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ギャズ・クームス、ブリティッシュ・ポップの伝統を体現するビルボードライブ公演レポート

 3月18日に開催された元スーパーグラスのギャズ・クームスによる初のビルボードライブ公演のレポートが到着。

 3年ぶり、2作目となるソロ・アルバム『マタドール』を引っ提げ、元スーパーグラスのギャズ・クームスが初めてビルボード・ライヴに登場した。この3月で39歳になったギャズだが、20数年前のデビュー当時、カルバン・クラインの下着モデルに抜擢されたという経歴も伊達じゃない、彼の不思議な色気を湛えた個性的で愛嬌のあるサル顔やスタイルにほとんど変化がないのは、順調に音楽活動を続けている証だろう。

 そんな彼のライヴは、キーボードを含む4人のバンドを従え、最新作のオープニングを飾る「バッファロー」でスタート。このミッド・スローのしっとりしたナンバーに代表されるように、新作の歌世界は少し大人になったギャズの心境や物の見方が表れたじっくり聴かせる曲が多いせいか、ビルボード東京の空間にも自然に溶け込み、曲が進むほどに会場の空気が和んでいくのが分かった。何よりも驚いたのは、数回聴いただけのその新作からの曲が、ずっと以前から知っているメロディのように感じられたことで、改めて彼のメロディ・メイカーとしての非凡な才能に驚かされた。

 バッキングを務めるバンド・メンバーには、スーパーグラスと同郷のオックスフォードのバンド、ライドのローレンス・コルバート(Dr)、そのライドのフロントマンだったマーク・ガードナーのバンドにも参加している元ゴールドラッシュのギャロ・ナホラキアン(B)という腕利きのリズム隊が脇を固めているだけに安定感は抜群で、そこに適度にラフでドライヴ感を生み出すいかにも英国的なロック・ギタリスト、ニック・フォウラー等、緩急自在にギャズの歌世界をサポートするバンドのバランスも絶妙だった。

 アンコールまで含めて約1時間20分。2枚のソロ作から選曲された統一感のあるセットリストは、ブリティッシュ・ポップ伝統のエレガントなメランコリーを湛えた楽曲が中心だったせいか、これまでのライヴよりヴォーカリストとして確かな表現力を身に付けたギャズの今を知ることができた今回のビルボード公演。願はくばスーパーグラス時代の曲も聴きたかったが、それはまた次回のお楽しみに取っておこう。

Text:保科好宏
Photo:Masanori Naruse

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