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新山詩織が1stライブツアーで魅せた“成長の証”とは?

デビュー1周年を迎えたシンガー・ソングライター新山詩織が初のワンマンライブツアーを行なった。

4月20日の大阪・梅田Shangri-La、そして4月26日の東京・渋谷wwwと2ケ所での開催となったが、両会場は彼女が昨年デビューイベントを行なった思い出深い場所。特に、渋谷WWWは彼女がグランプリを受賞し、デビューを掴んだオーディション会場でもあり、自身の始まりのステージに戻って来た形だ。 両公演のチケットは早々にソールドアウト。今春に高校を卒業し1stアルバム『しおり』を発表と新しいフィールドに立った今の彼女の姿が投影されたステージを見ようと、渋谷WWWのフロアは観客で埋め尽くされていた。 開演時刻を迎えた所でバンドメンバーが登場。そして新山がステージに現れると大歓声が起こった。白のパフスリーブの半袖に赤のスリムパンツという、シンプルながらも艶やかな色合いのスタイルで登場した彼女はアコースティック・ギターを持ってスタンバイ。「Don’t Cry」でライブはスタートした。凛とした声が響きステージが明るくなると、観客の手拍子も自然と大きくなる。そして淡々と歌い上げる中に心の叫びが詰まった「ひとりごと」で、彼女の世界に引き込まれていった。

「“新山詩織 1st ライブツアー しおりごと”へようこそ! 今日は思い切り最後まで楽しんでいきましょう!」と言った後に届けられた「ありったけの愛」では熱っぽいボーカルとバンドサウンドに湧き立つ観客の拳が次々とステージに向けられ、「イージュー★ライダー」で和やかな雰囲気に…。シングルのカップリングで披露されていたカバーナンバー達が会場の一体感を高めていく。そしてギターを置きマイクスタンドの前に立った新山からの「次の曲では皆さんも手拍子をしてもらいたいのですが、いいですか?」という問いかけから始まった「「大丈夫」だって」では、キュートで切ないストーリーを表情豊かに歌い上げ、盛り上がるフロアを見ながら、はにかみ笑いを浮かべる1コマもあった。その後も「17歳の夏」で爽やかな風を吹き込み、ライブ中盤に差し掛かった所でアコースティック・タイムに突入。この会場でデビューイベントを行なってから1年が経ち、その間に色々なことがあったと振り返りながら「音楽を通してたくさんの人に出会い、応援していただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と語り「これからの日々が私にとって本格的なスタートだと思っています」という決意を述べながら、彼女がストリートライブを行なっていた時に歌っていたキャロル・キングの「I Feel The Earth Move 」 と椎名林檎の「丸の内サディスティック」を披露。一人きりのステージに観客の視線が集まる中、アコースティック・ギターの音色と真直ぐな歌声が会場を包み込んでいく。続いてサポートギターを迎えアルバム収録曲の中でも一番シンプルで温かみのある「午後3時」が届けられ、このコーナーは彼女から放たれる音を味わうことができる時間となった。

思い出深い曲で落ち着いたところでステージは後半に突入する。ライブでのバンドバージョン初披露となる「だからさ」は、この曲を作った当時から彼女が思い描いていたスタイルということもあり、音を噛みしめながら歌う姿が印象的。そして彼女の音楽ルーツに影響を与えたThe Birthday「ピアノ」のカバーでは真っすぐ前を向き、内に秘めた熱を開放するように歌う姿は圧倒的な存在感を放っていた。ここで新山はエレキギターにチェンジ。「Looking to the sky」が始まると観客は待っていたとばかりに体全体でリズムを取りフロアが波打っていく。メンバー紹介を経てどんどん盛り上がる観客に向かって「皆さん、歌う準備はできていますか?」と問いかけて「Everybody say yeah」に突入。皆と一緒に歌うことを想定して作った曲だけに「(声が)足りないよー!」と強気な言葉を放つ煽りモード全開の様子は、ライブでしか見られない彼女の一面だ。そのパワーに負けじと大きな声で歌って応戦する観客。一体感が増したステージは「現在地」でスパークし、高揚したまま本編最後の「今 ここにいる」を迎えた。MCの中で“心の奥にある言葉を伝える手段は音楽しかない”と言っていた彼女。自分の存在について考え、そこで生まれた想いを歌っていくと決めた人間の姿が、この曲にもしっかり刻まれていた。

アンコールで届けられたのはデビュー曲「ゆれるユレル」。デビューイベントで披露した時のひたむきに歌う姿は、1年という時間を経て頼もしさが感じられるようになっていた。“自分の音楽を発信していきたい”という強い思いが詰まったこの日のライブ。現在進行形の新山詩織が、今後どんな楽曲を生み出していくのか楽しみだ。

TEXT:EMI MORI from music freak magazine編集部

【セットリスト】
01. Don’t Cry

02. たんぽぽ

03. ひとりごと

04. ありったけの愛

05. イージュー★ライダー

06. 「大丈夫」だって

07. 17歳の夏

08. I Feel The Earth Move

09. 丸の内サディスティック

10. 午後3時

11. だからさ

12. ピアノ

13. Looking to the sky

14. Everybody say yeah

15. 現在地

16. 今 ここにいる

-ENCORE-

EN.1 ゆれるユレル

アルバム『しおり』
発売中

【初回限定盤】(CD+DVD)

JBCZ-9006/¥3,200+税

【卒業コラボ盤】(CD+小説ブックレット)

※初回生産限定

JBCZ-9007/¥3,200+税

【通常盤】(CD)

JBCZ-9008/¥2,700+税

<収録曲>

01.Looking to the sky

02.ゆれるユレル

03.今 ここにいる

04.「大丈夫」だって

05.たんぽぽ

06.Everybody say yeah

07.午後3時

08.ひとりごと

09.17歳の夏

10.だからさ

11.Don’t Cry

<DVD収録内容>※初回限定盤のみ

01.ゆれるユレル

02.Don’t Cry

03.ひとりごと

04.今 ここにいる(ディレクターズカットver.)

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