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パスピエ、FaRaoにて"音楽ルーツ"チャンネル開設!

今回の『FaRao Music Discovery』でフィーチャーするのは、6月18日に2ndフルアルバム『幕の内ISM』をリリースしたパスピエ。昨年のアルバム『演出家出演』で注目度を高め、数々のフェスでも人気と動員をぐんぐん増してきたバンドだ。ダイナミックな緩急のエネルギーとオリエンタルなポップセンスに満ちた新作を経て、この夏、さらなる盛り上がりを作ってくれることは間違いないはず。というわけで、今のロックシーンにおいても独特の存在感を放つ彼らのルーツとつながりを探っていこう。

パスピエは、成田ハネダ(Key)、大胡田なつき(Vo)、三澤勝洸(Gu)、露崎義邦(Ba)、やおたくや(Dr)の5人組。結成は2009年で、“印象派とポップロックをかけ合わせたい”というコンセプトのもと成田が大胡田を誘い、そしてメンバーを集めていったという。バンド名の由来は、成田が好きなドビュッシーの曲名より。成田はもともと東京藝術大学でクラシックを学び、将来はピアニストになりたいと思っていたが、大学1年目の冬に『COUNTDOWN JAPAN』へ行ったことをきっかけにバンドに傾倒したという異色の経歴の持ち主だ。

というわけで、まずはクラシックと00年代以降の邦楽ロックというふたつがパスピエの影響元として大きな要素になっているのだが、彼らのルーツはそれだけじゃない。成田ハネダが自身のフェイバリットとしてたびたび挙げているのが80年代のニューウェイブやテクノポップだ。1stアルバム『演出家出演』時のインタビューで成田が自身のルーツとして挙げたアルバム5枚は、おしゃれTVの『おしゃれTV』、矢野顕子の『峠のわが家』、フジファブリックの『FAB FOX』、トーキング・ヘッズの『リメイン・イン・ライト』、ジャクリーヌ・タイエブの『ザ・フレンチ・マドモワゼル』という並び。

中でも成田にとって矢野顕子の存在は大きいという。リアルタイムで聴いてきたわけではないけれど、日本のポップスを掘り下げて聴いていくうちにYMOに出会い、そこから聴く音楽がぐっと広がったのだそうだ。別のインタビューでも近田春夫率いるビブラトーンズ、ジューシィ・フルーツなどの影響を語っている。

そして、同じインタビューで大胡田なつきが挙げていた5枚は、小川美潮の『4to3』、スティーリー・ダンの『彩(エイジャ)』、ナンバーガールの『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』、Quaの『Painting Monsters On Clouds』、AIRの『Pocket

Symphony』。こちらも邦楽ロックからAOR、エレクトロニカまでジャンルレスな並びだ。幅広い深い音楽への知識と愛情が、パスピエの独特のセンスの源になっているわけなのである。シングル「MATATABISTEP / あの青と青と青」のカップリングで電気グルーヴの名曲「Shangri-La」のカバーを披露していたのも、その一貫と言っていいだろう。

そして、ルーツだけでなく同時代のバンドシーン、音楽シーンとも多方面なつながりを持っているのが、パスピエの面白さだ。これまで自主企画イベント『印象』を開催し、多彩なアーティストとの共演を果たしている。2013年4月に初の自主企画として行なわれた『印象A』ではFRONTIER BACKYARDとThe SALOVERS(東京公演)、tricotとNOKIES!(大阪公演)と対バン。同じく7月に行なわれた『印象B』ではthe band apartとのツーマンライヴが実現し、さらに2014年4月に行なわれた『印象C』では、9mm Parabellum Bullet(東京公演)、クラムボン(大阪公演)、髭(名古屋公演)と、各会場でまったく個性の異なるバンドとの共演が実現した。

そして、これらの対バンは、本人たちにも大きな刺激となっているようだ。共演相手は、世代やジャンルは異なれど、どれも自分たちのユニークな音楽性とライヴバンドとしてのタフネスを持っているバンドたちだ。また、パスピエ自身もここ1〜2年で、ライヴのパフォーマンスが大きく成長してきた。エネルギッシュな曲調で興奮を呼び、さらに一本調子じゃない変化球の曲展開を巧みに繰り出して、オーディエンスのハートをがっちりと掴むバンドになってきた。この辺りの成長の要因は対バン相手からの影響も大きいと、成田ハネダは新作『幕の内ISM』のインタビューで語っていた。

今年に入ってからは、自分たちから誘うだけじゃなく、パスピエが対バン相手に誘われる動きも活発になってきている。6月にはUNISON SQUARE GARDENの自主企画『fun time ACCIDENT supported by SMA40th』に出演。7月にはレーベルメイトでもある神聖かまってちゃんのツアーに参戦し、9月と10月には新世代ラウドミュージックバンドFear,and Loathing in Las Vegasのツアーの東京公演、京都公演にゲストとして招かれている。

さらに、今年も数々の夏フェス出演を経て、11月から12月にかけては『幕の内ISM』の全国ワンマンツアーの開催も決定している。今年、パスピエ旋風はさらに強く吹き荒れることになることは間違いないだろう。

TEXT: 柴 那典

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