卯城竜太 (Chim↑Pom) や黒瀬陽平 (カオス*ラウンジ) が認める現代アートの逸材 中島晴矢の個展【ペネローペの境界】開催

2015年6月16日 / 17:15

 ポスト3.11を生きる気鋭のアーティストとして注目されている中島晴矢の個展【ペネローペの境界】が、6月26日から7月5日まで阿佐ヶ谷・TAV GALLERYで開催される。

 中島晴矢は、映像、絵画、立体など、さまざまな手法により作品を制作する作家であり、通底するスタイルとしては、創作活動において極めてコンセプトを重視している点が挙げられる。また、中島晴矢は、法政大学文学部で日本近代文学を学んだ傍ら、美学校出身、渋家創設メンバーであるという経歴が示す通り、これまで、主にオルタナティブな領域を活動の足場としてしてきたが、昨年は、従来の活動の集大成ともいえる個展【ガチンコーニュータウン・プロレス・ヒップホップー】(ナオ ナカムラ)を開催し、これを経て開催した個展【上下・左右・いまここ】(原爆の図 丸木美術館) では美術館というこれまでとは異なる領域へと活動を拡げた。

 さらに、展覧会のみならず、前衛演劇への参加や、ヒップホップユニット Stag BeatのMCといった現代美術の枠に収まらない横断的な活動は、『美術手帖』(2015年5月号)にて企画された若手作家特集「日本のアート、最前線!!」において、Chim↑Pomを率いる卯城竜太の誌上キュレーションに選出されるなど、オルタナティブな領域から起きつつある日本の現代美術の地殻変動を象徴する作家の一人として、注目を集めている。

 同特集内の中島晴矢の解説記事に付けられた「マッチョイズムと情けなさの応酬」というキャッチコピーは、中島晴矢の作家性を端的に表していると言え、卯城竜太は記事本文にて中島晴矢について次のように評している。「マッチョイズムへの憧れと文化系キャラが見事に融合。(中略) マッチョなノリに対しての情けなさ、知性との絡みに妙に文学的な中毒性がある……サブカルからアート、文学まで幅広く文化をカバーする多面的な作家。」(『美術手帖』(2015年5月号)より)

 同特集は、サブタイトルに「ポスト3.11を生きるアーティストは、美術を更新するか?」と付けられているように、一つは2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の体験を若手作家がどのようなかたちで昇華しているのか、もう一つはマーケットを含むアートシーンとの関係をどのように捉えサヴァイブしているのか、という2つのポイントを背景として生まれた特集であると説明されている。

 中島晴矢は、本展において、この背景となった2つのポイントへの回答を図らずとも示してると言え、一つは、本展が、フクシマの問題やイスラム国の一連のテロリズムの問題を扱い、福島の被災地を訪問し収めた映像および写真を元にした作品、また、アリギエロ・ボエッティの「MAPPA」を下敷きにした国旗のシリーズなどを発表すること。もう一つは、前述の通り、中島晴矢が、所謂、大学機関においての正規の美術教育は受けておらず、オルタナティブな領域を起点としながらも、マーケットを含むアートシーンに対して直接的に促す動きへと軸足を移しつつあること。以上の点において、本展は、加速する日本のコンテンポラリー・アートの最前線にあると言え、日本の現代美術の風景を刷新する大きな可能性を有していると言えるのではないだろうか。

 また、本展は、古代ギリシャの叙事詩『オデュッセイア』に記された物語「ペネローペの織物」を、現代世界における「境界」の象徴として見立て、今の時代と対峙する芸術としての表現を試みることがコンセプトとしてあり、これについて、中島晴矢は本展ステートメントのなかで次のように語っている。「現代は、無数のレヴェルで境界線が引かれ、ほどかれ、また引き直され……という永久運動にさらされています。その上で、様々に偏在する「ペネローペの境界」を、多元的に提示する??それが本個展のテーマです。」

 本展開催にあたっては、前述の『美術手帖』において、卯城竜太と共に誌上キュレーションを務めた黒瀬陽平が中島晴矢の作家評を寄稿しており、テキストは会場にて公開される。また、会期中の6月27日には、黒瀬陽平を招いたアーティスト・トーク【フクシマ・IS・普遍主義】が開催される。


音楽ニュースMUSIC NEWS

ビッケブランカ、全編英詞の新曲「Never Run」MV公開 全国ホールツアーも決定

J-POP2024年5月5日

 ビッケブランカが、新曲「Never Run」をサプライズ配信リリースし、ミュージックビデオを公開した。  新曲「Never Run」は、今年2月に北米ツアーを敢行したビッケブランカが、現地で感じたフロアを盛り上げるビートやアレンジをふんだ … 続きを読む

くじら、アニメ『先輩はおとこのこ』オープニング&エンディングテーマを担当

J-POP2024年5月5日

 くじらが、2024年7月4日深夜よりフジテレビ“ノイタミナ”で放送されるTVアニメ『先輩はおとこのこ』のオープニングテーマとエンディングテーマを担当する。  本アニメの原作は、【次にくるマンガ大賞2021】Webマンガ部門で3位、【第5回 … 続きを読む

BE:FIRSTが【JAPAN JAM 2024】に登場、初となる「Shining One」バンド編成パフォーマンスも

J-POP2024年5月5日

 BE:FIRSTが、2024年5月5日に千葉・千葉市蘇我スポーツ公園で開催された【JAPAN JAM 2024】に出演した。  同フェスへ2年連続の出演となったBE:FIRST。5月3日に出演した【VIVA LA ROCK 2024】に引 … 続きを読む

【深ヨミ】最新作が11作連続の首位獲得 WEST.の過去のシングルセールスを調査

J-POP2024年5月5日

 2024年5月6日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、WEST.の『ハート/FATE』が263,585枚を売り上げ首位を獲得した。(集計期間2024年4月20日~4月26日)  『ハート/FAT … 続きを読む

Travis Japan「Sweetest Tune」×ドラマ『東京タワー』コラボMV、名シーンや未公開シーンを収録

J-POP2024年5月4日

 Travis Japanの新曲「Sweetest Tune」と、テレビ朝日系オシドラサタデー『東京タワー』のコラボMVが期間限定公開された。  本ドラマは、2001年に刊行された江國香織の同名小説が原作で、永瀬廉(King & P … 続きを読む

Willfriends

page top