【第69回グラミー賞】BTS、2027年授賞式に『ARIRANG』収録曲をエントリーせず

2026年7月30日 / 08:45

 BTSが、カムバック・アルバム『ARIRANG』収録曲を2027年の【第69回グラミー賞】にエントリーしないことを発表した。

 このK-POPスーパーグループの7人全員、RM、Jin、SUGA、j-hope、Jimin、V、Jung Kookは、現地時間2026年7月29日、それぞれのインスタグラムに同一の声明を同時に投稿した。そのメッセージの訳文は、「私たちは今年、【グラミー賞】へのエントリーを見送ることにしました。音楽が地域や言語によって区別されるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願っています。いつも支えてくださるARMYの皆さん、そしてすべての方々に感謝申し上げます」となっている。

 彼らのメッセージは、6月に新設された【グラミー賞】の5つの新カテゴリーのひとつであるレコーディング・アカデミーの新設カテゴリー<最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス>のガイドラインを暗に批判するものだ。メンバーたちが“地域”と”言語”の両方をあえて挙げた点が示唆的であり、同カテゴリーは楽曲にアジアの言語の“意味のある使用”が含まれることを条件としているからだ。

 皮肉なことに、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で初登場1位を記録したBTSの英語詞による大ヒット曲「SWIM」は、いずれにせよこの新設アジアン・ポップ・カテゴリーの対象外となる楽曲だった。

 このボイコットは、BTSにとって節目となるカムバックの年に起きた。メンバー全員が兵役義務を終えた後、2026年3月に5作目となるスタジオ・アルバム『ARIRANG』をリリースした。同作は米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”に641,000ユニットで初登場1位を記録し、グループのアルバムとしてこの10年余りで最大の初週売上を打ち立てた。

 BTSはこれまでに5度【グラミー賞】にノミネートされており、その中には注目度の高い<最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス>部門での3年連続ノミネートも含まれる。対象曲は「Dynamite」(2021年)、「Butter」(2022年)、そしてコールドプレイとのコラボ曲「My Universe」(2023年)だ。2023年には他にもコールドプレイの『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』への客演アーティストとしての<最優秀アルバム>と、「Yet to Come」での<最優秀ミュージック・ビデオ>部門の2部門でノミネートされた。

 BTSが自らの楽曲をエントリーしないという決定は、【グラミー賞】の権威にとって打撃となるが、最大の影響は授賞式の生中継が強力な集客力を失うことになるかもしれないという点だろう。同グループはこれまで【グラミー賞】授賞式の生中継で2度パフォーマンスを行っており、2021年には韓国ソウルの高層ビルからのリモート・パフォーマンスを、2022年には米ラスベガスでスパイをテーマにした「Butter」のライブ・パフォーマンスを披露している。

 これまでにも他のアーティストたちが、自身への軽視と見なした事態への反発から【グラミー賞】へのエントリーを見送るケースがあり、ドレイク、ザ・ウィークエンド、モーガン・ウォーレンらがその例として挙げられる。

 ポップ&ダンス/エレクトロニック・フィールドに位置づけられる新設の<最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス>部門については、アジア系アーティストがこのサブカテゴリーに囲い込まれてしまい、より注目度の高いジェネラル・フィールド(一般部門)やポップ・パフォーマンス部門で競う機会を奪われるのではないかと懸念する声も上がっている。しかし前者の懸念は根拠がない。あらゆるジャンルのアーティストが一般部門で競うことができ、そこには<最優秀アルバム><最優秀レコード><最優秀楽曲><最優秀新人賞>が含まれる。

 ただし、特定の音源が競えるパフォーマンス部門は一つのみであるというのは事実だ。ある音源が<最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス>にエントリーされた場合、例えば<最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス>にエントリーすることはできない。しかし同一アーティストが異なる音源で複数のパフォーマンス部門にノミネートされることは可能だ。

 K-POPは今年に入り、Netflixの『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』からの「Golden」が<最優秀楽曲賞映画、テレビ、その他映像部門>を受賞したことで、史上初の【グラミー賞】受賞を達成した。同曲は<最優秀楽曲>にもノミネートされていたが、受賞には至らなかった。


BTS

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