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メタリカは常に独自のルールで活動してきたバンドだが、現地時間2026年6月28日にウェールズ・カーディフのプリンシパリティ・スタジアムで行ったライブも例外ではなかった。約4年にわたる【M72】ワールド・ツアーを通じて続けてきたように、ベーシストのロバート・トゥルヒーヨとギタリストのカーク・ハメットはセット中の恒例“ドゥードル”(らくがき)コーナーで地元の英雄にトリビュートを捧げた。この日の栄誉を受けたのは、ウェールズが誇るレジェンド、トム・ジョーンズだった。
ただし、彼らが選んだ曲には問題があった。ジョーンズの代表曲であり、1968年に米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で15位を記録したヒット曲「Delilah」(デライラ)は、暴力的な歌詞を理由にラグビーの試合中にスタジアムのコーラスが演奏することを数年前から禁じられている。NMEの報道によると、ウェールズ・ラグビー・ユニオン(WRU)は2023年から同曲の同会場での演奏を禁止している。故バリー・メイソンが書いたこの歌詞は、別の男と一緒にいる妻を目撃し、彼女を殺害する男の視点で描かれた内容だ。
3年前に禁止を発表した際、WRUは、「いかなる家庭内暴力も断固として非難する」と表明し、「これまでもこの楽曲の検閲問題について専門家の意見を求めてきた。曲の内容ゆえに一部のサポーターが不快感や苦痛を覚えることは真摯に受け止めている」と説明した。ジョーンズ本人は2023年7月にカーディフ・キャッスルで行ったコンサートでこの決定を一蹴し、「”Delilah”を歌うことは誰にも止められない。クワイアの歌唱は禁止できても、観客の歌声は止められていない。歌い続けてくれ。私も歌い続ける」と観客に語りかけた。
プリンシパリティ・スタジアムでの演奏では、トゥルヒーヨがリード・ボーカルを担当した。バンドにとってウェールズでの公演は30年ぶりのことだった。観客もサビに加わり、「Why, why, why, Delilah?(なぜ、なぜ、なぜだ、デライラ)/ So before they come to break down the door(だからあいつらが来てドアが破られる前に)/ Forgive me, Delilah, I just couldn’t take any more(許してくれ、デライラ、もう我慢の限界なんだ)」と声を合わせた。これまでの落書きコーナーでは、ベルリンでラムシュタイン、スウェーデンでABBA、ノルウェーでa-ha、ダブリンでザ・ポーグス、グラスゴーでザ・プロクレイマーズのカバーが披露されてきた。
プリンシパリティ・スタジアムのライブを経て、メタリカは自身のAll Within My Hands財団を通じてカーディフ・フードバンクに26,000ドル(約420万円)以上を寄付した。フードバンクはインスタグラムにこの寄付について投稿し、倉庫の補充と約1,000人・9,000食分相当の支援に充てると報告した。
メタリカは現地時間7月3日と5日にロンドン・スタジアムで2公演を行った後、夏の残りの期間を休止する。10月1日からは米ラスベガスでの24公演にわたる【ライフ・バーンズ・ファスター】スフィア・レジデンシーが始まる予定だ。
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