バッド・バニー、記録破りの総収益約750億円のワールド・ツアーを数字で振り返る

2026年7月27日 / 17:00

 現地時間2026年7月22日、バッド・バニーが【DeBÍ TiRAR MáS FOToS ワールド・ツアー】の最終公演を終えた。米ビルボードのツアー・チャート“Billboard Boxscore”へ申告された数字によると、全55公演で総収益4億6,750万ドル(約752億円)、チケット販売数310万枚を記録し、複数の新記録を樹立した。

 【DTMFワールド・ツアー】は、2025年1月にリリースされた『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』を携えたツアーだ。同アルバムは米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で通算5週にわたって首位を獲得した(2025年1月、2月、5月、そして2026年2月に返り咲き)。また、バッド・バニー初のソロ首位となった同ソング・チャート“Hot 100”の1位曲「DtMF」をはじめ、TOP5ヒットをさらに2曲生み出し、合計14曲がチャートインした結果、アルバム収録の全17曲がHot 100に登場した。

 『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』は13分間のナラティブ・フィルム、複数のミュージック・ビデオ、NPRの『タイニー・デスク・コンサート』への出演、『サタデー・ナイト・ライブ』シーズン・プレミアのホスト、【スーパーボウル】ハーフタイム・パフォーマーとしての発表、6部門での【グラミー賞】ノミネート、そして故郷であるプエルトリコ・サンファンのコリセオ・デ・プエルトリコ・ホセ・ミゲル・アグレロットでの31公演のレジデンシーとともに送り出された。これらすべてを経た上で、アルバムの本格的なワールド・ツアーへと臨んだ。

 【DTMFワールド・ツアー】は昨年11月21日、ドミニカ共和国のサントドミンゴで開幕し、全55公演の最初の1本を飾った。しかしこのツアーは、アルバム・サイクル後の単なる総仕上げではなかった。年明けに連続する週末に、『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』が【第68回グラミー賞】で<年間最優秀アルバム>を受賞し、【スーパーボウル】でのパフォーマンスがチャートに劇的な影響をもたらした。アルバムのリリースから1年以上が経過した時点で、バッド・バニーは再びBillboard 200とHot 100の頂点に返り咲いたのだ。

 そのさなかにも、【DTMFワールド・ツアー】は国際的にBoxscoreでの記録を次々と塗り替え、この壮大なアルバム・サイクルに完全な幕を下ろした。以下、数字で振り返るツアーの全記録を紹介する。

4億6,750万ドル

 【DTMFワールド・ツアー】は8か月間の開催期間中に4億6,750万ドル(752億円)の総収益を記録した。これにより、ラテン系男性アーティストの歴代最高収益ツアーとなり、ルイス・ミゲルの【ルイス・ミゲル・ツアー 2023-24】を上回った(4億950万ドル、670億円)。

 バッド・バニー自身の自己最高記録はそれまで2022年の【World’s Hottest Tour】(総収益3億1,410万ドル、513億円)だった。同年の【El Ultimo Tour Del Mundo】とあいまって、バッド・バニーは米ビルボードの年間ツアー・ランキングで首位に立った初のラテン系アーティストとなった。

 なお、性別を問わないラテン系アーティストの歴代最高収益ツアーの記録には惜しくも届かなかった。シャキーラの現在進行中のツアー【Las Mujeres Ya No Lloranワールド・ツアー】は、7月14日の米ニュージャージー州ニューアーク公演時点で4億7,920万ドル(783億円)を記録しており、【DTMFワールド・ツアー】を2.5%上回っている。シャキーラはその後も数公演をこなしており、今秋もスタジアム公演の予定が残っている。

310万枚

 バッド・バニーは動員数においても同様の記録を更新した。全55公演での【DTMFワールド・ツアー】のチケット販売数は308万枚に上り、ラテン系男性アーティストの歴代最高動員ツアーとなって、ルイス・ミゲルの最近のツアー(290万枚)を超えた。

