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B’zが、5月31日に横浜アリーナで【B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-】を開催した。
2025年12月、最新アルバム『FYOP』を携えて約7年ぶりとなるドームツアー【B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP-】を終えたB’z。その勢いをまとったまま、2026年4月から全国アリーナツアー【B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-】をスタートさせた。「ファンとパッションをぶつけあう」という芯は変わらずに、B’zがドームツアー完走という大団円を迎えた上で、今回のツアーで伝えたいことは何だったのか。
開演時刻は17時、会場アナウンスが終わった途端、「FAITH?」でステージの幕が上がった。唐突な轟音に圧倒されるや否や、オーディエンスも総立ちに。ステージ上を囲うように設置された透過型のLEDビジョンには、ペンキを振りかざしたドリッピングのようなムービーが流れ、その奥に松本孝弘(Gt.)と稲葉浩志(Vo.)の姿が見える。ステージからは、360度どこを向いてもオーディエンスという、まさにB’zとオーディエンスが対峙する構図が生まれていた。そんなステージを稲葉が満面の笑みで縦横無尽に駆け回る。
お馴染みの開幕宣言である「B’zの【LIVE-GYM】にようこそ!」と共に口火を切った「IT’S SHOWTIME!!」。冒頭の歌詞の一節通り、大きな歓声がこの横浜アリーナを揺らし始めた。立て続けに鳴らすパワフルなサウンドに高揚感と、いつものB’zがここにいるという安堵を覚えながら、会場を一つにした「Hi」が披露される。今回もバンドメンバーは【B’z LIVE-GYM 2025 -FYOP-】から続投のシェーン・ガラス(Dr.)、Yukihide “YT” Takiyama(Gt.)、川村ケン(Key.)、清(Ba.)だ。
川村の短調の優美な旋律が「ねがい」のイントロに溶け込んでいく。この楽曲に限ったことではないが、約31年前の楽曲でありながら、変わらない声色で、しかも表現の幅はむしろ深みを増して歌い続けている。これはそう容易いことではない。そんな稲葉の声に魅了されていると、今度は松本の様々な奏法を盛り込んだテクニカルなソロでオーディエンスを大いに沸かせた。
「パッションの赴くままにみなさん楽しんでいってください!」――ダークな雰囲気が漂う「ペインキラー」。痛みとの共存、そして希望をも感じさせる、ある意味で人間の本質を表現している歌詞は、オーディエンスのパッションの扉を開く力を持つ。続けて披露されたのは、人生を深く見つめた「INTO THE BLUE」。序盤とは打って変わって、静かに語りかけるようなB’zの姿があった。
会場が温まったところで久々の楽曲を届けるコーナーへ。「みなさんそれぞれ思い浮かべている曲があると思いますが、それをやるとは限らないんですけど(笑)」と笑いを誘う。本日届けられたのは、アルバム『DINOSAUR』(2017年)に収録されている「それでもやっぱり」だ。1番は川村とのデュオでしっかりと歌声を届け、2番からYTと清がサウンドに厚みを加えていく。間奏では稲葉もハーモニカを吹き始め、あふれる哀愁が会場をまた違う雰囲気へと作り変えていく。
「ずっとこのままだと寂しいから、呼びますか!」と稲葉が松本を呼ぶ。割れんばかりの拍手に迎えられて松本が登場すると、ドラムカウントから松本が力強くコードを刻む。そしてソロ曲「#1090 ~Million Dreams~」を放ち、後半戦へ向けての下地をしっかり敷いた。
「久しぶりに横浜アリーナ戻ってきましたけど、どうですか?」と稲葉が松本に問いかけると、「もうちょっと違うフリないのかよ(笑)」「そうよね(笑)」と笑いが起きた。再び「今日のお客さんどうですか?」と問うと「素敵だよ。昨日もすごかったけど、今日はもうちょっといいかもしれない」と答え、歓声が上がる。さらに、ツアー中にレコーディングを行った楽曲で、公演後の6月1日に配信リリースされた「完全無欠」を披露。本作は『FIFAワールドカップ2026』の日本テレビ系のサッカーテーマソングとなっている。ミドルテンポでありながら、ブレイクから駆け上がるサビのメロディーライン、後半は一転して<La La La>という合唱とリズムをベースにサビが展開するという、スケール感あふれる一曲だ。これまで「兵、走る」「ultra soul」など、数々の大型スポーツ大会のテーマソングを手掛けてきたB’z。本作は楽曲タイトル相応にバイタリティがあり、その系譜を確かに受け継いだ一曲だ。
