『Bowline 2014 curated by SiM & TOWER RECORDS』、新木場スタジオコースト にて開催

2014年4月20日 / 21:30

タワーレコードが手掛けるライブイベント「Bowline」の第2回目が、キュレーターアーティストにSiMを迎えて開催された。

“NO DESTRUCTiON, NO CREATiON(破壊なくして創造なし)”をテーマに選定された全8組が出演した本イベント。チケットはソールドアウト、当日は2400人のオーディエンスが新木場スタジオコーストに集結した。

14時の開演時間と同時に布袋寅泰の「スリル」をSEにステージに登場したのは、6月18日にメジャー第1弾となるミニアルバム『チェンジ ザ ワールド』をリリースするキュウソネコカミ。1曲目「ビビッた」を皮切りに、客席からのガヤに「うるせー」とつっこみまくるMCも含め、ステージはキュウソの独壇場。「ファントムバイブレーション」では“スマホはもはや俺の臓器”のコール&レスポンスを響かせ、「KMDT25」では“日本で一番平和な”盆踊りサークルを出現。ラスト曲「お願いシェンロン」では全員が客席に降り、中島みゆき「糸」をBGMにヤマサキを運びながら去っていくというシュールな退場に客席をざわつかせた。

ヤマサキ セイヤ(Vo&G)の説得力のあるヴォーカルと強烈なパフォーマンス、ヨコタ シンノスケ(Key/Vo)、オカザワ カズマ(G)、ソゴウ タイスケ(Dr)、カワクボ タクロウ(Ba)によるソリッドなロックサウンドとカラフルなディスコサウンドが、会場とオーディエンスを過剰な程に温めた。

続いては、7月8日の横浜アリーナでのワンマンライブ「BiS解散LIVE『BiSなりの武道館』」をもってグループを解散することが発表されているBiSが登場。ダークなへヴィ・ロック調のサウンドにのせ、歌を無視してヘッドバンギングを繰り返す「パプリカ」をはじめ、5月28日に発売されるラストシングル「FiNAL DANCE」など、ロック、パンクファンも唸らせるエッジの効いた楽曲を武器に、歌声がブレるのもお構いなくステージを端から端まで駆け回り、前方はもちろん後方にも視線を投げかけ、メンバーが次々と客席にダイブ。アグレッシブにオーディエンスを盛り上げていく。

全裸PVやコシノジュンコの加入などでその名を知っていた人も多いとは思うが、熱狂的なラブコールも飛び交い、アイドルライブ初体験の人たちも多いに盛り上がった自己紹介も含め、実際にこのエモーショナルで熱狂的なパフォーマンスを見て、かなり見方が変わったのではないだろうか。いや、変わったに違いない。

続いて登場したのは、難波章浩率いる3ピース・バンド、NAMBA69。イントロと同時に一糸乱れぬハンドクラップが沸き起こった「MY WAY」で幕を開けたステージは、熱いメッセージに魂を吹き込むパワフルなヴォーカルと、ソリッドな3ピース・サウンドで会場にその存在感を見せつけていく。客席にはいくつものモッシュサークルが生まれ、前へ前へと押し寄せるオーディエンスで熱を帯びていく。MCでは、先月末に誕生した第3子の話や、今回のBowline出演者ら新しい世代のアーティストとの繋がりについて語られたほか、軽い下ネタ(?)も飛び出すなど客席を沸かせていた。ラストの「未来へ~It’s your future~」までの全7曲、短い時間に畳み掛けるように披露されていく強靭なパンク・ロックの数々に踊るオーディエンスは、難波の誕生日でもある6月9日に発売されるデビューシングル「MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!」、そして6月から行われる全国ツアーへの期待をますます募らせたに違いない。

SEの「最後の国(introduction)」が流れ、怒号のような歓声が沸き起こる中、ステージに登場したACIDMAN。大木伸夫(Vo&G)の爪弾く鋭く切り込むようなストロークで始まった「±0」で一気に会場のボルテージはピークに。佐藤雅俊(B)、浦山一悟(Dr)との三位一体のアンサンブルと、大木のシャウトが轟き、それに呼応するようにフロア中が揺れる。思わず拍手も忘れて聞き入るほどに曲への想いが熱く語られたMCから、16日に発売されたばかりのシングル「EVERLIGHT」へ。ギターの音色と温かい歌声、ベースとドラムの力強いボトムが絡み合い、光の粒ように客席に降り注いでいく。そこからの「ある証明」、ラスト「飛光」への流れは圧巻の極み。壮大で壮絶な音群と歌声が、オーディエンスを大きく波打つように揺らした。

