マイケル・ジャクソン“巨匠とのタッグ~MV革命まで”音楽×映画での功績を紐解く(映画『Michael/マイケル』)

2026年5月21日 / 18:00

 “キング・オブ・ポップ”=マイケル・ジャクソンの軌跡を描く映画『Michael/マイケル』。2026年6月12日の日本公開を前に、改めて“映画×マイケル・ジャクソン”の関係性にフォーカスし、マイケルが映画とともに切り拓いてきた数々の伝説を振り返っていく。

–映画俳優としての挑戦/クインシー・ジョーンズとの運命的な出会い

 1978年公開、ダイアナ・ロス主演のミュージカル映画『ウィズ』でマイケルは、児童文学『オズの魔法使い』をアフリカ系アメリカ人キャストで再構築した世界観のなか、カカシ役を熱演。圧巻の歌声とダンスパフォーマンスを披露した。さらに、音楽プロデューサーとして参加していたクインシー・ジョーンズと運命的な出会いを果たし、後に『オフ・ザ・ウォール』『スリラー』『バッド』という歴史的名盤を生み出すことになる。2人のタッグはまさにこの映画から始まった。

 1986年には、ジョージ・ルーカス製作総指揮、フランシス・フォード・コッポラ監督による3Dアトラクション作品『キャプテンEO』に主演。当時最先端だった3D映像と特殊効果を駆使しながら、シンセサウンド、ダンス、SFの世界観を融合させ、それまでになかった新しい音楽体験を創出し、本作は日本でも東京ディズニーランドで上映された。マイケルが歌う「We Are Here to Change the World」「Another Part of Me」の2曲は作品世界と一体化し、音楽が物語そのものを牽引する構造となっていた。

–映像史を塗り替えたミュージックビデオ革命/映画界の巨匠たちとタッグ

 1983年発表の「スリラー」MVは、『ブルース・ブラザーズ』などのジョン・ランディス監督を起用。特殊メイク界の巨匠リック・ベイカーも参加し、約14分に及ぶショートフィルムとして制作された本作は、ホラー映画への愛情、シネマティックな演出、そしてゾンビダンスをファンクとポップミュージックに融合させており、MVの概念そのものを書き換えた記念碑的作品となった。さらに、米国議会図書館の国立フィルム登録簿に登録された、最初で唯一のMV作品としても知られている。

 英国紙The Guardianは、「スリラー」が“ミュージックビデオを永遠に変えた”と報じており、MTVをカルチャーの中心へ押し上げ、MVそのものを巨大産業へ発展させた歴史的転換点として評価している。

 今回の映画『Michael/マイケル』では、「スリラー」MV製作の舞台裏もリアルに描かれており、撮影はオリジナル版のロケ地であるイースト・ロサンゼルスの工業地帯、ユニオン・パシフィック・アベニューで敢行。劇中では、ジョン・ランディスを思わせる映画監督とのクリエイティブなやり取りなども映し出される。ちなみに本記事掲載の「スリラー」シーン写真もこの度、到着した。

 続く1987年の「バッド」MVでは、『タクシードライバー』『グッドフェローズ』などのマーティン・スコセッシ監督とタッグ。約18分に及ぶ映像作品に仕上がり、地下鉄の構内で繰り広げられるダンスシーンは、現在もMV史に残る名場面として語り継がれている。本MVには若手時代の名優ウェズリー・スナイプスも出演している。

 また、「ビリー・ジーン」「今夜はビート・イット」「バッド」などのMVは、楽曲を聴くだけではなく、映像込みで体験するという現代的な音楽消費スタイルの原型を築いた。例えば「スリラー」は、MV公開が起爆剤となり、アルバムセールスが再び急上昇。これにより、映像が音楽の価値そのものを拡大させるという、現在の音楽業界に通じる潮流を生み出したとも言われている。

–没後も映画界の繋がりは続く

 2012年には、『ドゥ・ザ・ライト・シング』などのスパイク・リー監督がアルバム『バッド』制作の裏側に迫るドキュメンタリー『BAD25』を発表。2009年公開の『THIS IS IT』では、幻となったロンドン公演へ向けたリハーサル映像を通して、音、照明、映像、振付、そのすべてを細部まで作り込むマイケルの姿が記録された。

◎映画情報
『Michael/マイケル』
2026年6月12日(金)全国公開
配給:キノフィルムズ
(R), TM & (C) 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
https://www.michael-movie.jp


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