<イベントレポート>ENHYPEN、新作で見せた新たな魅力 「自分たちが表現したいものができた」

2023年11月24日 / 19:00

 ワールドワイドな人気を誇るボーイグループ・ENHYPENが、11月16日に5thミニアルバム『ORANGE BLOOD』のメディアショーケースを開催した。

 前作『DARK BLOOD』が発売初週に132万枚以上を売り上げ、ミリオンセラーに。さらに米ビルボードのメインチャートでは4位となり、以降も8週連続でチャートイン。日本での活躍も目覚ましいものがあり、デビューからわずか2年10か月で初のドームツアーを実現させている。

 そんな国境を越えた支持を集める彼らは、華麗なビジュアルはもちろんのこと、一糸乱れぬパフォーマンスや表情豊かなボーカル&ハーモニーなどで唯一無二の輝きを放つが、アルバムのストーリーやメッセージもグループらしさを構成する要素として欠かせない。

 新作『ORANGE BLOOD』は、どのようなコンセプトで制作されたものなのか——。記者たちもその点に注目しながら、7人のメンバーの発言をじっくりと聞いていた。

 定刻通りに始まったショーケースは、MCの挨拶に続いてフォトタイムへ。ソロ、グループの撮影が終わった後にメンバーもそれぞれ挨拶した。

「僕たちの新しい音楽を届けることができてとても嬉しく思います」(NI-KI)

「新作は自分たちが表現したいムードがしっかり感じられるので、とても気に入っています」(HEESEUNG)

「本当に一生懸命準備した作品です。楽しみにしていてください!」(JAKE)

「準備していた半年があっという間でした」(SUNGHOON)

「今回は振り付けだけでなく表情にも気を付けて準備しましたので、楽しんでいただければと思います」(JUNGWON)

「アルバムを発売するたびにかっこいい姿をお見せするために頑張っていますが、そういう面が感じられるように一生懸命準備しました」(SUNOO)

「自信を持って準備したアルバムなので、みなさん期待してください」(JAY)

 このように語った彼らは早速、『ORANGE BLOOD』のタイトル曲「Sweet Venom」を披露した。同曲のミュージック・ビデオの上映に続いてステージ中央に現れた7人は、クールな表情やセクシーな仕草を交えながら難易度の高い振り付けを次々と見せていく。

 「Sweet Venom」はファンキーなベースラインとキレのいいギターカッティングが印象的なダンスポップで、前作のタイトル曲「Bite Me」の延長線上にあるナンバー。JAYが作詞で参加したことにより、グループのカラーがより一層鮮明になっている。<僕に必要なのは“君”の毒だけ/連れて行って、新しい世界へ>といった少年の心を描いた歌詞は同世代を中心に共感を呼びそうだ。

 パフォーマンスを終えたENHYPENは、『ORANGE BLOOD』のテーマや収録曲に関して解説した。JAYは今回のアルバムについて「前作の後のストーリーを盛り込みました。“君”と再び会った少年は、すべてが初めてであるかのようにときめいてドキドキしますが、永遠だと思っていた力を失い、世の中のどんなものも無限ではないことを悟ります。しかし少年は“カルペ・ディエム(その日を摘め)”という言葉のように、今この瞬間にすべてをかけて最善を尽くして“君”を愛そうとします。『ORANGE BLOOD』は、このような少年の誓いを最も温かい色であるオレンジの光で見せていきます」と語った。

 『ORANGE BLOOD』は、少年の物語を通してENGENE(ENHYPENのファンの愛称)とつながりたいという切なる思いも表現しているという。これに関してHEESEUNGは、「ENGENEのみなさんとの関係は輪ゴムみたいだと思います。ENGENEのみなさんといくら離れていても、心の距離は近い。伸びてもすぐに戻る、しかもなかなか切れない輪ゴムのようです」と語り、続いてSUNGHOONは「公演中に客席のみなさんの大合唱を聞くとき、お互いの表情が一緒だと思うときが幸せです。感情を分かち合っている気がするんです」とコメント。メンバーらのこうした気持ちが収録曲の1音1音から伝わってくるのも本作ならではの魅力だろう。

