<インタビュー>Luの国境なき音楽――ウータン・クランから東京へ

2026年5月23日 / 10:00

 突如シーンに現れた謎めいたアーティスト=Luが、ヒップホップ界を代表するビッグネームたちとの楽曲を次々と発表して注目を集めている。ウータン・クラン、リル・ウェイン、スヌープ・ドッグをはじめとする錚々たる顔ぶれとコラボレーションを重ね、その独自の音楽スタイルと豪華な共演者たちの存在は、ここ日本でも確実に話題を呼んでいる。ビルボード・ジャパンが独占インタビューに臨んだところ、日本は自身と家族にとって非常に縁の深い場所だとLuは語った。

  Luの音楽が特別である最大の理由の一つが、複数の言語を自然に織り交ぜながら生み出す、真にインターナショナルな空気感だ。ネイティブ・アメリカンとラテン系のルーツを持つ彼女は、語学教師だった母親のもとで幼い頃から複数の言語に親しんで育った。さまざまな文化への刺激に満ちあふれた家庭で、旅も日常のことだったため、後に多彩な要素を音楽へと昇華させることが自然と身についていったのだという。家族は常に人生で最も大切な存在だと語るLuは、折に触れて道を示してくれる良き師でもある親族たちに囲まれて育ってきた。

 中でも沖縄出身の叔母の影響は大きく、日本の文化をあらゆる角度からじっくりと教えてくれたという。叔母からは、日本にはネイティブ・アメリカン文化に深い関心と敬意を持つ人が多いことも教わり、Luは実際に来日した際にその言葉を実感してきた。特にファッションの面でそれを強く感じると言い、東京の街を歩くとネイティブ・アメリカンやメキシカン・アメリカン(チョロ)の文化的要素をあちこちで目にすると明かす。

 「私にとっては、自分の文化への深いリスペクトの表れだと感じていて、目にするたびに誇らしい気持ちになります。子どもの頃、自分の文化を恥じるよう感じさせられたこともありました。でも、世界の人々が自分の文化をかっこいいと思い、理解しようとし、体現しようとしてくれているのを見ると、本当に救われる思いがします。」

 日本にゆかりのある家族がいることも、Luが自然と日本に惹かれていった理由の一つだ。受けてきた敬意と同じ気持ちを届けたいと、いつか日本語で楽曲をリリースしたいとも語る。

 「敬意に値するものを届けられるよう、日本語を本格的に勉強したいと思っています」。

 ある言語で音楽に向き合う際のプロセスを尋ねると、ラップや歌で用いる言語の自然なリズムを理解することがすべてだと話す。

 「言語にはそれぞれ固有の個性があって、その言語の魂を理解した瞬間、誰にも止められなくなります。」

 プライベートを大切にし、自身を包む謎めいたベールを心地よく思っているLuだが、音楽業界でのキャリアについては惜しみなく語ってくれている。自らアーティストとして立つことを決意する以前は、アメリカとラテン市場で経験を積んだ後、現代において最も重要な場所の一つである韓国でも長い時間を過ごした。ソウルに腰を据えた彼女は、やがてK-POPを代表するトップ・アーティストたちと近い距離で仕事をするようになる。その時期にK-POPが今日の姿へと成長していく過程を目の当たりにし、世界中の多様な文化が融合したこのジャンルがグローバルなファンを獲得していく瞬間に立ち会えたことに、深く心を動かされたという。

 「私の目には、MISAMOこそが日本と韓国を本当に美しい形でつなぎ始めたアーティストに映ります。今この瞬間、K-POPと日本のオーディエンスをつなぐ最も重要な存在と言えるでしょう。テキサス出身のミーガン・ザ・スタリオンなどの欧米アーティストとのコラボレーションで知られる千葉雄喜も、心から尊敬しています。テキサスで育った者として、テキサスのラップ文化がメインストリームへと躍り出たことが本当に誇らしかったです。」

 そして最近、【スーパーボウル】ハーフタイム・ショーのヘッドライナーも務めたバッド・バニーが来日し、ラテン文化を携えた彼を日本のオーディエンスが温かく迎え入れた瞬間も、Luにとってひときわ特別なものだったという。

 「世界中の人々が自分たちの文化のファンになり、こんなにも開かれた形で受け入れてくれる日が来るとは思わなかった、という声をオンラインでたくさん見てきました。バッド・バニーが、東京での【Billions Club】公演であれほど熱狂的に迎えられたのを見て、自分の文化に正直な音楽を作り続けるための力をもらいました。世界ではさまざまなことが起き、圧倒されそうになる瞬間もあります。でも、ああいう瞬間には、音楽が人間としての私たちをつないでくれるということを改めて思い知らされます。私たちは美しいものを生み出し、互いに分かち合うために生まれてきたのだと思います。」

 Luは現在、新たな楽曲の制作に取り組んでおり、日本のオーディエンスが注いでくれた愛情と同じだけの思いを音楽で返したいと語っている。


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