“アイドル”BiS 被災地で「いたいいたいの飛んでこい」

2012年9月26日 / 17:15

 今夏もサマソニなど様々なフェスで大暴れ。ロックバンド顔負けのアプローチでアイドルの常識を覆しているBiS。9月22日から23日にかけて東北を横断し、涙と笑いに溢れる人間くさいアクトをファンと繰り広げた。

<青森フェス 内田裕也やかまってちゃんに対して>

 ニコ生視聴者に「ブサイクとか言ってんじゃねーよ!」と叫んだり(http://bit.ly/MiCrdL)、パンツ(アンダースコート?)を脱いで客席に投げ入れたり(http://bit.ly/MKny3Z)、サマソニのステージでイントレ(鉄製パイプによる組み立て式足場)によじ登ったり(http://bit.ly/PaDOvT)、アイドルらしからぬ事件を連発している彼女たちが、9月22日 青森のロックフェス【夏の魔物-AOMORI ROCK FESTIVAL ’12】に出演。大自然の中で遊び、名産のホタテを食べ、現地の魅力を存分に味わいつつ、昼夜2回にわたってライブを行った。

 内田裕也が今は亡き弟分 安岡力也の「ホタテのロックンロール」を披露したり、そのステージに神聖かまってちゃんのの子(vo)が乱入したり、キノコホテルのマリアンヌ東雲(唄・電気オルガン)がお尻丸出しのまま客席で揉みくちゃになったり、KING BROTHERSが会場全体を使ったロックンロールサーカスを繰り広げたりする中、この日のBiSは奇抜なパフォーマンスを封印。いつにも増して激しくエモーショナルに歌い踊る、それだけで研究員(BiSファンの総称)のみならず、アップアップガールズ(仮)など共演者目当ての観客も大暴れせずにはいられないムードを生む。

<被災地・女川 バカ騒ぎから生まれた笑顔と癒し>

 同フェス終演後に宮城県女川町へ移動したBiSは、翌日開催のお祭り【おながわ秋刀魚収穫祭】に堀内孝雄、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)&リクオらと出演。倒壊したまま放置された建築物、瓦礫の山、誰も住んでない一軒家……東日本大震災の傷跡を目の当たりにしながらも、雨が降りしきるステージに登場した5人は、ジョン・レノン「パワー・トゥ・ザ・ピープル」をアカペラで歌い出す。そこから「Give me your love 全部」「My Ixxx」など激しいアッパーチューンを畳み掛けると、研究員はブルーシートの上で泥まみれになりながら大暴れ。地元の人々は大笑いしていた。

 その後のMCでプー・ルイ(リーダー)は、ラジオ局宛に届いた一通の手紙がきっかけで同イベントに出演することになった旨を説明。そしてゆっふぃー(優等生担当)は手紙を音読する。津波で亡くなってしまった友達へ「いたいいたいの飛んでこい」と聴かせてあげたい。その想いを受け、彼女たちは同フレーズが入った自身の曲「太陽のじゅもん」を涙ぐみながらも丁寧に歌い届けた。この後、再びライブはお祭りモードに突入するのだが、懸命な5人のパフォーマンスに観客は全力で会場を駆け回ったり、ステージに向かってヘッドスライディングしたり、誰もがびしょ濡れになって狂喜乱舞。

 尋常じゃないムードは次第に女川町の人々を巻き込み、少年からおじさんまで一緒になってはしゃぎ始める。そして、終盤の「primal.」で研究員が一斉に振り返り、“女川愛”と記された手ぬぐいを地元の人々へ向かって掲げると、会場は優しい空気に包まれた。なお、終演後には無料の握手会を実施。BiSの面々は「来てくれてありがとう!」等の言葉を受けながら、1人1人と嬉しそうにコミュニケーションを交わしており、プー・ルイはそこで芽生えた想いをブログ(http://amba.to/RXq33L)に熱く綴っている。

◎ラジオ局宛(女川さいがいFM)に届いた手紙
※ゆっふぃー音読の書き起こし

番組でかかっていた曲を教えてほしいです。
夕方聴いていたら聞こえてきました。7時前ぐらいでした。
女の子が「じゅもんじゅもん いたいいたいの飛んでこい
きみの痛みがしりたい」っていう歌詞です。
超可愛い曲でした。

でもおじさんの車の中で聴いてて
すごく泣いてしまいました。
友達が泣き虫な私に「いたいいたいの こっち来ーい」って
よく言ってくれてました。

その子は津波で亡くなって
私だけ高校生になってしまいました。

友達はすごく苦しかったと思う。
だから今度は私が言う番です。
この素敵な曲を聴かせてあげたいです。

「いたいいたいの飛んでこい」

曲名を教えてもらったら嬉しいです。
よろしくお願いします。


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