黒夢、名古屋にて“最後のロング・ツアー”を開幕!

2014年7月26日 / 15:00

去る7月19日、黒夢の全国ツアーがZEPP NAGOYAにて開幕を迎えた。

「TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.1『夢は鞭』」と銘打たれたこのツアーは、これから各地を巡演しながら10月30日の東京・新木場STUDIO COAST公演まで続くもの。熱心なファンには説明するまでもないはずだが、人時の誕生日にスタートし、清春の誕生日に着地点に至るというわけだ。とはいえ12月にはこのツアーの“VOL.2”が『毒と華』というタイトルを掲げながら始まり、彼らのメジャー・デビュー記念日にあたる2015年2月9日まで継続されることになっている。

この名古屋公演当日は、東海地方での局地的な大雨のため新幹線の運行が遅れ、さらには機材トラブルにより開場時刻にも遅延が生じた。が、場内が暗転したのは開演予定時刻の18時をわずかに過ぎた頃のこと。どよめきまじりの歓声のなか、黒い衣装の人時と白をまとった清春が登場すると、まず炸裂したのは「FAKE STAR」。この夜を心待ちにしていたオーディエンスで埋め尽くされたフロアの熱気は、すぐさまピークへと達した。そしてその後、絶頂が幾度も更新されていくことになったのは言うまでもない。

往年の代表曲や、“黒夢のロング・ツアー”という言葉から誰もがまっさきに連想するはずの『CORKSCREW』(1998年)からの必殺曲、そして『HEADACHE AND DUB REEL INCH』、『黒と影』という復活後の2作品からの現在形の楽曲群に至るまでが絶妙のバランスで盛り込まれた演奏は、3度にわたるアンコールを含めてトータル27曲にも及び、ライヴ自体も3時間を超過。メンバーたちがステージを去ったのは、偶然にも午後9時6分のことだった。9月6日が“クロの日”ならば、まさにそれは“クロの刻”。そうした偶発的要素まで含めて、ある意味、完璧すぎるほどのツアー初演だった。

今回のツアーで清春と人時のサポートを務めているのは、sadsでの活動でもお馴染みのK-A-Z(g)と、黒夢のライヴには初参加となる、かどしゅんたろう(ds)。とはいえ、通称“かどしゅん”として知られる彼は、人時との演奏経験も豊富で、『黒と影』のレコーディングにも数曲で参加している。ステージから聴こえてくる音に何ら不足は感じられなかったし、この顔ぶれによるバンド・サウンドは、これからのライヴを経ながら際限なく進化を遂げていくことになるのだろう。公演中盤、清春は「初日だけどファイナルみたいな感じで」と煽り、観衆もそれに応えていたが、ステージ上に渦巻くものの熱さもまた、“いかにも初日”という次元のものではまったくなかった。

アンコール時には人時の誕生日を祝うバースデー・ケーキも登場。清春は「僕のことは見倣わなくていいけど、彼みたいな40代になってください」と客席に笑いを誘い、人時は「貴重な時間を1本1本噛み締めながら……」と、このツアーに際しての抱負を語っていた。さらに清春は「いろんな意味で一生忘れないようなツアーに」と語ると同時に、「黒夢がいろんなところに行くのはこれが最後になると思います」とも発言していた。

かねてから彼自身が認めていたことだが、今回のツアーは、いわゆる全国規模のロング・ツアーとしては、ほぼ間違いなく黒夢にとって最後のものになるのだという。ライヴ活動を停止するという意味ではなく、いわゆる本格的な“ツアー”と呼べるものをするのは最後にする、ということだ。だからこそ今回は、復活後の黒夢が足を伸ばしてこなかったような街をいくつも訪れ、しかも黒夢としての生誕の地というべき名古屋での公演が、長いツアー日程のなかでやや過剰なほど組まれていたりもする。ある意味、今回のツアーは名古屋を本拠地としながら組まれていると言っても過言ではないだろう。そうした点からも、このツアーに際しての彼らの並々ならぬ思いがうかがえる。同時に、敢えて「最後のロング・ツアー」と言い切ってしまうところに、過去、誰よりも“ツアーらしいツアー”を繰り広げてきた者たちとしてのプライドを感じずにいられない。

このツアーは8月1日、東京・赤坂BLITZでの公演を迎え、それから各地での“最後の夜”を重ねていくことになる。もちろん、それがどの街であれ、本当に最後の機会になるかどうかはわからない。が、どうあれ“その日、その場所で体験できるライヴ”は、常に最後なのである。黒夢の限りあるステージに、確実にこの機会に触れておくべきだろう。

TEXT:増田勇一

【セットリスト】
—SE ZERO—

01.FAKE STAR

02.13 new ache

03.ROCK’N’ROLL GOD STAIR

04.I HATE YOUR POPSTAR LIFE

05.CLARITY

06.FREE LOVE,FREE SEX,FREE SPEECH

07.A LULL IN THE RAIN

08.heavenly

09.Love Me Do

10.ピストル

11.ゲルニカ

12.MIND BREAKER

—人時 Bass Solo—

13.MASTURBATING SMILE

14.SPOON & CAFFEINE

15.BARTER

16.C.Y.HEAD

17.CANDY

18.ROCK’N’ROLL

19.後遺症-aftereffect-

20.Sick

<ENCORE1>

21.Happy Birthday

22.Miss MOONLIGHT

23.BEAMS

<ENCORE2>

24.ミザリー

25.アロン

26.少年

<ENCORE3>

27.Like @ Angel


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