ダニエル・ラノワ大阪公演 郷愁を誘う歌声に大いに酔った夜

2013年7月31日 / 11:00

 7月27日にフジロックフェスティバルに出演したダニエル・ラノワのビルボードライブ大阪での公演。ステージはドラム、ギター、ベースの非常にシンプルな編成。幻想的なイメージのBGMが流れる中、メンバー登場。それぞれの位置につき、ラノワは、スチール・ギターの前に座り「hey」と軽くお客さんに声をかける。観客を今から始まる壮大な物語にいざなうかのようなギターのメロディに、打ち込みパーカッション、ドラム、ベースがまざりあいライブが始まった。

 そのメロディは、ある時は風のように、ある時は砂漠を煌々と照らす青白い月の光のように、私たちを包み、この物語がいつかは終わる事を知りながら、その先へと進んでいく。2曲目は「THE MAKER」、ラノワはエレキ・ギターに持ち替えスタンドの前に立ち、歌う。その声は土臭く、力強く優しい、ココロにしみる声だ。

 スピリチュアルな表現が先行しがちなラノワの音楽だが、初期の作品では、彼のルーツミュージックであるフォーク・ロックが前面に押し出されていて、聞く人の郷愁を誘う、帰ることのない故郷に思いを馳せ、音楽に郷愁を感じる。それは、彼がギターを演奏するときピックを使わず、指で弦をはじくというある種独特な演奏方法を用いていることも一つの要因かと、筆者は思うのだがいかがだろう。

 物語は進んでいく。再びスチール・ギターの前に座り、イマジネーションを駆り立てる楽曲を奏でる。骨太のロック・ミュージックを聴かせるのとは対照的な静かながら力強い音楽がそこにはあり、彼の音楽に対する懐の深さが垣間見られる。中盤で、ある意味最新のラノワを表現しているブラック・ダブの楽曲を披露。バンド表現という新たなアプローチを見事に昇華させた一曲に、自然と体がリズムを刻む。

 初期の楽曲が多かった今回のライブ、ブラック・ダブの楽曲もところどころに入れながら本編が終了。

 古き良きロック・フォークミュージックに、幻想的は音世界を構築するその清々しさに、ジャンルにとらわれない潔さに、今ここにダニエル・ラノワがいるという“奇跡”に、今夜は故郷に思いを寄せて、「So thank you! bon soir!」

◎ライブ情報
2013年7月29日(月)ビルボードライブ大阪
2013年7月31日(水)~8月1日(木)ビルボードライブ東京
More Info:http://www.billboard-live.com/


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