ちゃんみな、“バーレスク”をコンセプトにした自身初のワンマンツアー完走

2019年3月30日 / 09:25

 3月29日、Zepp Tokyoにて、ちゃんみな自身初となるワンマンツアー【THE PRINCESS PROJECT 3】のファイナルが開催され、ライブレポートが到着した。

 スポットライトを浴びて「I’m a Pop」のイントロとともにシルエットで登場した後、ちゃんみなが全貌を晒すと会場の温度が一気に上がり、歓声が響き渡る。ダンサーと生バンドを引き連れ、ゴージャスで妖艶なステージと、“バーレスク”をイメージした世界観で一気にフロアを惹きこみ、攻撃的なサウンドとパフオーマンスが圧巻の「MY NAME」と、トランペットとサックスの音色がよりダイナミックに演出する「CHOCOLATE」を歌いあげる。その圧倒的なパフォーマンスで一気に空気を変えたと思えば、MCで「来てくれてありがとう! どうぞよろしくね!」と等身大の姿を現す、そのギャップもまた魅力だ。

 「私の歌は全部実話。どんな曲も私の私生活」と語った後、ソファに座り「Never」をダンサーとアクロバットを取り入れたコンテンポラリー・ペアダンスで、この世界観をエモーショナルに歌い上げる。その後、ゴールドの衣装から白いロングドレスを身にまとい、パワフルに、ダイナミックにTeddyLoidとのコラボ曲「You made me」をフロアにたたきつけ、その姿はまさにジャンヌダルク。彼女は間違いなく、見る人の心に革命を起こしていくのだ。力強く、確実に。

 「失敗をしてもいい。自分がどんな人間かわかっているなら、それでいい」というメッセージのもと歌い出した「WHO ARE YOU」では、ステージ上に用意された鏡越しにカメラが追いながら、その映像を映し出し、“本当の自分は誰なのか”というメッセージを体現するかのように表現していく。次第に自分を見つけていくかのように、力強くなっていく瞳の強さが熱に変わり、息をのむ演出となった。「愛するみんなとすべての夢を追いかける人へ」と言いながらピアノを弾きながら歌い始めた「PAIN IS BEAUTY」では、幼少の頃から習っていたピアノ弾き語りをライブで初披露。さらなる才能を開花させていた。

 そして「昔話をしようと思います」と言いながら歌い始めた「She’s Gone」では、ちゃんみなが人生をかけてつかみ取った音楽への想いをひとりひとりにしっかりと届くように歌う。夢を追うことで失ったもの、そして得たもの、さらに“覚悟と自信”。すべての弱さのもとに成り立つ強さをすべてこの歌にひっくるめて、ぶつけてくるからこそ、この時ばかりは汗とともに多くの人たちの頬に涙が光った。

 一転、ショータイムを見せてくれたのが「BEST BOY FRIEND」、「FXXKER」だ。これぞエンターテイメント、光を浴びて輝く姿がまとうオーラは見る人たちを興奮させる。

 後半戦は「未成年」、今回のツアーで初披露となった「Sober」とたたみかけ、圧倒的なパフォーマンスで魅せたあと、「LADY」では、会場全体が大合唱となる。ここまでショーと一体感の両方を両立させるのはさすがだ。

 ちゃんみなの歌は、歌でありながらも、まるで直接語りかけてくるメッセージのよう。耳元でその物語を体感させてくれるからこそ、自分を重ね、自分の歌として、言葉として、気持ちを乗せるのだろう。

そしてアンコールに登場したちゃんみなは、はっきりとした言葉で、「夢を持つ大切さ」を叫んだ。「私、いまから暑苦しい人になるから」と前置きした後、当日ライブに招待していた小学校の恩師に言われた「夢を諦めないでほしい」という言葉があったからここまでこれたこと、どんな年代でも夢を持つことが大事だということをまっすぐに語る。お客さんの1人が、「ちゃんみなと同じステージにたちたい!」という夢を叫ぶと、目を輝かせて「待ってるよ!」と嬉しそうに答える姿は、すごく清々しく、気持ちがいい。

ちゃんみなが伝えたいメッセージは、時に泥臭い。でも、だからこそ、すごく愛おしくて、力強くて、さらにその中に見え隠れする弱さが、聴き手の心をつかむのだ。

 最高のショーにエンターテイメントを体現しながら、自分の信念を貫き通す。そんなちゃんみなが、今、信じて、提示するすべてのものが凝縮した、最高のライブだった。

 最後に彼女は、会場のみんなに約束をさせた。「次のワンマンまで、自分の夢に少しでも近づくこと」。彼女も、そして彼女を愛するファンも、一緒に成長し、上り詰めていく。もしかしたら、ものすごく面白い数年後が待っているんじゃないか。そんなことを想像させてくれる、素敵なライブだった。

TEXT:吉田可奈
PHOTO:Hiroyuki Dozono
衣装製作協力:GALLERIE TOKYO 


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