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Asiloが、9月10日に渋谷WWWで初のワンマンライブ【Asilo with the Bouquet】を開催した。
2001年生まれのシンガーソングライター峰清(ホウセイ)によるソロプロジェクトであるAsilo。2020年4月からYouTubeに弾き語りのカバー動画をアップし始め、2021年よりAsiloとして本格的に音楽活動を行っている。これまで、柏倉隆史(toe、the HIATUS)やShin Sakiura、SUKISHA、澤村一平(SANABAGUN.)、いけだゆうた(BREIMEN)、LAGHEADSらと楽曲制作を行い、甘くビターな歌声を届けてきた。
今回の公演タイトル【Asilo with the Bouquet】について、以前Billboard JAPANで実施したインタビューでは(https://www.billboard-japan.com/special/detail/4003)、「ファンの皆さんを花に例え、花束のように一丸となって素敵な時間を過ごせたら良いな」という意味が込められていることを語っていた。コロナ禍から音楽を始め、満を持して憧れの舞台に立ったAsilo。ワンマンライブでは、そんな彼の魅力的な歌声だけでなく、ファン想いの人柄などが窺えた。
キーボードの煌びやかなグリッサンドでステージに登場したAsilo。バンドメンバーはギター、ベース、ドラム、キーボードとシンプルな構成だ。Asiloにスポットライトが当たると、静かに息を吸って最新曲「Stay Here」でライブの幕が上がった。ビターで大人っぽさを残す曲調で観客の心をグッと掴む。「はじまして。一緒に歌って踊って楽しんでいってください」と挨拶をすると「Talk」へ。アコースティックギターの音色に乗せてしっとりと歌い上げていく。
11月3日にアーティスト活動2周年を迎えるAsilo。MCでは、初めての仕事だったというアーティスト写真撮影について振り返っていた。そして、3年前は調理師学校の生徒だった自分が、今こうしてステージに立っていることについて「人生何が起こるかわからないですね」と一言。そんな彼は初心に戻って、アコースティックギターを手に持ち始める。弾き語りでずっとやりたかったというキリンジのカバー「エイリアンズ」、踊れる曲をやりたいということから選曲したハナレグミのカバー「踊る人たち」など次々に披露。さらに、歌声が最大限に引き出されたと感じたのは、レディオヘッドのカバー「High and Dry」だ。緊張が段々とほぐれたAsiloの裏声が伸びやかに広がっていくのを感じる。
Shin Sakiuraとの共作で特に思い入れがあるという「Lonely」では、切なさの残る歌詞の世界観をそっと描き出していく。オーディエンスも曲に合わせて手拍子を行ったり身体を揺らしたりするなど、ドラマティックなライブ展開に酔いしれていた。そんな思いも束の間、「Melody」で本編の幕が下りた。
鳴り止まないアンコールの中で再登場したAsiloは、「Swim」の原型でもあり、同じ世界線だという貴重な「I know」をワンコ―ラス歌い上げた。その後は、アットホームな雰囲気に包まれたウォーのカバー「Why can’t we be friends」で、オーディエンスとの距離を縮めていく。そんなAsiloはステージを自由に歩き始め、笑顔を見せていた。そして、拘りが詰まった色味のTシャツや、ファンから募集した花のデザインが刺しゅうされたタオルなど、個性あふれるグッズを紹介した後は、改めて「この2年で夢ができました。皆さんを大きい舞台に連れて行きたいです」と今の心境を語る。そんな姿を見た幅広い年齢層のオーディエンスからは大きな拍手が起こり、これからの活動に期待が高まった瞬間だった。最後はデビューシングルである「Beautiful Rain」をグルーヴィに轟かせ、自身初となるワンマンライブは大団円を迎えた。
Text by Tatsuya Tanami
◎公演情報
【Asilo with the Bouquet】
2023年9月10日(日)
東京・渋谷WWW
<セットリスト>
1. Stay Here
2. Days
3. Talk
4. エイリアンズ – キリンジ
5.踊る人たち – ハナレグミ
6. High and Dry
7. Lonely
8. Swim
9. Melody
<アンコール>
10. I know
11. Why can’t we be friends
12. Beautiful Rain
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