豊洲 PITのオープニング・セレモニーで甲斐バンド、岸谷 香らが熱演

2014年10月18日 / 19:00

ライブエンタテインメント専用シアター、豊洲PIT(東京都江東区)のオープニング・セレモニー『THE RISING OF THE CURTAIN at 豊洲 PIT』が10月17日行われ、甲斐バンド、川井郁子、岸谷香、西田敏行&倍賞千恵子、溝口肇&紫舟らが5組のアーティストが出演した。

豊洲PITは、エンタテインメントを通じて、東日本大震災の復興支援活動を続ける「一般社団法人チームスマイル」が運営。収容客約3,100人(スタンディング)の、音楽や演劇やミュージカルなど、様々な用途に活用できるホール。同ホールの事業によって生み出される収益金は、東北地区の「PIT」の開設や運営、そして、エンタテインメントを通じた復興支援のための活動に、その全額が活用される。PITは「Power Into Tohoku!」の略称で、東京・豊洲を皮切りに2015年の春から秋にかけて福島県いわき市、宮城県仙台市、岩手県釜石市に開設を予定している。また、今後豊洲PITで開催される公演では、来場者が購入するドリンクチケット(500円)のうち、50円をドネーション(寄付)として預かり、復興支援活動に活用する。

豊洲PIT、オープニング・セレモニーのトップ・バッターは岸谷香。この日の為に編成された高嶋ちさ子(ヴァイオリン)、プリンセス プリンセスの渡辺敦子(ベース)、河合マイケル(パーカッション)のスペシャルユニットで登場。「色んなダイアモンドが、ここからたくさん生まれることを願って!」と1曲目に選んだのは「Diamonds」。時にはジャジーに、時にはカントリー&ウェスタン調にと、耳慣れたプリンセス プリンセスのナンバーがこのスペシャル・ユニットならではのアレンジで次々に披露されていく。岸谷香は「復興支援のもと、ジャンルが違うミュージシャンが、こうしてここに集まれる事が出来ました!」と、このメンバーでの演奏を心から楽しんでいるようで、「又、ここに戻って来られるよう頑張ります!」とコメントを残しステージを降りた。

続いてはヴァイオリン奏者の川井郁子。共に舞台に上がったのは福島出身の尺八奏者の小湊昭尚。川井は「(この会場が)エールの気持ちがひとつになれる場所になれればと思ってます!」と話し、仙台で育った荒川静香が使った「夕顔」や、仙台出身の羽生結弦がエキシビションで使った「ホワイト・レジェンド」など、東北ゆかりの楽曲を「和」のアレンジでじっくり、しっとりと演奏した。

3番目に登場したのはチェリストの溝口肇。お馴染みの「世界の車窓から」を演奏した後、ステージに表れたのは書家の紫舟。舞台上手には巨大な白いボードが設置され、前代未聞のチェリストと書家のコラボレーションが始まる。 溝口は「被災地を訪れ、周囲に何もない風景を見た時、鳥の声だけが聞こえました。その時に感じた思いの曲を今日演奏します」と、この日の為にに選曲したのはパブロ・カザルスの「鳥の歌」。さらに、このコラボレーションのために今朝出来上がったばかりという新曲を用意。溝口肇が弾くチェロにあわせ、紫舟が大きな筆を抱えながら絵を描いていく。広い会場は水を打ったように静かになり、両者のパフォーマンスをじっと見守る。 曲の演奏が終わったと同時に完成した書画には水墨画のような4羽の鶴が描かれ、明日への希望の象徴と真っ赤に燃える朝日が描かれ、その中には「全力」の文字が。この奇跡のコラボレーションに1200人にオーディエンスは万雷の拍手を送る。

そして舞台に上がったのはミュージシャンではなく、俳優の倍賞千恵子と西田敏行。この二人は映画では何度か共演しているが、同じステージに立つのは初めてとの事。二人の歌をピアノで支えるのは倍賞千恵子の夫でもある作曲家の小六禮次郎。小六は40年前に西田のアルバムの編曲を担当して以来の縁。1曲目は倍賞千恵子が歌うタンゴ調のナンバー「さよならはダンスの後に」。倍賞も出演した1965年公開の同名タイトル映画の主題歌だ。そして西田の「もしもピアノが弾けたなら」。小六から「素晴らしい声!」と褒められると西田は照れながらも「このホールは日比谷公会堂よりいい音がする!今日はいつもより上手く歌えた!」と歌の出来を納得する一幕も。ラストは唱歌の故郷 (ふるさと)。1番、2番を倍賞が歌った後に短い詩の朗読を挟んで、西田の歌う東日本大震災復興チャリティーソングの「花は咲く」に移り、再び故郷 (ふるさと)へ。倍賞と西田のデュエットに、オーディエンスも一緒に加わり感動の大合唱となった。倍賞も「一緒に歌ってくれてる会場の皆さんを見ていると、胸が熱くなりました!」と感無量のコメント。最後に西田が「もう一度日本中の人が福島に目を向けて、時間かけて応援して欲しい」が話し、倍賞は「自分たちが出来る事から少しづつ、長く応援し続けていきたいと思ってます」と被災地復興への想いを語った。

豊洲PIT、オープニング・セレモニーのトリを努めるのは甲斐バンド。彼らがステージに表れるや、集まった1200人は総立ちとなる。1曲目から大ヒット曲の「ビューティフル・エネルギー」が演奏され場内は騒然。続いての「安奈」では、この日出演したチェリストの溝口肇がゲストとして参加する。甲斐バンドのステージにゲストを迎えるのは稀な事。甲斐よしひろも「やっとぼくもオトナになって、こういうコラボが出来るようになりました!」と自虐コメントで笑いに巻き込む。この日の甲斐バンドはベース・レス、ドラム・レスのアンプラグド・スタイルながら、迫力ある圧巻のパフォーマンスでオーディエンスを、グイグイと引き込んでいく。ラストの「ヒーロー」ではメンバーと客席が完全に一体化していた。「今日ここに、自分たちも含めたミュージシャンが集まったという事、それ自体がメッセージ!そして、今日ここに皆さんが足を運んでくれた事、それがメッセージ!だと思います!」と熱いコメントを残し、ステージを降りた。

豊洲PIT、オープニング・セレモニーは会場のこけら落としにふさわしい素晴らしいイベントとなった。

【セットリスト】
■岸谷 香

1.Diamonds

2.GET CRAZY!

3.M

■川井郁子

1.ジュピター

2.夕顔 〜源氏物語より〜

3.荒城の月〜ホワイト・レジェンド

■紫舟&溝口肇

1.世界の車窓から

2.鳥の歌〜全力(仮タイトル・新曲)

■倍賞千恵子&西田敏行/ピアノ:小六禮次郎

1.さよならはダンスの後に

2.もしもピアノが弾けたなら

3.ふるさと&花は咲く

■.甲斐バンド

1.ビューティフル・エネルギー

2.安奈 with溝口肇

3.風の中の火のように

4.HERO(ヒーローになる時それは今)

総合MC:木佐彩子


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