2PMジュノ 才気あふれるソロアクトで見所満載ステージを披露

2013年9月6日 / 20:55

 今年の夏にミニアルバム『キミの声』でソロデビューを果たした2PMのJUNHO(ジュノ)が、先月29日に東京国際フォーラム ホールAで全国ツアー最終公演を行い、ソロアーティストとして強烈な存在感を示した。

<才能と絶大を併せ持つジュノの初ツアー>

 日本武道館や横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナに国立代々木競技場第一体育館、そして今年の春に開催された東京ドーム2DAYS。日本でも最大規模の会場を超満員にしてしまえるだけの人気を誇る2PMである。そのメンバーの中でも、卓抜の才能と絶大な人気を併せ持つジュノのソロツアー最終公演となれば、東京国際フォーラム ホールAを埋めることは、それほど難しいことではないだろうと分かっていた。

 それでも、開演と同時に暗転した瞬間、会場が彼のメンバーカラーである黄色のペンライト一色に染まったその光景は、圧巻という他なかった。オープニング映像からスタートし、ステージからは七色のレーザーが照射される。大歓声に包まれて登場したJUNHOは、黒のタキシードに蝶ネクタイをあしらったフォーマルなファッションだ。やがて4人の屈強な男性ダンサーたちが脇を固めていく中、「I’M IN LOVE -Japanese ver.-」の軽快な4つ打ちに合わせて華麗に舞えば、「君がいれば」や「Give It To Me」など自身が作詞、作曲を担当した2PMの楽曲も惜しみなく歌唱していく。

 また、この日の公演は全国の映画館でライブビューイングも実施されたが、とめどなく会場をこだまし続けた強烈な歓声は、各地のスクリーンをも揺るがせただろう。彼がMCで「今日、みなさんの笑顔が一段とステキですね! ……ウソじゃないですよ?(笑)」といたずらっぽい笑顔を見せれば、広大な会場は鼓膜に痛みを感じるほどの黄色い悲鳴で埋め尽くされた。

<作詞作曲からステージ構成まで、ジュノのプロデュース力>

 胸元に真紅のポケットチーフを挿した白いジャケットに上着を替えたJUNHOが、ステージ後方の高台に設置されたスタンドマイクの前に立つ。そのまま、かつて2PMメンバーのウヨンに提供した「Be With You」の、愛情に溢れているのに切ないメロディを歌い上げる頃には、観衆はすっかり彼の世界観に惹き込まれているようで、恍惚の表情でステージに見入っている方がほとんどだ。

 今回はステージ構成なども手がけたというが、そのクオリティは初のソロアクトとは思えないほどの完成度だ。中盤には、2人の女性ダンサーとの官能的なダンスでムーディに彩った「目を閉じて」、ツアーファイナルということで特別に披露された「Heartbreaker」と、低音のうねったミドルバラードが続けて熱唱されるのだが、緩急の利いたこの展開は何とも心地いい。本当に隅々までJUNHOの魅力を堪能できるステージだ。

 この夏、JUNHOはオリコン初登場3位を記録したデビューミニアルバム『キミの声』でも全楽曲の作詞作曲から、ジャケット写真やミュージックビデオ、ダンスにいたるまでを自らプロデュースして話題を呼んだ。そんな「キミの声」のミュージックビデオが場内で上映されると、今度はステージに再登場した彼が同曲を生披露。「Just a feeling」のアウトロではドラムをパワフルに演奏する一幕もと、類まれなる才覚をフルに発揮して観衆を圧倒する。

<“おい、俺の女になれ” 女性ファン垂涎の企画>

 続いての“ジュノの声を聞かせて”と題したMCコーナーは、女性ファンにはタマラなかっただろう。募集していた言って欲しい言葉の中から“おい、俺の女になれ”という必殺ワードがセレクトされ、照れまくりながらJUNHOがクールに言い放つのだ。しかもライブビューイングで観賞している人のためにと、カメラ目線でもう一度“おい、俺の女になれ”。男からみても惚れ惚れしてしまうほどだ。

