ハリー・スタイルズ、当初セラピーに乗り気でなかった理由を明かす「自分が壊れていることを意味すると思っていた」

2022年5月11日 / 15:40

 2022年4月26日に部分的に公開されていた、ハリー・スタイルズをフィーチャーした米誌ベター・ホームズ&ガーデンズのカバー・ストーリーのウェブ完全版が解禁された。その中で彼は、5年前からようやくセラピーに通うようになった経緯や、ビリー・アイリッシュに代表される若いアーティストの台頭について思うところなどを語っている。

 セラピーについては、当初はあまり乗り気ではなかったと彼は明かしており、「自分が壊れていることを意味すると思っていました。そんなものは必要ないと言える人間になりたかった」と同誌に語っている。しかし、最初の不安を乗り越えると、28歳の彼はセラピーによって自分が知らなかった“(心の)部屋を開ける”ことができ、以前は“感情的に惰性で過ごす”傾向があったが、より素直に物事を感じられるようになったと明かしている。

 ハリーは、「生きること、楽しむこと、極限で傷つくこと、それらを受け入れることが最大限に生きていることなのだと思います。自分を抑えられなくなるほど泣いたり、笑ったり……それ以上に生きていることを実感する方法はないと思うんです」と語っている。

 ワン・ダイレクションでの活動は、彼を世界的なスーパースターへと押し上げたが、その急上昇がいかに混乱させるものであるかということも彼はよく知っている。2021年の【グラミー賞】に出席したあと、彼はビリー・アイリッシュの成功への道のりについて自分なりに考えてみたのだという。13歳で注目を集め始め、15歳でデビュー・シングル「オーシャン・アイズ」をリリースしたビリーについて彼は、「彼女は僕よりずっと若いですが、僕がグループにいた頃は自分たちがいつも若手だったんです。初めてソロ活動を始めた時も、まだ若手みたいな感じでした。今だっておじさんではないですが、彼女は世代が違います」と述べている。

 ハリーはビリーのことを尊敬していると話しており、彼女が名声にうまく対処している姿を見ることで、人前で生きることと自分との関係性において、ある種の転機となったと語っている。自分自身の旅を振り返ると、ビリーが今経験しているであろう“突然の称賛の嵐や大騒ぎ”には共感でき、彼女を誇りに思い、良かったねと思える一方で、自分は妙に異なる、鍛えられたような感覚を覚えたと同誌は表現している。

 自分より若い世代の台頭により、常にホットな新しい“流行”であるために戦うことがいかに自分を惨めにさせるか気付いたと彼は言う。音楽業界における容赦ない競争、そして評価や人気を常に欲することが、多くの“音楽の歴史における破綻や無数の悪い選択、さらには悪い曲”の原因になっていると気づかされたとも語っている。

 このことについてハリーは、「音楽に勝ち負けはないんですよ。F1とは違うんです。僕が生きている間に、ああやって(ビリーのように)音楽シーンに躍り出る人があと10人は出てくるだろうし、僕は“若い流行り”からどんどん遠ざかっていくだけだってことに気づきました。だから、自分が幸せになれる他の何かを見つけることに慣れろって思ったんです。それにすごく解放感を覚えたんですよね」と語っている。

 こうした心境の変化を経て完成したのが、5月20日にリリースされる3rdソロ・アルバム『ハリーズ・ハウス』だ。このアルバムについて彼は、「ようやく僕は、このアルバムが商業的に成功しなくても自分の人生が終わったとは感じないと思います。僕はただ、正しいと思えて、プロセス的に楽しくて、自分が長い間誇れて、友達が誇れて、家族が誇れて、いつか自分の子どもたちが誇れるものを作りたいだけなんです」と説明している。

 そんなハリーは最近、北米ツアーの日程と英ロンドンと米ニューヨークでの【ワン・ナイト・オンリー(一夜限り)】コンサートの日程を発表した。


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