ロンドンの新進気鋭レーベル・ローンチ・イベントで、アマチュア・ベストが初来日パフォーマンス

 

　ラフ・トレード、ドミノ・レコーズ、ワープとイギリスで創立され、世界的に知られるレーベルは数多くあるが、現在NMEなど欧米の音楽メディアから一際注目を集めているレーベルのひとつがこのダブル・デニム・レコーズだ。昨年初来日を果たしたズールー・ウィンターをはじめ、今夏リリースされたデビュー・アルバム『パフォーマンス』が英ガーディアン紙をはじめ大絶賛されているアウトフィットなど、新人発掘という枠を超え、2010年の創立から良質な作品を発表しつづけている。

 

　今回の日本初となるショーケースでは、同レーベルから海外リリースをしている日本人バンド、ジェシー・ルインズに加え、アウトフィットに並ぶ注目株、ジョー・フローリーによるアマチュア・ベストが出演。シンプルなセットアップの中、今年7月にリリースされたデビュー作『ノー・スリルズ』の楽曲を中心にプレイし、約45間のセットで、その魅力を余すことなく届けてくれた。

 

　音源を聴く限り、打ち込みメインなのかと思っていたら、トランペットなどの管楽器をはじめ、そのしなやかで張りのあるヴォーカルなどの“生音”も取り入れ、チリー・ゴンザレス参加のナンバー「Ready For The Good Life」など浮遊感とポップネス溢れる現在進行形のエレクトロ・サウンドで、初見の観客をグイグイと惹きこんでいった。ラストでは、所属アーティストはもちろん、J£ZUS MILLION (なんとフィーチャリング・アーティストは、Charli XCX！)、スター・スリンガーなどを収録した、リリースされたばかりのレーベル初となるコンピレーション『Double Denim Vol. 1』に収録されている「Create Your Love」を最速披露し、会場を大いに沸かせた。

　インターネットが普及したことにより音楽がより身近になっていくものの、やはり生でこのようなアーティストが観れる機会が日本で設けられるのはとても稀。この日集まった観客にとって貴重なライブになったこと間違いないが、今後もこのような機会が増えていくことに期待したい。