごく綺麗な景色を見させて頂きました。でも、D.H.C.って欲張りなんです。ワガママなんです。なので、もっと良い景色を見たくなっちゃったんです。来年6月! Damian Hamada’s Creatures、東名阪+αを巡ります【魔界小学校修学旅行 ~ 魔界巡礼ツアー】を決行します!」

<陛下が見守る中で閣下が歌う聖飢魔IIデビュー作に感涙>

 そんなD.H.C.のフロントマンの熱き想い。爆発的なライヴの熱狂に包まれた会場だったが、それらのエネルギーをすべて吸収したデーモン閣下と閣下率いるバンド・DKBのアクトも凄まじかった。棺から白煙に包まれながらダミアン浜田陛下が禍々しく登場すると、雷電湯澤のドラムセットの脇からデーモン閣下も登場し、なんと聖飢魔IIの地球デビュー大教典『聖飢魔II~悪魔が来たりてヘヴィメタる』収録曲「X.Q.Jonah」を1曲目に披露! 聖飢魔II創始者に見守られながら閣下が聖飢魔IIの楽曲を歌っているその光景(ちなみに、陛下がこの曲をライヴで聴いたのは本ツアーが37年ぶり)。往年のファンからしたら感涙と興奮を隠せるわけもなく、会場中がこの上なくエモーショナルな空気に包まれていく。陛下が「諸君、私だ。しつこいかもしれないけれど、そう、魔王・ダミアン浜田である。私はこのあともこの場所で気配を消して、閣下の演奏を見守っておこうと思う」と話せば、閣下が「有難きしあわせ」と頭を下げるやり取りも堪らなかった。

<閣下と陛下とシエル伊舎堂の競演──爆笑と感涙のクロストークも>

 その後も、閣下が敬愛するアリスのプロデュース曲「NEO」(福岡公演では、谷村新司氏への追悼の意を込めてアリスの名曲「秋止符」も歌唱した)や歴代のソロの名曲たちを畳み掛け、魔界を代表するボーカリスト&エンターテイナーとしての掌握力を遺憾なく発揮。また、アンコールでは、ダミアン浜田陛下がギターを持って再び姿を現し、閣下と「ストラップが付いてるぜ。シールドも刺さってるぜ。ということは、弾くってことですか?」「私の場合、ギターを持っているからと言って、必ずしも弾くとは限らないぜ(と言いながらギターを鳴らす)」「……弾いたじゃないか。弾く気満々ですぜ?」と笑いを誘うやり取りで信者たちを湧かせると、陛下のギターとシエルのヴォーカルも参戦する形で、これまた聖飢魔IIの楽曲「野獣」を披露した。この奇跡の大迫力の競演を閣下も歓喜しながら「凄い伸びしろだな。シエルは24歳か。吾輩が世を忍ぶ仮の姿の24歳の頃よりもうまいぞ! まだまだ伸びるぞ」と絶賛。これに彼女も「やったぁー! ありがとうござます」と泣きながら大歓喜。幼い頃から憧れ続けてきた魔界のスーパースターに褒められたのだ、無理もない。

 また、その後の閣下と陛下のやり取りも爆笑&感涙モノだった。

 閣下「実は陛下と吾輩は同じ支度部屋なんだけれども、毎日が首脳会談で。D.H.C.とDKB、今回ダブルヘッダーでツアーをまわったわけでしたけれども、どんな感想をお持ちですか?」

 陛下「最初の大阪でのライヴのあとに、閣下が楽屋に戻ってきて。そこで「君のバンドとD.H.C.を足して2で割ったら聖飢魔IIになるんじゃないの?」ということを言ったわけだが、お互いのバンドの世界観とその演出を足して2で割ったら限りなく聖飢魔IIのソレに近くなるんじゃないのかな」と」

 閣下「聖飢魔IIもいろんな時代があるのだけれども、そもそも今回の演出もずっと陛下に相談しながら考えてきて。で、ド頭に棺の中から陛下が出てくることにして(笑)」

 陛下「命懸けだったよ(笑)」

 閣下「どうやったら煙を吸わないで済むのかとか、そういうことをいっぱいレクチャーして(笑)」

 陛下「今日が最後だと思うと少々寂しいがね」

 閣下「またぜひ一度、棺に入って頂いて(笑)」

 陛下「もういい(笑)」

 閣下「ああいう演出もゲラゲラ笑いながら「こうなったら面白いよね!」「そうだな! 面白いね!」とか言って。それで、練習スタジオに棺を持ってきて、棺に入る練習から始めて(笑)。吾輩がぜんぶ指導してから「今から本格的に煙を出してやりますよ」と。陛下は棺の中で普通の格好をしていると大きさの感覚が分からないから、ちゃんとフル装備で棺に入ってもらって。普通のスタジオでだよ? で、その棺のまわりでみんなで「あぁ、こういう感じなになるのかぁ」って見守っていたんだけど、そこで吾輩が「ひまわり持ってきて! ひまわり!」って。