 チケット販売数200万枚超えはバッド・バニーにとって今回が初であり、300万枚超えはなおさらだ。2022年の【World’s Hottest Tour】は43公演で190万枚を販売していた。今回は12公演多かったとはいえ、1公演あたりの平均でも前回を上回った。2026年の1公演平均は56,000枚で、2022年の43,100枚から大きく伸びた。

55公演

 全55公演となった【DTMFワールド・ツアー】はバッド・バニー史上最長のツアーだ。これまでの最長は【Most Wanted Tour】(2024年)の49公演で、【La Nueva Religion Tour】(2018年)45公演、【World’s Hottest Tour】(2022年)43公演、【X100PRE Tour】(2019年)41公演と続く。

 コールドプレイの【ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ・ワールド・ツアー】(223公演以上)、メタリカの【M72ワールド・ツアー】(84公演)、ザ・ウィークンドの【アフター・アワーズ・ティル・ドーン・ツアー】(117公演)ほどの規模には及ばないが、バッド・バニーはそれらに匹敵する生産性を持ち、パンデミック明け以降4つのツアーで申告済み公演数は計218本に上る。

5大陸

 【DTMFワールド・ツアー】は文字通りのワールド・ツアーとして、5大陸で公演を行った。欧州28公演、オセアニア2公演のほか、Boxscoreの集計には含まれない非チケット制の公演を東京でも1本行った。

 バッド・バニーが意図的に米国公演をスケジュールに入れなかったことで、世界最大のツアー市場を外したとして大きな議論を呼んだ。結果として、米国公演を含まないツアーとして収益・動員数ともにBoxscore史上最高記録を達成した。

 しかし、【スーパーボウル】のパフォーマンスでも示されたように、“アメリカ”を完全に避けたわけではない。南アメリカではアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルーで計13公演を行い、北アメリカではコスタリカ、ドミニカ共和国、メキシコで12公演を開催した。

18都市

 バッド・バニーは5大陸を縦断したが、【DTMFワールド・ツアー】が立ち寄ったのは世界18都市にとどまる。

 欧州日程、ひいてはツアー全体の目玉となったのが、マドリードのリアド・エア・メトロポリターノで5月30日から6月15日にかけて行われた10公演だ。総収益9,610万ドル(157億円)、チケット販売数623,000枚を記録し、欧州大陸で行われたコンサートの単独開催としてはBoxcore史上最高の収益・動員数を誇る記録となった。これを上回るのは、英ロンドンのウェンブリー・スタジアムでのコールドプレイによる10公演(2022年、1億3,140万ドル、214億円)のみだ。

 ツアー前半の最大拠点はメキシコシティで、エスタディオGNPセグーロスで8公演を開催した。収益8,800万ドル(143億円)、チケット販売数518,000枚を達成し、動員数はメキシコでBoxscore史上最高の単独開催記録となり、収益ではメキシコのみならず北米全体での最高記録となった。

 バッド・バニーはサンティアゴ、メデジン、ブエノスアイレスで開催順にそれぞれ3公演を開催した。サントドミンゴ、サンホセ、リマ、サンパウロ、シドニー、バルセロナ、リスボン、デュッセルドルフ、アーネム、ロンドン、パリ、ストックホルムでは各2公演を行った。ツアー最終月はマルセイユ、ワルシャワ、ミラノ、ブリュッセルで各1公演(さらに3月に東京で招待制の公演を1本)を行った。

3回・10か月

 【DTMFワールド・ツアー】は11月の開幕以来、Boxscoreチャートで安定した存在感を示し続けた。今週、月間トップ・ツアー・ランキング“Top Tours”で3度目の首位を獲得した(12月、1月、6月の公演でそれぞれリードした)。

 これによりバッド・バニーのキャリア累計首位月数は、同チャートが創設された2019年以降で10か月となり、7か月のビヨンセ、コールドプレイ、エルトン・ジョンをさらに引き離す形となった。

12億ドル・700万枚

 キャリア全体では、バッド・バニーは申告済み274公演で総収益12億ドル(1,962億円)、チケット販売数710万枚を記録している。先月、ラテン系アーティストとして、また英語以外の言語でパフォーマンスするアーティストとして初めて10億ドルの大台を突破した。


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