蟲ふるう夜に/SuG/BACK-ON/Maison book girl/ひよこ/GOMESS 歪な饗宴

2014年12月12日 / 12:26

 ロックシーンで命懸けの歌を届ける蟲ふるう夜にが、12月4日に結成7周年記念イベント【MUSHIFEST2014】を開催。SuG、BACK-ON、Maison book girl、西村ひよこちゃん、GOMESSと歪な饗宴を繰り広げた。

<Maison book girl ポエトリーリーディングにだるまさんがころんだ>

 shibuya duo MUSIC EXCHANGEにて開催された同イベントは、バンドにアイドルにDJにラッパーとジャンルの垣根を超えたラインナップとなっており、客席も本来交わらないはずのオーディエンス同士が並列。そんな異様な光景に相応しい、1階から2階席へと階段を使わずによじ登ったりと、何でもアリのDJパフォーマンスを西村ひよこちゃんが繰り広げると、満を持して本編がスタート。まずはサクライケンタの新プロジェクトで、元BiSのコショージメグミら擁するアイドルグループ Maison book girl(メゾンブックガール)が登場し、4人揃って本を片手にポエトリーリーディングを始めたり、井上陽水「夢の中へ」カバーに合わせて“だるまさんがころんだ”を興じたりと、想定外のアクションと常識離れしたバランス感覚で度肝を抜く。

<自閉症ラッパーの衝撃的な自分語り 苦悩と戦い続けてきたバンドの熱>

 DJステージから自閉症ラッパー GOMESSは、「僕は頭に障害を抱えていると小学5年生のときに突然宣告された。精神病院で箱庭を目の前に出されてそれで遊ばされた。俺には訳が分からなかった。それまで毎日あたりまえのようにクラスの中に溶け込んでいた。友達は少なくなかった。仲間はいっぱいいた。好きな娘だっていた。それがすべてすべてすべてすべてどっかに遠のいた……」と過去の自分を語り、衝撃的なラップを叩きつける。続いてメインステージに登場したBACK-ONはラウドなサウンドに乗せ、開放的なミクスチャーロックを展開。観客をこれでもかと煽り倒し、自身のファンでなくともその拳を振り上げさせ、体を揺らしてみせる。メジャーデビューから10周年、苦悩しながらも戦い続けてきたバンドらしいアクトで会場の熱量を上げてみせた。

<SuG「「楽しかった」って言葉、慎乃介さんに届けようぜ!」>

 また、ヘッドライナーとして招聘されたSuGは、歪なライブイベントを自らガシガシ開催している猛者であり、当然ながら冒頭から攻撃モード。オーディエンスの狂乱ぶりも群を抜いていたが、印象的だったのは武瑠(vo)のMCだ。「蟲(蟲ふるう夜に)さんとコショージ(元BiS)さんは【異端児フェス】(http://bit.ly/1iSNbEn)で戦って以来」と戦友であることを述べつつ、フィッシャー症候群罹患で同イベントを欠席せざるを得なくなってしまった慎乃介(蟲ふるう夜に/g)について「本人も凄い悔しい想いをしてると思うんですけど、アーティストでね、自分がステージに立てないときに“心配してくれ”とか“しんみりしてくれ”なんて思ってる人、絶対いない。だからね、ここで最高のライブして、ドキドキして、「楽しかった」って言葉、慎乃介さんに届けようぜ!」と、その言葉に一切の嘘偽りのないアクトを展開。

<蟲ふるう夜に あなたを救う為に歌い続ける意思表明>

 これを受けて蟲ふるう夜にが半端なライブをする訳がなく、サポートメンバーとして藤澤有沙(key)を迎え、新境地へ到達してみせる。まず「それでも鳴らす」なる新曲を披露したのだが、その内容は何があろうとも我々は音楽を鳴らし続ける、あなたを救う為に歌い続ける意思表明とも言え、会場の人々を釘付け状態に。その後も初めての編成ながら“慎ちゃんが絶対にやりたいって言った曲”「青の中の一つ」等のキラーチューンを全身全霊で畳み掛け、蟲ふるう夜にが蟲ふるう夜にで在り続ける為の戦いを見せつける。

 また、アンコールでは“2015年春 ミニアルバム発売決定 2015年6月4日 渋谷クラブクアトロ ワンマンLIVE決定”の発表を経て、蟻(vo)が「世界中が敵に見えていた」という過去と、間もなく成人式を迎える妹の話から「二十歳の朝」なる新曲を披露。暗闇の中で孤独に打ち震えていたとしても、必ず温かい世界に包まれる未来はやってくる。それを音楽人生で体現してきた蟲ふるう夜にだからこそ歌えるバラードで、歪な饗宴の最後に光を射した。

<この先の蟲ふるう夜に>

 こうして【MUSHIFEST2014】を終えた蟲ふるう夜にだが、12月19日には【異端児トーク&ライブ vol.1】で蟻がアコースティックライブに挑戦。さらには来春のミニアルバムとワンマンライブに向けての戦いの日々が待っている。バンド結成以来最大の危機を乗り越え、再び慎乃介と共に鳴らす音楽は一体どんな世界を生み出すのか。大いに期待したい。

取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:内山直也/粂井健太/Daisuke Suzuki(BACK-ON)

◎イベント【異端児トーク&ライブ vol.1】
12月19日(金)渋谷ソラハウス http://sorahouse.net/
OPEN 18:30 / START 19:00
出演:蟻(蟲ふるう夜に)、rieco
公開インタビュアー:平賀哲雄


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