 陛下「埋葬されてしまった(笑)」

 シエル「縁起でもない(笑)」

 陛下「スタジオで埋葬されるの、おかしいだろ!」

 閣下「超おもしろ写真が撮れたんだけど(笑)」

 陛下「公開できない(笑)」

 閣下「陛下がバリバリにヘヴィメタルをやるとD.H.C.になって、吾輩みたいに「こうしたら面白いんじゃないッスか?」みたいなことをやっていると今日のDKBみたいなライヴになる(笑)」

 陛下「うまく融合したわけだ(笑)。私は「もし閣下と私が出逢っていなかったら」ということを考えてみた。もしも我々が出逢わず、聖飢魔IIを結成せず、それぞれプロとしてデビューできていたとしたら、D.H.C.とDKBのようなバンドをあの頃やっていたんじゃないかと思ったわけだ。ただ、我々が出逢っていなければ、お互いに悪魔に覚醒していなかったかもしれないので、違う名前を名乗っていたかもしれないな」

 閣下「きっとスーパースランプでデビューしてたんだろうな(笑)」

 陛下「スーパースランプがこんな感じになってた(笑)」

 閣下「だから、今回、すっごい久しぶりにそういう(先ほど話したような)やり取りをやっていて「あぁ、聖飢魔IIってこうやって誕生したんだ」って。誕生秘話を見ているようでしたよ。面白かったでしょ?(客席から拍手喝采)」

 陛下「まぁ、あんまり長居してもアレだから。シエルよ、そろそろお暇(いとま)するとしようか」

 閣下「そうか。陛下と吾輩が同じステージの上で並び立つのは、今度はいつになることやら…………(客席から歓声)いや、何も決まってないよ?」

 シエル「今の間、絶対になんかあると思うじゃないですか(笑)!」

 閣下「いつになるんだろうなと、しみじみ遠い目を(笑)」

 陛下「私はな、このツアーが始まってこの1か月。さらには閣下が話したように、その前の準備段階から……世を忍ぶ仮の姿の大学時代に戻ったような。実にたのしい時間を過ごさせてもらった! ありがとう、デーモン閣下!」(握手をするために手を伸ばす)

 閣下「なんでそんな泣かせることを言うんだよ!」(握手をしながら)

 そんな悪魔たちの青春群青劇も想起させた【デーモン閣下 c/w D.H.C. TOUR『地球魔界化計画』】は、ルーク篁がケーキを運びながらサプライズ登場し、みんなで閣下の100061回目の発生日をお祝いする場面もあったりと、実にハートフルな最終公演を迎えることになった。そのオーラスは閣下のアカペラによる「千秋楽 -雅楽・盤渉調古典曲をモチーフとした独自楽曲」。千秋楽にあたり めでたし 嗚呼 めでたしや──またいつかこの2組が共にステージに立つ日を夢見ながら、我々信者も地球魔界化計画を進めていくことにしよう。

取材&テキスト:平賀哲雄

◎ライヴ【デーモン閣下 c/w D.H.C. TOUR『地球魔界化計画』】最終公演
魔暦25(2023)年11月10日(金)東京・Zepp DiverCity Tokyo セットリスト
・Damian Hamada’s Creatures
00.聖詠~(SE)
01.The Beginning of the End
02.Babel
MC
03.悪の華
04.Eternal Sinner
05.Walkure
06.Tempest
07.魔界美術館(※ダミアン浜田陛下出演)
MC
08.Running Like a Tiger(※ダミアン浜田陛下出演)
09.嵐が丘(※ダミアン浜田陛下出演)
・デーモン閣下
00.~SE~
01.X.Q.Jonah
MC
02.FOREST OF ROCKS
03.NEO
04.HALF MOON -月下独酌-
MC
05.Just Being -ここにいるそこにいる-
06.SOLA
07.□8(□=ハートマーク)
MC
08.太陽がいっぱい
09.New Day Comes
En1.野獣(※ダミアン浜田陛下&シエル伊舎堂 参加)
En2.AGE OF ZERO!
En3.千秋楽 -雅楽・盤渉調古典曲をモチーフとした独自楽曲


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