ジャズの名門レーベル ブルーノートからワールド・リリースを遂げたアルバム『No Beginning No End』。あれからはや1年。ようやく1年ぶりにツアー・ファイナルとしてここ日本にホセ・ジェイムズが帰ってきた。そしてこの日は、バンド・メンバーであるトランペッター、黒田卓也の新作『Rising Sun』のリリース日とあって、地元関西でのライブには黒田のファンも多く詰めかけて超満員に。更にオープニングの沖野好洋(KYOTO JAZZ MASSIVE)のDJで、会場全体がリズム感ある生き生きとした表情を見せていた。
ホセがステージに登場し、ヒューマン・ビートボックスでバンド紹介を始め、1曲目の「It’s All Over Your Body」の中盤から、「Feel Like Makin’ Love」のクールなカヴァーへ展開し、フックをまるでDJのように人力ループで披露！クラブシーンと生演奏の垣根を越えたアプローチで一気に会場を湧かせた。そうかと思えばその後は、各ソロを聴かすジャズらしい展開へ。黒田の艶のあるハイトーンとフレッシュなメロディ感覚、クリス・バウワースが魅せるアコースティックピアノのまろやかで古風な味わい深さにもどんどん引き込まれていく。さらに今年のスペシャル・セットであるストリングスを交えての後半は、ホセがこのアルバムで意識したという曲へのこだわりを深く感じさせるアレンジで圧巻！ホセの持つポエトリーがサウンドの中で浄化され、また蘇って訴えかけてくるようなピュアな魅力が溢れていた。
そういえば、去年ホセがインタビューのなかで「新しいギターを買って、練習をして曲作りもしているよ。ギターはより声を引き立ててくれるからね」と言っていた。そんな彼のギターによって磨きのかかった楽曲の数々、JAZZANOVA やDJ MITSU THE BEATSとのクラシックスから、さらには未発表の新曲もきっと聴けるはず！ビルボードライブ東京での公演は、2月14日、15日の2日間。こんな贅沢なツアー・ファイナルを見逃すわけにはいかない。
TEXT:大塚広子
PHOTO:宇山ケンジュ
◎公演情報 【ホセ・ジェイムズ No Beginning No End TOUR FINAL with the Special Strings Section】
2014年2月11日(火)、12日(水)ビルボードライブ大阪
2014年2月14日(金)、15日(土)ビルボードライブ東京
http://www.billboard-live.com/
◎オフィシャルサイト 【ホセ・ジェイムズ】
http://josejamesmusic.com/