ブライアン・イーノのレーベル再始動&2000年代作品再発、フジロック出演時の映像公開

2026年9月9日 / 15:30

 ブライアン・イーノが、1988年に自身の芸術的世界観を追求する場として設立したレーベル<Opal Records>を、30年以上の時を経て再始動させることを発表した。

 レーベルの再始動を記念して、2000年代にイーノが発表した2作品、『Another Day on Earth』(2005年)と、J・ペーター・シュヴァルムとの共作『Drawn From Life』(2001年)の再発が決定。2作同時で、2026年10月16日に発売される。あわせて『Another Day on Earth』から「Caught Between」と、『Drawn From Life』より「Persis」が、これまで未公開のライブ・パフォーマンス映像とともに解禁された。今後はレーベルの歴史を振り返る作品のリリースに加え、新作もリリースされる予定だ。

 「Persis」のライブ映像は、2001年7月29日にフジロックのホワイト・ステージで披露されたパフォーマンス。「Caught Between」は、同年6月16日にポルトガルのポルトにある歴史的な劇場・コンサートホール、コリセオ・ド・ポルトで演奏され、ツアーの初日公演としてライブで初披露された。

 <Opal Records>は、従来のレーベルとは一線を画す存在だった。1988年から1991年までの短い活動期間に、ブライアン・イーノをはじめ、ロジャー・イーノ、ハロルド・バッド、ララージ、ジャヴァン・ガスパリヤン、ヒューゴ・ラーゴ、ズヴーキ・ムー、ダニエル・ラノワ、ジョン・ハッセル、ジョン・ケイルらの作品をリリース。アンビエントやジェネラティブ・ミュージック、そしてジャンルの境界を越える音楽が後に発展していく流れを形づくったアーティストたちが<Opal Records>から作品を発表した。1991年、イーノは自身の制作活動に専念するためレーベルを休止。<Opal Records>のカタログは<All Saints Records>へと引き継がれた。

 1988年、ブライアン・イーノは<Opal Records>について、「<Opal Records>のアーティストたちに共通するものは何か、と聞かれると、簡単な答えを見つけるのは難しい。あえて言うなら、彼らは互いに似ているのではなく、それぞれが独自であり、現代音楽のさまざまなメインストリームからも距離を置いている存在だ。つまり、アウトサイダーのためのレーベルなのだ。そう言うと、彼らは永遠に日の目を見ない存在だと思われるかもしれない。しかし、ポピュラー音楽は常に、ビートルズのような中心からも、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのような周縁からも、その力と豊かさを得てきた。そして時には状況が一変し、かつて周縁にあったものが、いつの間にか中心に非常に近い場所へと移っていることもある」と語っている。

 2026年現在、<Opal Records>でイーノが先駆けとなったアンビエントやジェネラティブ・ミュージックは、音楽文化の中心的な位置を占めている。ムードや集中をテーマにしたプレイリスト、アンビエントを取り入れたライフスタイルやスリープカルチャー、さらには生成音楽やAI音楽をめぐる議論にまで、その影響は及んでいる。イーノ自身は、こうした領域に1970年代半ばから取り組んでいた。

 <Opal Records>は1991年以降、新たなアーティストと契約することはなかったが、レーベルそのものが消滅したわけではない。レコード・ストア・デイ限定作品やアプリ、さまざまな実験的プロジェクトを断続的に発表してきた。今回リイシューされる2作品はいずれも当初から<Opal Records>の作品であり、オリジナル発売時には他レーベルにライセンスされていた。『Another Day on Earth』は2005年に<Hannibal Records>からイギリスおよびヨーロッパで発売され、『Drawn From Life』は2001年に<Virgin Records>からリリースされた。その後、両作品の権利は<Opal Records>へ戻り、それ以来流通されていなかった。

 『Drawn From Life』は、ハロルド・バッドやダニエル・ラノワ、ジョン・ハッセルらの作品に象徴される、<Opal Records>初期のコラボレーションを重視した創作姿勢を受け継ぐ作品。一方、『Another Day on Earth』は、10年以上にわたるアンビエント作品やプロデュース活動を経て、イーノが再び歌の世界へ戻ったアルバム。2作は<Opal Records>が掲げてきた幅広い音楽性を示している。

