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世界中で2017年最も売れた曲といえば、エド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」だろう。ビルボード・ジャパン年間チャートでも、首位の星野源の「恋」に続く2位を記録し、洋楽としては最大のヒットとなった。また、同曲が収録された3作目となるスタジオ・アルバム『÷(ディバイド)』も全世界で大ヒットし、現時点でのワールド・セールスは700万枚を突破している。
その大ヒット作『÷(ディバイド)』から、4曲目のシングルとして9月26日にリリースされたのが新曲「パーフェクト」。2015年の大ヒット・ナンバー「シンキング・アウト・ラウド」に匹敵する美しいバラード曲で、4曲目の「シェイプ・オブ・ユー」~「パーフェクト」の流れは、本作のハイライトといえるだろう。リリース当初からシングル・カットが熱望されていたこともあり、発売から2か月で全米3位/全英3位(2017年12月時点)をマークし、その他の主要国でもTOP3入りを果たしている。楽曲はエド・シーランが制作し、プロデュースは前作『x(マルティプライ)』からの大ヒット曲「ドント」などを手掛けた、ベニー・ブランコが担当している。
12月に入ってから売上を伸ばしたのは、ビヨンセとデュエットしたニュー・バージョンが急遽リリースされたため。『÷(ディバイド)』を愛聴していたビヨンセの提案により、演奏はアコースティック・ギターのみの弾き語りのような仕上がりになっていて、旋律の素晴らしさと2人の歌唱を際立てている。ヴァース1を原曲通りエド・シーランが歌い、ヴァース2でビヨンセが登場。ラストは2人のハーモニーが溶け合い、感情移入して歌いあげるという、男女のデュエット・ナンバー王道のドラマチックな展開で幕を閉じる。若干、ビヨンセのこぶしがきき過ぎているフレーズもあるが、幅広い声域と硬軟を使い分けたボーカル・ワークは、見事としか言いようがない。ソウルフルになり過ぎないよう、優しく歌うエドのフォローもまさにパーフェクト。
歌詞の内容も、良い意味でひねりの無い、スタンダードな男女の恋愛模様が描かれている。直訳すると、ダイレクトに気持ちを伝えることが苦手な(?)日本人には、ちょっと恥ずかしいようなフレーズも見受けられるが、海外ウケは抜群。ダイアナ・ロス&ライオネル・リッチー「エンドレス・ラブ」(1981年)や、ボーイズⅡメン&マライア・キャリーの「ワン・スウィート・デイ」(1995年)のような、スタンダード・ナンバーとして受け継がれる名曲となりそうだ。間もなく迎えるクリスマスやウィンター・シーズンにもピッタリ。
エド・シーランは、間もなく発売されるエミネムの復帰作『リバイバル』や、7年振りとなるN.E.R.Dの新作 『ノー_ワン・エヴァー・リアリー・ダイズ』など、他アーティストの作品にも積極的に参加している。また、現地時間1月28日に開催される【第60回グラミー賞】では、主要部門を逃したものの、<最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞>など2部門にノミネートされていて、2017年に続き、2018年も大活躍の1年になりそうだ。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
「パーフェクト・デュエットwithビヨンセ」
エド・シーラン
2017/11/30 RELEASE
デジタル配信
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