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打首獄門同好会、KenKenも参加の10周年ツアーファイナルが大盛況

今年、バンド結成10周年を迎えた打首獄門同好会。ベストアルバム『10獄~TENGOKU~』発売など、様々な企画が打ち出されてきた10周年記念企画「10獄(てんごく)Project」をフィナーレを飾る赤坂BLITZでのワンマンライブが10月18日(土)に開催された。

バンド史上最大キャパである赤坂BLITZでのワンマンライブ。発表された当初は“無謀な挑戦”などと心配の声が上がっていたが、蓋を開ければなんのその、大盛況の満員御礼! 開演前にはスペシャルゲストとして打首大ファンのKenKen(RIZE)がDJ、芦沢ムネト(パップコーン)はフテネコのライブペインティングを行ない、華を添えた。

結成10年にして、3度目のワンマン。全国各地の獄一門が集まったであろう、素晴らしき日。打首獄門同好会にとって今日は祭典…というわけで、1曲目は由緒正しき日本の祭り、盆踊りを歌った「DON-GARA」を会場全員で大合唱。河本あす香(Dr)が先導する“どんどんどんがらがっしゃ”にいい大人たちが本気で歌い、本気で踊る。大澤敦史(会長/Vo&Gu)がシャウトで煽り、junko(Ba)は髪を振り乱しながら厚みのあるベースを響かせる。ラーメン二郎初心者へ贈る「私を二郎に連れてって」、24時間体制で小腹を満たしてくれるコンビニのホットスナック愛が炸裂した「ファミチキ」といった食欲を刺激する歌から、花粉症の恨みつらみが綴られた「失われし平和な春の日よ」など、身近なネタでキャッチーさを出しながらも、サウンドはへヴィに。相反する要素が化学反応を起こしながら、新たなエンターテインメントとして構築されていく…それが打首ならではの“生活密着型ラウドロック”スタイルである。

ここで女性陣は一時退場。KenKen、芦沢ムネトに酷似した“ケミカルウォッシュブラザーズ”なるオタクふたりが突如現れ、すったもんだのミニコントを繰り広げた末、会長とセッションすることに。芦沢似の彼がベース、KenKen似の彼はドラムと会長含めた会場中が“え!? そっち?”と予想外のパート担当で、「オタクのパワー」を披露。ソロパートも完璧にキメ、想像以上の完成度に気を良くした3人は「楽器は弾ける」「短くしよう」「ワードがないし」と続編を演奏し、会場を盛り上げた。

VJを駆使しながら、聴覚・視覚と訴えかける打首の真骨頂を見せつけた「上野ZOO」。動物と会長のシュールな画と哀愁漂うメロディが見事なマッチングを見せる。また、「水曜どうでしょう」のディレクターである藤村忠寿&嬉野雅道ペアがコメントで登場。大阪マラソン時の藤村の走行速度に合わせて作られたというエピソードの後、「ヒゲは走る」へ。さらに、ファンお待ちかねの食べ物シリーズからの新曲「日本の米は世界一」を演奏し、場内をいっそう高揚させた。おいしいサイリュウム(=うまい棒)のばらまき大会を合図に「デリシャスティック」に突入すると、ライブもいよいよ後半戦。「カモン諭吉」の“思えば願いがかなうかもしれない”との会長の言葉に続き、この日いちばんの盛り上がりを見せたコールアンドレスポンス。そして、紙テープならぬ、福沢諭吉のお札?!が舞い、赤坂BLITZが豪遊場に早変わり。気が付けば、趣向を凝らした演出の数々に息つく暇なく、本編終了。

“最初っから!”のオーディエンスの声に応えてのアンコール。打首メンバーらとともにスペシャルゲストのふたりも再びステージに登場した。ここでようやくKenKenがベースを持ち、芦沢はペイントで参加しての「フローネル」へ。演奏を中断して“幸せな瞬間”を考える、同曲恒例の語り部分がゲストを交えたためか長めのトークコーナーになってしまうのもご愛嬌。ダブルアンコールでは、10年前に作った彼らの原点とも呼べる「今日も貴方と南武線」に、最後は水どう愛に溢れた「How do you like the pie?」で締め括った。

 

VJを積極的に取り入れ、聴覚だけでなく、視覚をも刺激する彼らのライブ。お遍路を題材にした「88」に入る前のMCでは、ふと真面目なトーンで「10年続けてこれて、長いと思うけど、自分たちよりもっと(年数が)上のバンドもいる。自分たちはお遍路でいうところの高知県あたりじゃないですかね」と語っていた会長。この10年で自信を掴み、“お茶の間ロック”が注目を集め始めた今、ここからさらに打首獄門同好会の快進撃が続いていくに違いない。

【セットリスト】
01.DON-GARA

02.音楽依存症生活

03.私を二郎に連れてって

04.失われし平和な春の日よ

05.ファミチキ

06.まごパワー

07.上野ZOO

08.ヒゲは走る

09.日本の米は世界一 ※新曲

10.南国猫ラーメントコナツニャ

11.88

12.デリシャスティック

13.マイクロウェーブアタック

14.ヤキトリズム

15.カモン諭吉

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