清がゴリゴリに歪んだベースソロをじわじわとギアを上げながら奏でると、アルバム『FYOP』のリード曲でもあり、ツアーの主軸曲「FMP」へ。まだまだ有り余るパッションを惜しみなくぶつけていくB’z。シェーンの力強いキックをバックに、「まだまだパッション残ってますか!?」と稲葉が語りかけると、「この人に聞いてみましょう」とYTへバトンを渡した。アコースティックギターの歯切れのよいカッティングに、松本が加わりディストーションの効いた音色でディープ・パープル「Smoke On The Water」のイントロを奏でる。そのまま沸く会場を「有頂天」へとなだれ込ませた。
「横浜の声を聴かせてくれますか!」――軽快な8ビートに揺られながら、「OH~YEAH」と様々な音程やリズムでコールアンドレスポンスを繰り広げる。オーディエンスとのウォーミングアップが完了したところで、松本による脂の乗った音圧のリズミカルなリフから「Heaven Knows」へと展開する流れも目まぐるしかった。本作はTVアニメ『名探偵コナン』オープニングテーマとして起用された疾走感溢れるロックな一曲。先ほどのコールアンドレスポンスで高まった熱量が、楽曲のスケールをさらに押し上げた。そして、蒼い照明に染まったステージで「さまよえる蒼い弾丸」が動き出す。ターコイズのシャツから胸元を大きく開けた稲葉が、<もっと もっと もっと もっと速く…>とパワフル全開で声を届けていく姿が圧巻だ。そんな熱狂の頂点を「ultra soul」でクールに締めくくった。
アンコールでは上手から松本、下手から稲葉が登場。ステージと観客席は目と鼻の先ほどの距離だ。稲葉がアコースティックギターを手に、二人きりの空間で「その先へ」が届けられる。ステージのスクリーンには夕暮れの広大な荒野が映し出される中、穏やかに演奏が進み、最後に二人で視線を交わしながら曲が終わった。
「みなさんのパッションと我々のパッションが激しくぶつかって、すごいエネルギーができたと思います。感じませんか? 我々がひねり出したエネルギーを自由に持って帰ってください。我々もいただいて、また次回の【LIVE-GYM】に繋げていきます」
満ち足りた表情が会場に広がる中、松本がトレモロアームを使った激しいプレイを響かせると、オーディエンスとの絆を再確認するように歌われた「ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~」で有終の美を飾った。
あっという間でありながら、濃密な120分だった。今回のアリーナ公演は、“B’zがいつだってファンとの距離を確認しながら歩み続けている”ことを、改めて実感させるライブだった。2026年下半期はそれぞれのソロ活動が活発になる予定だ。2027年以降、またどのような形でB’zの在り方を示してくれるのか、楽しみに待ちたい。
Text by Tatsuya Tanami
Photo by ©VERMILLION, ©Dynamic Planning・TOEI ANIMATION
◎公演情報
【B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-】
2026年5月31日(日)
神奈川・横浜アリーナ
<セットリスト>
M01. FAITH?
M02. 濁流BOY
M03. IT’S SHOWTIME!!
M04. Hi
M05. ねがい
M06. イチブトゼンブ
M07. ペインキラー
M08. INTO THE BLUE
M09. The IIIRD Eye
M10. それでもやっぱり
M11. #1090 ~Million Dreams~
M12. イルミネーション
M13. 完全無欠
M14. FMP
M15. 有頂天
M16. Heaven Knows
M17. さまよえる蒼い弾丸
M18. ultra soul
EN01. その先へ
EN02. ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~
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