蟻(蟲ふるう夜に)×rieco【異端児トーク&ライブ】圧倒的な光感じさせる音楽完成

2014年12月24日 / 18:40

 ロックシーンで命懸けの歌を届ける蟻(蟲ふるう夜に)と、ポップシーンでワールドスタンダードな歌を届けるrieco。本来交わらないはずの実力派シンガー2人が、12月19日 渋谷ソラハウスにて開催された【異端児トーク&ライブ vol.1】で異ジャンル競演を果たした。

<「楽しいね!」「今日は皆さんの心に光が灯るような歌を」>

 いずれも普段はバンドスタイルでの活動をメインとしている2組だが、この【異端児トーク&ライブ vol.1】では“丸裸”をコンセプトにしている為、アコースティックライブを敢行。

 まず先陣を切ったriecoは、マライア・キャリーを彷彿させる赤い衣装で客席後方より歌いながら登場し、包容力と迫力を兼ね揃えた歌で観客の度肝を抜く。その後も凄腕ギタリスト マサ小浜と「楽しいね~!」と心を躍らせながら、本気でグラミー賞を目指していることも納得できる、自由を絵に描いたようなライブを繰り広げた。一方、蟻(蟲ふるう夜に)は藤澤有沙(key)と共に初のアコースティックライブに挑戦したのだが、これまた序盤より魂を奮わせた凄い歌で観客を圧倒。ほとんどの楽曲で涙を浮かべながら歌う姿は、まさしく命懸け。全身全霊。「今日は皆さんの心に光が灯るような歌を」と語っていた通り、光を小手先じゃなく本気で掴む為のアクトで感動を呼んだ。

<蟻(蟲ふるう夜に)×riecoによる“丸裸”トーク>

 そんな緊張感溢れる全身全霊のアクトを経て、イベントは公開対談へ。【異端児トーク&ライブ】の主宰者でもある平賀哲雄がインタビュアーを務め、ビール片手に“丸裸”トークを展開した。

--2人はこのイベントへの出演が決まって初めて逢った訳ですが、最初はお互いにどんな印象を?

rieco:今年の6月に【異端児フェス】(http://bit.ly/1iSNbEn)で蟲ふるう夜にのライブを観させてもらったんですけど、蟻ちゃんが「みんな自分を愛していいんだよ!」って叫んでお客さんが「うぉぉぉ!」ってなってるのにすごく驚いて。でもこのイベントの顔合わせを兼ねて呑みに行ったら「こんばんはぁ~」みたいな感じでめっちゃユルくて(笑)。ただ、ステージに立つとやっぱり光になるのが凄いなぁって思いました。

蟻:私もriecoちゃんに逢ったときは誰とでも仲良くなれそうな、凄い明るい人だなと思って。でも音源を聴かせてもらったら歌が上手だし、伝わる歌だし……パッパラパーな人じゃなかったんだって驚いて!

一同:(笑)

rieco:パッパラパーな人って最初思ってたの(笑)?

--こうして【異端児トーク&ライブ】に出演してもらっている訳ですが、自身ではどんなところが異端児だなと感じたりしますか?

rieco:常に異端児な感じはしてますね。音楽塾ヴォイス出身アーティストを見てても、私だけ1990年代にヴォイス入って2010年代にメジャーデビューってめちゃくちゃ時間かかってますし(笑)、その間に何度「もう諦めたほうがいい」と言われたか。でもデビュー決まったら「デビューすると思ってた」って言われたり(笑)。涙なしでは語れない音楽人生を歩んでるなと。

蟻:私は自分の音楽をポップスだと思ってるんですよ。でも以前は世界を敵だと思っていて。こんなに苦しい世界なんだったらぶち壊してやる、みたいな感じで生きてました。でもだんだん人の優しさを感じられるように自分が変わってきたんですよね。自分が変わったら世界は変わるってことに気付いた。

--この後、そんな稀有な人生を歩んでる2人のコラボレーションを控えている訳ですが。

rieco:コラボレーションする曲を決める前に蟲ふるう夜にのライブを観に行ったんですけど、そのときに光や希望を感じたから、それぞれの光や希望の歌がいいなと思って。全然見せ方は違う2人なんだけど、同じものを求めていると思うからそれが歌いたいなって。

蟻:riecoちゃんは太陽みたいな人で、私はどちらかと言うと月みたいな人だと思って。1日の中にどっちもなきゃいけない存在でありたいなって。そういうコラボレーションになったらいいなと思ってます。

rieco:でも私、昔は蟻ちゃんみたいな感じだったんですよ。

蟻:それ、前にも言ってたね。

rieco:ねぇ、お母さん。似てたよね!?

--今日、お母さん来てるの(笑)?

rieco:似てたの。私の何年前かの雰囲気に。

蟻:じゃあ、私は何年後かにこんな感じになるの?

一同:(笑)

<深い共鳴、共振を生み、圧倒的に光を感じさせる音楽が完成>

 そして最後は蟻(蟲ふるう夜に)とriecoによるコラボレーションアクトを。rieco「KIBOH」と蟲ふるう夜に「ホウセキミライ」を2人で歌唱したのだが、ジャンルもスタイルも異なる者同士でありながら深い共鳴、共振を生み、圧倒的に光を感じさせる音楽が完成する。これに観客は満面の笑みで喝采を送り、記念すべき【異端児トーク&ライブ vol.1】は成功を収めた。なお、同イベントは、そして蟲ふるう夜には、riecoは、今後も真っ向から“凄い歌”“本気の歌”を発信していく予定。ぜひその動向に注目してほしい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:粂井健太


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