 さきほど初公開した「Sweet Venom」だが、SUNOOは初めて聴いたときに「これこそタイトル曲だと思った」そうだ。ちなみにこの曲は韓国語で歌ったものに加えて、英語バージョンとアメリカの人気歌手ベラ・ポーチをフィーチャリングしたバージョン(音楽配信サービスサイト限定)もある。自信作であるがゆえに違ったテイストを楽しんでもらいたかったに違いない。

 『ORANGE BLOOD』に収められた他の曲も聴きごたえのあるものが多い。お気に入りの収録曲を聞くと、「『Orange Flower(You Complete Me)』が気に入っています。“君”への感謝、恋に対する確信、勇気、誓い。そういったものをオレンジの花に例えた曲です」(JAKE)、「1曲目の『Mortal』です。綺麗な感じがする曲ですよね。韓国語、日本語、英語で構成した7人のナレーションも魅力的なので注目してください」(HEESEUNG)と、メンバーの好みはさまざまだ。

 MCとのやりとりを終えた彼らは『ORANGE BLOOD』からもう1曲、「Still Monster」のパフォーマンスを披露した。この曲は、救われたものの過去の影を引きずったまま苦しむモンスターと、そんなモンスターを愛する“君”について歌ったミディアムテンポのバラードで、「ワイルドでダイナミックな動作をたくさん取り入れた」(NI-KI)振り付けが見どころとなっている。

 ショーケースの最後は記者との質疑応答が行われた。「Sweet Venom」のデモを聴いたときの感想を聞かれたJAKEは、「グループが今までやったことのない一風変わった感じの曲だと思いました。非常に期待をしながらレコーディングをしました」と回想。またHEESEUNGは、同曲の韓国語バージョンをレコーディングしているときにHYBEの創業者であるパン・シヒョクプロデューサーがほめてくれたことを明かし、「ほめ言葉を頻繁に言わない方ですし、普段は非常に厳しいので、その基準でほめていただけたと思うともっと嬉しくなりました」と笑った。

 9月に東京ドームで開催した【ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE’ IN JAPAN】に関する質問にNI-KIは、「東京ドームはBTSやSEVENTEENといった先輩方が公演をしたところですので、非常に意味深い舞台でした。また、K-POPボーイグループの中では本当にありがたくも最短期間で東京ドーム開催を実現できて、僕たちにとっては感謝しかないことだと考えています」と率直な気持ちを述べた。

 そしてラストにJUNGWONがコメント。「前作の『DARK BLOOD』とは相反するカラーをお見せする『ORANGE BLOOD』でカムバックをさせていただくことになりました。ENHYPENは海外で人気がある一方で韓国国内のチャートでは僕たちの曲を見つけにくいという指摘、よく分かっております。しかし、このような指摘を乗り越えて活動を努力していきたいと思いますし、従来通り安住せず、あぐらをかくことなく、引き続き挑戦してまいります。今回のアルバムは自信もありますし、クオリティの高いアルバムです。今回の収録曲を集中して聴いていただければ幸いです」と語り、イベントは終了した。

 『ORANGE BLOOD』は発売日(11月17日)に138万 3,292枚(HANTEOチャート集計)を売り上げ、自己記録を更新。タイトル曲「Sweet Venom」も世界各地のヒットチャートを急上昇中だ。JUNGWONの言葉通り、どんなことがあっても挑戦し続ける姿勢があればENHYPENはもっと大きな存在になるだろう。今後のさらなる飛躍に期待したいと思う。

Text by まつもとたくお

◎イベント情報
【5thミニアルバム『ORANGE BLOOD』ショーケース】
2023年11月16日(木)
韓国ソウル・YES 24 Live Hall


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