続いて、5月15日から全国ツアー「まだまだ!終わらないミラクルの予感ツアー2014」をスタートするサンボマスターが登場。のっけから凄まじいテンションでオーディエンスを煽っていく山口隆(Vo&G)に、客席が沸きあがる中、「世界をかえさせておくれよ」で幕開け。後ろのほうで様子を見ていたオーディエンスも、その盛り上がりに慌てて前方に向かって走ってくる。手を上げジャンプし熱狂するフロアに向かって、「Bowlineのお客さんはすごいって聞いてきたけど、こんなもんなんですか!」とまだまだ物足りない山口に、フロアの熱気もますます加速。3人のかき鳴らす、熱くて優しいロックンロールサウンドに、会場中が勇気と愛情をもらった、まさにミラクルをサンボマスターとオーディエンスがおこしたパフォーマンスだった。

サンボマスターが終わると同時に、DJブースでは、DJ TAKAKIのDJがスタート。スクリーンに映し出される超絶技巧DJプレイの数々に、体を揺らす人はもちろん、思わず見入ってしまう人も多かった。

贅沢なダンスタイムの後は、昨年末にSiMとの2マンライブを行った、レゲエ・ミクスチャー界の実力者、UKの4人組SKINDREDが登場。存在感たっぷりにメンバーがステージに現れると、フロアが大歓声で迎える。重低音を響かせるへヴィ・サウンドと攻撃的なラップで、会場をあっという間に自分たちのペースに巻き込むと、ステージを縦横無尽に歩き回り、ダイナミックなパフォーマンスでハンドクラップを要求し、フロアのテンションをこれでもかと上げていく。熱狂のパフォーマンスの幕開けを飾った「RAT RACE」から、フロア中が手を上げバウンスした「KILL THE POWER」、会場が一体となったラスト「WARNING」まで、言語は違えど、終始フロアとコミュニケーションを取り、作り上げたステージに、彼らが退場した後のフロアには笑顔があふれていた。

トリを飾るのは、タワーレコードと共に本公演のキュレーターを務めるSiM。すでに満員だと思っていた客席には、さらにあふれんばかりのオーディエンスがひしめき合い、その登場を待ちわびている。フロアのテンションをMAXまで一気に引き上げる破壊力抜群の1曲目「Get Up,Get Up」から、「WHO’S NEXT」「Blah Blah Blah」へと一気に畳み掛けるフルスロットルのパフォーマンスに、ステージ上のメンバーもオーディエンスも早々に汗だく。そして、MCでは、自分たちの音楽は今回のテーマとリンクするように、あらゆるジャンルを壊して、そして新しい音楽として生み出しているということを語ったMAH(Vo)。そしてファン垂涎のキラーチューン「Amy」へ。天性のフロントマン、MAHをはじめ、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の生み出す強力なビートとメロディにオーディエンスが抜群の瞬発力で応え、フロアが揺れる。本編ラスト「JACK.B」を終えてもなお、興奮冷めやらぬオーディエンスのアンコールに迎えられ、再びステージに現れたSiMが演奏したのは、「The Clash「London Calling」のカバー! まるでライブが始まったばかりかというように沸き立つフロア。そしてその流れのまま「KiLLiNG ME」へとなだれこみ、ラストは「f.a.i.t.h」で締め括った。トリ、そしてキュレーターにふさわしく、今回のテーマ“NO DESTRUCTiON, NO CREATiON(破壊なくして創造なし)”を体現したと言える最高のショウを見せてくれたSiMに、会場からは惜しみない拍手と歓声が送られた。

ジャンルを超えた全8組が集結し、それぞれが最高のライブパフォーマンスを披露した『TOWER RECORDS presents Bowline 2014 curated by SiM & TOWER RECORDS』は、こうして大盛況の内に幕を閉じた。前回同様、キュレーターアーティストと出演アーティストとの結びつきが確かに感じられるイベントとなった。

【セットリスト】

■キュウソネコカミ

ビビった

ウィーアーインディーズバンド!!

良いDJ

ファントムバイブレーション

DQNなりたい、40代で死にたい

KMDT25

お願いシェンロン

■BiS

パプリカ

IDOL

BiSimulation

My Ixxx

FiNAL DANCE

レリビ

■NAMBA69

MY WAY

WAKE UP!!!

FIGHT IT OUT

Intro

TRUE ROMANCE

ETERNAL GOLD

未来へ~It’s your future~

■ACIDMAN

±0

ストロマトライト

アルケミスト

EVERLIGHT

ある証明

飛光

■サンボマスター

世界をかえさせておくれよ

ミラクルをキミとおこしたいんです

光のロック

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ

できっこないを やらなくちゃ

■SKINDRED

RAT RACE

DOOM RIFF

(yardcore)

NINJA

KILL THE POWER

(interlude of some sort)

NOBODY

WARNING

■SiM

Get up,Get up

WHO’S NEXT

Blah Blah Blah

Amy

Same Sky

JACK.B

~ENCORE~

London Calling (The Clash cover)

KiLLiNG ME

f.a.i.t.h

Photo by Yoshika Horita


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