TM NETWORK“音楽への情熱”で伝説刻んだ2日間「逢えて嬉しい」

2013年7月24日 / 17:00

 2012年春、日本武道館にて待望のワンマンライブ(http://bit.ly/P1Nz2J)を開催し、完全復活ぶりを体感させてくれたTM NETWORK。あれから1年強、7月20日と21日 さいたまスーパーアリーナにて【TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-】を開催した。

<復活を果たした宇都宮隆の登場と共に「BEYOND THE TIME」>

 1950年頃のアメリカ。田舎町の夜を模したステージ上に本公演のプロローグ(TM NETWORKが宇宙の異星からやってきた潜伏者であり、タイムマシンを駆使し、29年にわたって母艦であるメインブレインへ地球の状況を報告してきたこと。新たな潜伏者3人が地球に送り込まれたこと等)が記されると、そのコンセプトに基づいた演劇が外国人キャストたちによって繰り広げられていく。

 そこへ「Children of the New Century」の劇的なサウンドと共に、トレイン型のタイムマシンから小室哲哉(key)が登場。新たな潜伏者3人と、決められた価値観やルールだけに従順な人間たちの諍いを見守りながら、TMの楽曲やTK Soloを響かせていく。そこに木根尚登(g)が現れ、最後の最後、手術/療養から復活を果たした宇都宮隆(vo)がステージのど真ん中に登場した瞬間、名曲「BEYOND THE TIME」のイントロが鳴り響き、満を持して3人揃ってのアクトがスタートする。

<エレクトロとミュージカルを融合させたサブカルチャー>

 さらに「Human System」「Here,There & Everywhere」と、夜空とよく合うナンバーを1曲1曲大切そうに歌い上げ、同公演の会場限定で初CDリリースされた「Green days」も緑に囲まれながら披露。今年3月 Billboard JAPAN.comのインタビュー(http://bit.ly/YOI6vG)にて“エレクトロとミュージカルを融合させたサブカルチャー”と、小室哲哉はTM NETWORKのことを称していたが、正にその通りのアート/エンターテインメントが高い純度で表現されていく。

<誰も予想できない形で、新しい『CAROL』のストーリーを>

 後半では、FANKS(TM NETWORKファンの総称)でなくとも愛聴者の多いコンセプトアルバム『CAROL』の世界を再現……というよりも破壊/再構築。もちろん演奏は小室哲哉だが、歌い手は外国人キャストの面々で、木根尚登は丘の上で新聞を読んだり、コーヒーを飲んだり、芝居に徹する。本来のボーカリストであるはずの宇都宮隆も丘で佇んでいるだけで、組曲のラスト、少女に手を引かれる形で「JUST ONE VICTORY」をようやく歌い出すという、誰も予想できない形で、新しい『CAROL』の物語を披露してみせた。

<“ライブでは再現不可能”と言われてきた「一途な恋」披露>

 場面は変わり、音楽家が集うバーにTMの3人が集合。彼らの音楽を支えてきた“4人目のメンバー”と言っても過言ではない葛城哲哉(g)のブルージィなギターと、木根のブルースハープによる楽しいバトルが繰り広げられ、それはやがてバンドセッションへと発展し、なんと今日まで“ライブでは再現不可能”と言われ続けてきた「一途な恋」まで披露してしまう。そのままメドレー形式でヒット曲が畳み掛けられ、宇都宮隆から「みんなに逢えて嬉しいです!」(初日は「ただいま!」)と再会の挨拶も。そこへもう通算何バージョン目になるのか測定不能の「Get Wild」新バージョンが炸裂。当然、大興奮の大合唱である。

<最後は「Love Train」、再びトレイン型のタイムマシンへ>

 その後、インスト曲「Dawn Valley」をバックに、目前では先の潜伏者たちを中心とした悲しい銃撃戦が繰り広げられ、物語は終焉へ。昨年の武道館でも大感動を生んだTMの新機軸的ナンバー「I am」(初日は「Resistance」)が歌われると、同公演で創られた世界が現実世界と重なり合い、その場にいる人々をひたすら鼓舞させていく。そして最後は「Love Train」でこの日最大のスパークを生み、青く揺れる惑星に生きる人々を見守りながら、再びトレイン型のタイムマシンへ。“to be continued”という言葉と共に【FINAL MISSION -START investigation-】を閉幕した。

<「宇都宮君の音楽への情熱が、自分の音を変えました」>

 なお、この2days公演を終え、木根尚登はツイッターにて「お疲れ様です! ウツは頑張った! てっちゃんも素晴らしく! サポートも最高で、キャストもかっこよくて、何より不眠不休で働き続けたスタッフに心から感謝!」と綴り、小室哲哉も「アクシデントだらけの日々ですが、二日間は、間違いなく宇都宮君の音楽への情熱が、自分の音を変えました。また明日からは次の音色が頭を駆け巡るのでしょう。有難うございました」と、生涯の仲間を絶賛している。

取材&テキスト:平賀哲雄(FANKS)

◎ライブ【TM NETWORK FINAL MISSION -START investigation-】
07月20日(土)21日(日)さいたまスーパーアリーナ SET LIST:
00.Opening
01.Children of the New Century
02.IGNITION,SEQUENCE,START
TK Solo
03.BEYOND THE TIME
04.Human System
05.Here,There & Everywhere
06.Green days
07.CAROL
08.JUST ONE VICTORY
BGM.You can Dance
BGM.BAND SESSION
09.メドレー(一途な恋~DIVE INTO YOUR BODY~TK solo~COME ON EVERYBODY~Let’s Dance~TK solo~Be Together)
10.Get Wild
11.Dawn Valley
12.Resistance(20日のみ)
12.I am(21日のみ)
13.Love Train
BGM.Fool On The Planet


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