 ……と、ここまででも十分すぎるほどのボリュームだが、その才能はもっともっと貪欲だ。もう一つの企画“ジュノの声で聞かせて”では、リクエストを募っていたカヴァー曲の中から上位2曲を歌うのだが、ファンにせかされて5位だったB’z「イチブトゼンブ」の一節を披露してから、福山雅治「蛍」、安全地帯「ショコラ」と熱唱していくサービスっぷり。そして『キミの声』収録の「I love you」から2PMの「Forever」とたたみかけて場内大合唱という、一分の隙もないパーフェクトなステージを続けていくのだ。

 「本当に幸せなコンサートでした」、「皆さんとすごしたこの夏は、本当に最高の夏になりました」。ライブが終わりに近づいてくると、彼は集まった5000人の観衆に何度も感謝の言葉を述べながら、うるんだ瞳で何度も会場を見渡した。初めてのソロツアーで全国5か所12公演を巡る中には不安や寂しさはあっただろうし、こうして最終日まで無事に辿り着けたことへの達成感や安堵だってあるのかもしれない。

 清々しい笑顔のまま、ラインストーンがまぶされたゴージャスなブルゾンに着替えて披露した「This is love」では、2PMの東京ドーム公演でも見せたサイリウムを使ったド派手なパフォーマンスをダンサーたちと再現。終盤のラップパートでは客席へ下りて至近距離からファンを魅了し、爽やかなロックナンバー「SAY YES」で本編を締めくくった。

<ファンからジュノへのサプライズ>

 こうして全てのファンに興奮と感動を届けたJUNHOだが、アンコールではファンから彼へ、とっておきのサプライズプレゼントが用意されていた。まずは1曲目「Like a star」の時に真っ白な公式ペンライトの輝きで会場を埋め尽くして驚かせると、彼が次の曲に行こうとした瞬間、観衆は「I love you」を歌いながらひまわりの描かれたプラカードを一斉に掲げ始めたのだ。

 突然目の前に広がった美しい花束にJUNHOが言葉を失っていると、そのプラカードが同じタイミングで綺麗に裏返されていく。今度は客席に「I □(ハートマーク) JH」の人文字が浮かび上がるという、2段仕掛けのサプライズだ。これには彼も驚いたようで、「「I love you」まではガマンできたんだけど……」と涙。会場にいる全ての人々で作り上げた感動的な一時だ。

 その後、お返しとばかりにWアンコールにも応えた彼は、ステージを後にするのが相当名残惜しかったようだ。最後の最後まで万感の表情で会場を見渡しながら、まるで観客の一人一人に伝えていくかのように、たくさんの感謝の言葉を残していった。

 東京ドームを埋め尽くすほどの人気。アジアでも屈指の歌唱力やパフォーマンス力。今なお少年のような素顔をかいま見せるイノセントな佇まい。この日に披露された楽曲のほとんどを、自身が作詞作曲しているという点もそうだ。エンターテイナーとして、表現者として、クリエイターとして重要なスキルの幾つも兼ね揃えた稀有な存在。アーティストという言葉がこれほど似つかわしい男は、なかなかいない。

 記念すべき初のソロツアーを大団円で締めくくった彼は、今後、再び2PMの活動に戻っていくという。今回の公演中、ウヨンとジュンケイが観賞に来ていることが伝えられて会場が歓喜に沸いた一幕があったが、この日のJUNHOを見た彼らにも想う所はあるだろう。2PMの次なるステージにも期待しよう。

◎【JUNHO(From 2PM) 1st Solo Tour “キミの声”】
2013.08.29(thu) at 東京国際フォーラム ホールA
セットリスト:
1.I’M IN LOVE -Japanese ver.-
2.Move On
3.Give It To Me
4.GOOD BYE
5.Be With You
6.Love Song
7.目を閉じて
8.Heartbreaker
9.キミの声
10.Just a feeling
11.蛍(福山雅治カヴァー)
12.ショコラ(安全地帯カヴァー)
13.I love you
14.Forever
15.原点に
16.This is love
17.SAY YES

En1.Like a star
En2.キミの声(Remix)

En3.GOOD BYE(Remix)

写真:増田慶


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