<ライブレポート>Survive Said The Prophet、全国を回ったワンマンツアーの集大成を披露

2023年11月22日 / 10:10

 Survive Said The Prophetが今年7月から全国20か所を回ったツアー【TOUR 2023 “MAKE / BREAK YOURSELF”】が11月8日、渋谷CLUB QUATTROにてついにファイナルを迎えた。チケットはソールドアウトしており、客席にはインターナショナルバンドと称されるだけあって、外国人も含む多くの観客が開演前からオフィシャルグッズを身に着けて集大成を存分に体感する準備を整えていた。

 青緑の照明に包まれながら壮大なSEとともにYosh(Vo.)、Ivan(Gt.)、Tatsuya(Gt.)、Show(Dr.)が登場。1曲目「Your Head」冒頭のYoshのシャウトで一気に会場は温められた。「始める準備はいいかい?」の掛け声にオーディエンスも大きな歓声をあげる。「Beauty Queen」が始まれば、瞬く間に会場はヘドバンの嵐に。大きく飛ぶ観客たちで、フロアは文字通り揺れるほどの盛り上がりを見せていた。ワンマンツアーのファイナルという場で、ステージの端から端まで行き来して、いつも通りその場にいる一人ひとりへ笑顔を向けながら歌うYoshの姿に心を打たれたファンは少なくはないだろう。

 Ivanがステージからせり出すようにフロアを煽るなか、威勢の良いYoshのシャウトでタイトルコールされた「T R A N S l a t e d」では、Showのシャウトとバスドラムの重低音も相まって会場の揺れと熱気はさらに増していく。声出し等が解禁されてから初のツアーということもあり、観客の勢いは止まることを知らない。次いで始まる「Mary」でも、Yoshが観客たちに回るようにジェスチャーで促すと、フロアの中心に大きなサークルが出現。観客らが大音量の掛け声を放ち、力強いシンガロングを見せた「NE:ONE」、「S P I N E」、「Bridges」では、その観客の歌声に満足気なYoshの笑顔が印象的だった。

 「こんなド平日に」と、この日ツアーファイナルを祝いに来た観客にMCで感謝を述べるYoshは、続けて「自分たちの音楽を持って、まだまだたくさんワンマンツアーしていきたいと思います!」と本ツアーを振り返りながら目標を掲げた。「俺らはめちゃくちゃ幸せなんだけど、皆さんは幸せですか?」と問いかけ、「The Happy Song」の軽やかで爽やかな演奏が始まる。

 落ち着いたアルペジオで始まりつつも曲中で大きな盛り上がりを見せた「Right and Left」の後は、今年4月にリリースされたばかりの「Paradox」へと続く。赤い照明に照らされ、伸びやかな歌声を聴かせる「RED」は、Tatsuyaの伸びのいいソロとShowのシャウトで締められ、ライブは後半戦へ。

 「このフロアを光で照らして」。これまでの熱を帯びた雰囲気から打って変わって、「Find You」では会場が観客のスマホのライトで埋め尽くされ、幻想的な空間を創り出した。曲の前半では、お立ち台から下り、スタンドマイクで歌っていたYoshも後半にはお立ち台へ戻り、感情的に歌いあげる。オーディエンスはゆっくりとライトを振ってそれに応えた。

 あらためて「特別な平日」にライブに足を運んだ観客に感謝の言葉を告げつつ、Yoshは10年近く前のインディーズ時代を振り返り、周りに助けられながら今、皆で活動している「奇跡」について語った。この場にいた「みんなにこの曲を届けたい」と、ファイナルシリーズに用意した「UPLIFTED」をしっとり、じっくりと届けた。

 「Spectrum」が始まると、次々と拳があがり、クールダウンされた会場は再び熱気を取り戻す。2016年リリースの「Bandaid」では、さらに大きなモッシュサークルが出現し、往年のファンたちが興奮気味に会場を揺らす。「こんなもんで終わらせねぇからな」とTVアニメ『BANANA FISH』OP主題歌にもなった「found & lost」を披露し、アニメファンも沸かせた。

 「残り2曲になってしまいました!」というYoshからのメッセージに観客たちも大きく「え~!」とリアクションをする。声出しが解禁されたからこそ、声援で表現できるそれぞれの観客の感情に溢れた会場は、バンドメンバーも観客もボルテージが最高潮に。「Mukanjyo」ではYoshの「やり残したことがある奴らは後悔すんじゃねぇぞ」という掛け声に応えるように、これまでにも増してさらに大きな声でシンガロングを見せる観客たち。「最後の曲だぞ」と何度も念を押して始めたのは「Network System」。曲を通してともに歌い続けるオーディエンスの様子からは名残惜しさが感じ取れた。IvanとTetsuyaも飛び回りながら演奏し、メンバーもツアーファイナル本編のラスト1曲を全身全霊で届けた。

 本編終了とともに巻き上がる拍手にアンコールで再登場。ライブというのはいつも「Hello.」と「Good bye.」だが、一番大事なのは「See you again.」であるというYoshのMCから、アンコール1曲目には歌詞にも<see you again>を含む「Conscious」が演奏された。フロントに立つ3人が体を寄せ合い、ファンの目線で演奏する様子を観客たちも微笑ましく見守る。最後に「Fool’s gold」が演奏されると、モッシュはさることながら、一人ひとりが悔いの残らないように楽しむ姿を見せた。これで終わりになってしまうかと思いきや、メンバーが捌けた後のステージに向けた拍手は鳴りやまない。ダブルアンコールとして戻ってきてくれたメンバーが最後に披露したのは「Win / Lose」。「しっかりと歌ってほしい」というYoshからのお願いに観客も大声で応え、全方位から観客たちの大きな歌声が聞こえてくる。名残惜しさが残るなか、ヘドバンで大きく揺れ、最後に相応しい締めくくりとなった。

 今回のワンマンツアーでは、ファンの皆に形として思い出に残してほしいというメンバーの想いから、観客用にスタッフパスを模したステッカーを退場時に配布するという粋な計らいで終演後もなおファンを喜ばせた。海外での公演やフェスへの出演を目前に控える彼らを再びワンマンで観ることができるのは、来年1月にビルボードライブ大阪・東京で行われる【Billboard Live TOUR 2024】。同会場への登場は初となるサバプロが、親密な空間でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか今から楽しみだ。

photo by toya

◎公演情報
【TOUR 2023 “MAKE / BREAK YOURSELF”】
2023年11月8日(水) 東京都 SHIBUYA CLUB QUATTRO

◎公演情報
【Survive Said The Prophet
Billboard Live TOUR 2024】

2024年1月8日(月・祝)
東京・ビルボードライブ東京
1stステージ OPEN 15:30 / START 16:30
2ndステージ OPEN 18:30 / START 19:30

2024年1月12日(金)
大阪・ビルボードライブ大阪
1stステージ OPEN 17:00 / START 18:00
2ndステージ OPEN 20:00 / START 21:00

チケット:
サービスエリア 7,000円
カジュアルエリア 6,500円(1ドリンク付)


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