 2005年の『Another Day on Earth』は、当時、『Nerve Net』(1992年)以来となるブライアン・イーノの本格的なソング・アルバムであり、現在も彼の代表的なソロ作品の一つとして評価されている。若きジョン・ホプキンスをはじめ、長年のコラボレーターであるネル・キャッチポール、J・ペーター・シュヴァルム、レオ・アブラハムズらが参加。歌詞は、オランダの小説家ミッシェル・フェイバーと、アメリカの発明家ダニー・ヒリスとの共作である。「And Then So Clear」「Caught Between」「Bottomliners」「Bonebomb」などの楽曲は、イーノが滅多に行っていないライブでも演奏されており、2021年のロジャー・イーノとのアテネのユネスコ世界遺産アクロポリス公演、2010年のブライトンフェスティバルでのアイスブレーカーとの共演、2023年のイーノ史上初のソロ・ライブ・コンサート・シリーズ『Ships』でも披露された。

 2001年にリリースされた『Drawn From Life』は、ブライアン・イーノとJ・ペーター・シュヴァルムによるアンビエント・インストゥルメンタル・プロジェクトだ。2人はイーノの長年の友人ロルフ・エンゲルを通じて知り合い、1998年にホルガー・シューカイと一緒にドイツのボンで即興ライブを披露した。また、2000年にイーノとシュヴァルムは、夢枕獏の小説を原作とした岡野玲子の漫画作品『陰陽師』を音楽的に解釈したアルバム『Music for Onmyoji』を日本のみでリリースした。『Drawn From Life』にはホルガー・シューカイ、ローリー・アンダーソン、ネル・キャッチポール、レオ・アブラハムズらが参加し、2001年にポルト、ランサローテ、そしてフジロックでのヘッドライナー出演を含むツアーも行われた。本作以来、イーノとシュヴァルムは、ジョン・タトゥーロとデボラ・カーラ・アンガーが出演したニコラス・ウィンディング・レフン監督(『ドライヴ』『ブロンソン』)の初期作品『Fear X』(2003年)のサウンドトラックも作曲した。

 <Opal Records>の再始動を記念して再発される『Another Day on Earth』(2005年)と『Drawn From Life』(2001年)は、CD、LP、デジタル配信で世界同時リリースされる。国内盤CDには解説書が封入されるほか、LPは通常盤に加え、日本限定カラー・ヴァイナルも発売。さらに、日本語帯と解説書が付属する日本限定カラー・ヴァイナルも用意される。なお、『Another Day on Earth』の国内盤CDと日本語帯付き日本限定カラー・ヴァイナルには、歌詞対訳も封入される。

◎リリース情報
アルバム『Another Day on Earth』
アルバム『Drawn From Life』
2026/10/16 RELEASE
https://linktr.ee/brianeno_lifeonearth

Photo: Guido Harari


音楽ニュースMUSIC NEWS

モナキ、デビュー曲の広島弁ver.「ほんまじゃけぇ☆なんでなん☆しらんけどのぉ」MV公開

J-POP2026年10月24日

 モナキが、デビュー曲を広島弁にアレンジした「ほんまじゃけぇ☆なんでなん☆しらんけどのぉ」ミュージックビデオを公開した。  広島城と旧城下町エリアの魅力を発信・盛り上げるためのRCCキャンペーン【はじまりは 広島城】のキャンペーン大使に就任 … 続きを読む

INIから尾崎匠海/後藤威尊をゲストに迎えたFM802公開収録イベントレポ到着

J-POP2026年10月24日

 10月16日あべのキューズモールにて、INIから大阪出身のメンバー、尾崎匠海、後藤威尊をゲストに迎えた FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -MORNING EDITION-』番組公開収録が開催され、イベントレポー … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】JxJ『DREAMSCAPE』DLアルバム首位走行中 aiko/CNBLUEが追う

J-POP2026年10月23日

 GfK/NIQ Japanによるダウンロード・アルバム売上レポートから、2026年10月19日~10月21日の集計が明らかとなり、JxJ『DREAMSCAPE』が410ダウンロード(DL)でトップを走っている。  同作は、SEVENTEE … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】なにわ男子「Moonlit」DLソング首位を走行中 MAZZELが2位で追う

J-POP2026年10月23日

 GfK/NIQ Japanによるダウンロード・ソング売上レポートから2026年10月19日~10月21日の集計が明らかとなり、なにわ男子「Moonlit」が 6,940ダウンロード(DL)を売り上げて現在1位を走っている。  本楽曲は、な … 続きを読む

【先ヨミ・デジタル】Ayumu Imazu「結び」ストリーミング・ソング首位継続中 ゲンジブ&A2O LITEがトップ10圏内に

J-POP2026年10月23日

 GfK/NIQ Japanによるストリーミング再生回数レポートから2026年10月19日~10月21日の集計が明らかとなり、Ayumu Imazu「結び」が3,609,831回で現在首位を走っている。  10月21日公開チャートで、前週と … 続きを読む

page top