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ソニマニ&サマソニで来日直前!カサビアン 地元レスターでの新作発売記念公演レポート

 デビュー10周年を迎えた今年、ロックバンド最大級の名誉である【グラストンベリー】、日本でも【ソニックマニア】【サマーソニック】のヘッドライナーを務めることが決定しているカサビアンが最新アルバム『48:13』をひっさげ、6月21日に地元レスターのヴィクトリア・パークで、5万人ものオーディエンスを前に新作発売記念スペシャル・ライブを開催した。

 バンドがステージに上がる直前、最新作『48:13』のアートワークと同じブライト・ピンクに彩られたステージ上の巨大スクリーンでカウントダウンがスタート。残り10秒から、早くもその熱狂と期待値は頂点に達するかの勢いで5万人のオーディエンスが共にカウントダウン。タイマーが「0」に達すると同時に、徐々にステージ上が真っ白な巨大シーツで覆われ、いつものギター/キーボード/ホーンなどのサポート・メンバーに加え、バック・シンガーや、今回はストリングス部隊もしたがえ、遂にカサビアンの4人も登場。10人以上の特別編成でステージに上がった。

 全員がステージ上に揃うやいなや、4月にパリで行った新作初披露公演から新たなカサビアンのかたちとなりつつある、最新作『48:13』と同様の「(シバ)」から「バンブルビー」という流れでスタート。いきなり巨大なテンションで幕を開け、2ndアルバム『エンパイア』から「シュート・ザ・ランナー」、3rdアルバム『ルナティック・アサイラム』から「アンダードッグ」という新たなスタンダードを感じさせるオープニング。いきなりマックスの音圧でたたみかける。

 サージのTシャツには「Leicester(レスター)」を「Les-tah」とプリント、「レスター、今日の気分は?」「今日は本当にありがとう」、この巨大なライブにヘリコプターも巡回し続ける空を指差し「みんな空に向かって高く手を上げて」とトム。巨大スクリーンに次々と映し出される「bumblebeee」「coal」「20/20」などの様々な標語と、ムービングとレーザーによるライティングの洪水が目まぐるしく交錯し、バック・シンガーやストリングス、ホーンなども大きく絡んでいく。「ファスト・ヒューズ」で5万人が飛び、「デイズ・アー・フォーガットゥン」では5万人の大合唱の巻き起こり、続く「イージー」で5万人を狂乱の渦に叩きこみ、早くも前半のピークを迎えた。

 そして、この日初となるデビュー・アルバム『カサビアン』からの「プロセスト・ビーツ」ではハウス・オブ・ペインの「ジャンプ・アラウンド」をイントロに、エンディングにはグランドマスター・フラッシュのクラシック「ザ・メッセージ」というヒップホップ要素も織り交ぜ、壮大なストリングスで幕を開ける「スティーヴィー」ではホーン・セクションも絡み合い、さらにスケールが増していく。「I.D.」を挟み、「ザ・ドーバーマン」のオープニングとエンディングをはさむかたちでサージのソロ『テイク・エイム』から再びテンションを上げ、カサビアンの初期最大のアンセム「クラブ・フット」でオーディエンスは狂喜乱舞。この勢いのまま「リワイヤード」では再び5万人の巨大な大合唱が巻き起こる。

 続けて、再び新作『48:13』からの「トゥリート」での強力なビートから、一段とエッジィなエレクトロ・チューンへと進化させた「エンパイア」へ。「レスター、ユー・アー・ザ・エンパイア!」とトムが叫び、オーデエンスもそれに呼応した後、本編最後の「ファイア」へと、大アンセムを連発していく。「ファイア」では巨大なコール&レスポンスがバンドとオーディエンスとの間で延々繰り広げられ、「ここレスターで1997年に俺とサージ、クリスでバンドをスタートさせた。そして今俺たちはここにいる。そして来週グラストンベリーでプレイする。本当にありがとう」というトムのメッセージに、現在最高の“ラッズ・ネクストドア”として愛され続ける“俺たちのカサビアン”とファンとの絆に、ヴィクトリア・パークが歓喜・歓声と感動に包まれた。※ラッド=英国特有のやんちゃな男性の総称。サッカー場等でよく見られる。

 バンドが一旦ステージを去った後もオーディエンスの熱狂は収まらず、カサビアンのライブでの定番“ファイア”コールが延々と続く。そんな中、再び強烈なビートとレーザー光線が交錯し、「スイッチブレイド・スマイルズでアンコールが幕開け。続く「ヴラッド・ジ・インペイラー」でさらに拍車をかけ、再び会場は狂喜乱舞となった。

 全編最後を「ファイア」で締めることの多かった彼らだが、「ブラッド・ジ・インペイラー」後一旦演奏をストップさせ、「10年前、俺たちは小さくて汚いところで演奏していた。そして今、ここでこんなにも多くのみんなと一緒にいる。本当にありがとう」とトムがあらためて感謝の意を述べ、ファットボーイ・スリムの「プレイズ・ユー」から、デビュー・アルバム『カサビアン』収録の「L.S.F.」へとつなげていく。この日最大のコール&レスポンスでライブは締めくくられた。

 演奏が終わっても歓声が鳴りやまない中、アンコールで着用した「eez-eh」とプリントしたTシャツを脱いで会場に投込み、オーディエンスの中に飛び込んだサージ。これまでマイクを通じて話すことのなかったベーシストのクリスも「ありがとう、レスター。みんなのおかげでこんな素晴らしい年を迎えることができたよ」とメッセージを送った。

 「何年も前から地元で、ヴィクトリア・パークでプレイすることを計画してきたから、とても嬉しいよ。この街から、ロンドンから、イギリス中から、そして世界中から来てくれた人達に、今俺たちがここにいて、俺たちが生まれ育ったところを見せることができたからね」とサージ。

 新作を含めたこれまでの全5作から数々の代表曲とアンセムで構成された10年の集大成かつ最新のセットリスト、すべてに最強のアレンジを施し進化させた過去最大のパフォーマンスに、世界中から集まった5万人のファンが終始歌い、飛び、叫び、踊り続けた2時間。レスターの街が熱狂と感動の渦に包みこまれた歴史に残る特別な夜となった。彼らは今週29日(日)には【グラストンベリー】で初のヘッドライナーのステージに立ち、そして8月には【ソニックマニア】【サマーソニック】でついに日本にやってくる。

◎カサビアン レスター公演
2014年6月21日@ヴィクトリア・パーク Set list:
01.(shiba)
02.bumblebeee
03.Shoot The Runner
04.Underdog
05.Fast Fuse
06.Days Are Forgotten
07.eez-eh
08.Processed Beats
09.Stevie
10.I.D.
11.The Doberman~Take Aim
12.Club Foot
13.Re-Wired
14.treat
15.Empire
16.Fire
En-1.Switchblade Smiles
En-2.Vlad The Impaler
En-3.“Praise You”(Fatboy Slim cover)~L.S.F.(Last Souls Forever)

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