今年、世界遺産にも認定された富士山の麓である山梨・山中湖交流プラザ きららにて【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2013】8月31日と9月1日の2日間にわたり開催された。
2日間あわせて計3万人が参加した今回、チケットは一般発売後に完売。開催前から台風直撃も心配されていたが、そんな不安は吹き飛ばすかのように空は晴れ渡り、最大規模のキャパとなるLAKESIDE STAGEの口火を切ったのは今年本イベント3度目の出演となるサンボマスターの3人。山中湖を蒸発させてしまうかのような気迫溢れる、熱いアクトでオーディエンスを熱狂させた。次に登場したthe telephonesも持ち味全快のディスコサウンドで大地を揺らしたかと思えば、SPECIAL OTHERSが激しくも切ない、センセーショナルなスペアザサウンドで空間を包み込む。
一方、ステージ越しに富士山を見通すことのできるMt.FUJI STAGEでは、YOUR SONG IS GOOD、レキシが、独自のステージ展開し、オーディエンスと共に幸福感あふれる温かな空間を作り上げていた。日が落ち、真っ暗な会場に光やレーザーを駆使し、バックを艶やかに彩ったサカナクションのステージは、｢ミュージック｣、｢夜の踊り子｣など、踊りまくれと言わんばかりに、ロックダンスナンバーを投下し続け、会場を魅惑の巨大ダンスホールへと変貌させた。終盤を迎え、夜の山の寒風が会場に襲いかかるLAKESIDE STAGEであったが、初日のトリを務めたTHE BAWDIESの、熱のこもった怒涛のロックンロールが会場を一つにまとめ上げた。
このイベントの魅力は出演スケジュールがほとんど重複しておらず、各ステージの距離が近い為、体力があえれば全てのパフォーマンスを楽しめること。オーディエンスも目当てのアーティスト以外の出演者により簡単に触れることができる。
前日を上回るほどの暑さの中のスタートとなった2日目のMt.FUJI STAGEでは、SiMがダイバーの嵐を導き、中心にはサークルモッシュで砂塵を巻き起す。LAKESIDE STAGEでもアルカラ、[Champage]がバンドの勢いを表すようにパワフルなステージングを展開すれば、ONE OK ROCKも気迫に満ちたパフォーマンスを見せる。続くマキシマム ザ モルモンのステージでは、ライブ中盤に上ちゃん（Bass）の機材トラブルにも見舞われたが、ダイスケはん（Vo）、ナヲ（Dr）の持ち前のアドリブ力でいとも簡単に乗りきってみせ、スタートの「握れっっ！！」から、ラストの「恋のスペルマ」まで圧倒的パフォーマンスでオーディエンス、トラブルさえもねじ伏せてみせた。
スチャダラパーや電気グルーヴ、ベテランバンドが大人の魅力むんむんの洗練されたグルーヴでアダルトに躍動すれば、Forest Stageに集結した、パスピエ、WHITE ASH、coldrainといった新進気鋭の若手バンドも奮起。
Mt.FUJI STAGEのラストを飾ったきゃりーぱみゅぱみゅは、お馴染みのきゃりーキッズたちとともに「なんだこれくしょん」で登場。この夏の日本だけでなく世界のフェスに出演した彼女も野外の夜パフォーマンスはこれが初ということで、ポップな会場照明にもこだわりを見せる。すっかり日が落ちた会場を煌びやかに飾りつけ、「インベーダーインベーダー」、「きゃりーANAN」、「ファッションモンスター」などヒットチューンを続々と繰り広げる。“オーディエンスと一緒に楽しむライブ”れを体現するかのような圧倒的一体感を生み出し、ポップアイコンとしての存在感を存分に魅せつけてくれた。
そして、LAKESIDE STAGEに大トリで登場したthe HIATUSのエモーデョナルな爆音にオーディエンスのボルテージは沸騰寸前。最新作からの「Waiting For The Sun」では、細美武士（Vo）がステージから飛び降り、客席の目の前で、1人1人の心に語りかけるように鼓舞し続け、オーディエンスもその語りかけに答えるように本編ラストの「紺碧の夜に」からアンコール、ラストの「Silver Birch」までを大合唱。山中湖という神秘的なロケーションの中、壮大なシンガロングが響き渡り2日間に及んだ音楽の祭典は幕を閉じた。
スペースシャワーTVでは今回の【SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2013】の模様が10月19日と20日にオンエアされる。合わせて前夜祭となる【Twilight Shower】の模様も18日に放送。
◎番組情報
『SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2013 Day1 / Day2』
2013年10月19日（土）21:00～24:00（Day1）
2013年10月20日（日）21:00～24:00（Day2）
『Twilight Shower』
2013年10月18日（金）24:00～25:30（Day1）