マドンナ、『コンフェッションズII』フィルムを【トライベッカ・フェスティバル】でプレミア上映

2026年6月8日 / 17:15

 「ミュージック・ビデオでは……安っぽい」と、マドンナは現地時間2026年6月5日、『コンフェッションズII』のワールド・プレミア上映直後にアンダーソン・クーパーと満員のビーコン・シアターの聴衆に向けて語った。この13分間のビジュアル・プロジェクトは彼女のニュー・アルバム『コンフェッションズII』を中心に据えた短編フィルムだ。このポップ・アイコンは、【トライベッカ・フェスティバル】に集まった熱狂的なファンを前に、なぜこの短編フィルムが単なるMVとフル・ビジュアル・アルバムの中間という形をとったのかを説明した。「ガイ(・オセアリー、彼女のマネージャー)はいつも節約しろって言うんだけど」と笑いを誘いつつ、MV全盛期を懐かしんで、「MTVと私だけの時代は良かった。あの頃はもう終わったのよ」と振り返った。

 直前に降板したジミー・ファロンの代役として登壇したクーパー、そしてマドンナが“別の惑星から来たみたい”と評した監督のデヴィッド・トロとソロモン・チェイス(TORSO)を交えた、率直で自由闊達な携帯電話禁止のトークでは、米ニューヨークでの駆け出し時代から前夜のタイムズ・スクエアでのポップアップ・パフォーマンス、『コンフェッションズII』への多数のカメオ出演まで、あらゆる話題が飛び出した。

 このフィルムは、7月3日リリース予定の待望のアルバム『コンフェッションズII』の最初の6曲を軸に構成されている。つまりこのビジュアル・プロジェクトは約2,800人の観客に、未発表の4曲「Good for the Soul」「One Step Away」「Danceteria」「Read My Lips」をいち早く聴く機会をもたらした。同アルバムは『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』(2005年)のプロデューサー、スチュアート・プライスとの再タッグで制作された。

 パパラッチの特殊部隊、下半身から緑色のレーザーを放つ森の人々(「やってみたかったんだけど、かなり熱くなるらしいのよね」とマドンナはドライにジョークを飛ばした)、カー・クラッシュ、ダンスフロア上空でのアクロバット、そしてベネディクト・カンバーバッチが個室の外でダンスを踊る中、公衆トイレで繰り広げられる数々の情熱的な逢瀬など、このフィルムは何度も見返したくなる強烈なビジュアルの連続だ。実際、この夜は『コンフェッションズII』の上映で幕を開け、幕を閉じた。

 カンバーバッチ以外にも様々な顔ぶれが登場する。サブリナ・カーペンターはデュエット曲「Bring Your Love」でマドンナとともにダンスフロアを這い回り、身をよじらせる。コロンビア人シンガーのフェイドはコラボ曲「Read My Lips」でマドンナと共演。デビ・メイザーは「Danceteria」に顔を出すが、これは二人が共有する過去へのオマージュだ。無名時代のメイザーとマドンナはニューヨークの伝説的なダンステリアというクラブ(現在は閉店)に入り浸り、“男子を引き付けるため”にイチャイチャし、DJにマドンナのカセットをかけてもらおうとしていたという。アルカは「I Feel So Free」に追加プロデュースとしてクレジットされており、ハニー・ディジョンはマドンナの2019年作『マダムX』収録曲「I Don’t Search I Find」のリミックスを手がけた人物で、このバージョンは米ビルボードの“Dance Club Songs”チャートで首位を獲得した。ジャンルの枠を超える英アーティストのシャイガール、1987年頃のマドンナそっくりの姿で登場する女優のジュリー・ガーナー、そしてマドンナの娘ローデス・レオンもフィルムの最後のセリフ、「カット、ビッチ」を担当している。

 マドンナはこのプロジェクトの撮影に約1か月かかったと明かした。アルバム本体については、長らく制作が続いていたNetflixの自伝的ミニ・シリーズの完成を待ちながら、プライスとともに1年半かけて作り上げたという。

 フィルムに登場する楽曲のうち、正式リリース済みなのは「I Feel So Free」とサブリナとのコラボ「Bring Your Love」の2曲のみで、『コンフェッションズII』フィルムに収録された4曲の未発表曲が7月3日の公式リリース前に各デジタル・ストリーミング・プラットフォームで配信されるかは現時点では不明だ。ただしフィルムは6月9日にYouTubeで公開される。クイーン・オブ・ポップが5万人のファンを前にタイムズ・スクエアでサプライズ・パフォーマンスを披露した直後の6月4日にリリースされた珠玉の新曲「Love Sensation」はこのビジュアル・プロジェクトには収録されていない。そのパフォーマンスについてマドンナは、1978年にニューヨークに移住し、35ドルと野望だけを胸にタイムズ・スクエアへ向かったという自身の原点と重なる美しい瞬間だったとクーパーに語った。

 ただ、緊張がなかったわけではないと彼女は認めた。特に、ポップアップ会場ザ・スクエアと数フロア下のタイムズ・スクエアの車道を隔てるプレキシガラスの柵に脚をかけた瞬間は。「柵に脚をかけようとした時、うーんって思ったわ。自分がそこまでファンを愛しているか、自信がなくて」と彼女はニヤリとしながら語った。無理もない話だ。ビーコン・シアターを後にしたマドンナの次の目的地は、95歳の父親の誕生日を祝うためのハンプトンズだったのだから。彼女がそこまで長生きできるのなら、プレキシガラスの柵の上で女王の命を危険にさらす必要はない。

 『コンフェッションズII』は7月3日にリリースされる。7月19日にはマドンナ、BTS、シャキーラが米ニュージャージー州メットライフ・スタジアムで開催される【ワールドカップ】史上初のハーフタイム・ショーのヘッドライナーを務める。


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