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今週もまた入れ替わりが激しいHot100だが、特に上位は接戦となっている。首位を獲得したのは、ドラマ主題歌となったHey! Say! JUMPの「マエヲムケ」だが、僅差で2位となったのが同じくドラマ主題歌のタイアップがついた米津玄師の「Lemon」(【表1】)。Hey! Say! JUMPはCDの売上数とルックアップ(PCでの読み取り数)でポイントを稼いでいるが、米津玄師のCDリリースはまだ先で、ダウンロードのみのリリース。もしフィジカルのCDが同時発売だったら、1位になっている可能性が高く、それを考えるとジャニーズもうかうかしていられない存在になったということだ。
米津玄師のこのやり方は、おそらく確信犯だろう。もともとSNSなどネット上で話題になったアーティストだけに、ダウンロードやストリーミングを巧妙に使いこなしているし、ツイッターのポイントが継続して高いのも彼の話題作りがきちんと反映されているからといえる(水色のグラフ)。ドラマ主題歌といえども、今はそんなに簡単に売れるわけではないので、タイアップに頼り切るわけにはいかない。よって、ツイッターで話題を継続し、ダウンロードで先行してからフィジカルのCDをリリースするという展開は、アーティストの特性によっては非常に効果的なのである。
この動きに良く似ているのが、今週6位にランクインしたONE OK ROCKの新曲「Change」だ(【表2】)。彼らもまた海外戦略を含め独自のマーケットを作っているアーティストだが、このCMタイアップ曲もフィジカルのCDはなくダウンロードとサブスクリプションサービスでのリリースとなっている。3月末からのドームツアーを盛り上げる楽曲であることは確かだが、あえてCDをリリースせずにファンの飢餓感を煽るというのもうまい。このあたりはチャート戦略も巧妙な彼らならではといえるだろう。
チャートの要素が、売り上げだけでなく多様化する今だからこそ、プロモーション戦略も変えないといけない。米津玄師やONE OK ROCKはそのことをよくわかっているのだ。Text:栗本斉
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