<ライブレポート>奥田民生/スキマスイッチ/仲井戸“CHABO”麗市/藤井フミヤ/真心ブラザーズ/矢野まき/山弦/吉田美奈子が豪華共演「誰一人欠けてもできないライブでした」【音礼・綴】2日目

2026年5月15日 / 17:00

 音楽イベント【SUPER J-HITS RADIO 30th Anniversary Live 「音礼・綴(おんれいつづり)」】が、4月27、28日に大阪・フェスティバルホールで開催された。

 本公演は、1995年4月にFM802で放送をスタート、2016年4月からはFM COCOLOで時代を越えて輝き続ける日本の音楽を届けてきた、邦楽専門ラジオ・プログラム『SUPER J-HITS RADIO』の30周年を記念したコンサートイベント。

 4月27日には、大貫妙子、吉川晃司、佐藤竹善+藤田千章 from SING LIKE TALKING、高野 寛、Char、宮沢和史、矢野顕子、山弦(小倉博和+佐橋佳幸)、同28日には奥田民生、スキマスイッチ、仲井戸“CHABO”麗市、藤井フミヤ、真心ブラザーズ、矢野まき、山弦(小倉博和+佐橋佳幸)、吉田美奈子が出演。また、両日の演奏を斎藤有太(音楽監督/Key.)、森 俊之(Key.)、河村“カースケ”智康(Dr.)、亀田誠治(B.)、真壁陽平(Gt.)、金原千恵子(Vln.)、山本拓夫(Sax.)らによるSJR CLUB BANDが担当するなど、放送開始より同番組のDJを務めてきた加藤美樹がオーガナイズした豪華ラインナップが、2日間にわたるスペシャルなショーを彩った。今回は、2日目の模様をレポートする。

<山弦>
 2日目となる28日も昨夜同様、開場中にここ30年の邦楽史に残る名曲・ヒット曲がBGMとして流れ、高まる期待感がフェスティバルホールをゆっくりと満たしていく。加藤美樹が番組の変遷を振り返り、まずはスーパーギターデュオ山弦が奏でる「春(SPRING)」のみずみずしい音色が会場いっぱいに広がる。小倉博和はFM COCOLOで11年続く自身の番組『小倉博和のFriday, Sound of Strings』の告知もさらりとこなし、佐橋佳幸と共に『SUPER J-HITS RADIO』の30周年を祝福。おしゃべりも達者な両名だけに「マイクを前にするといつまでも話してしまう(笑)」と佐橋佳幸が笑い、「rise & shine」~「JOY RIDE」のメドレーでもスリリングなギタープレイの応酬で魅せた山弦だった。

<矢野まき>
 加藤美樹から「愛の深い人、それがそのまま歌になっている人」と称賛された矢野まきは、代表曲の「大きな翼」を堂々と歌い上げる。はかなさと強さが混在するボーカルの得も言われぬ魅力を再認識した人も多かったことだろう。「今日は『SUPER J-HITS RADIO』、そして加藤美樹さんのお祭りですね。こんな貴重な場に呼んでもらえたこと、このステージに立てていることをうれしく思います」と感謝を伝えた後は、自らの活動休止期間に加藤美樹から「歌いたい歌を、歌いたいときに、歌いたいように歌ってね」と言われたことが今でも支えになっていると吐露。旧友のスキマスイッチの大橋卓弥と共作した「ポートレイト」では、異なる2声が絶妙に溶け合うデュエットも実現し、かつて制作を共にしたSJR CLUB BANDの面々たちとの再会も喜びつつ、エモーショナルに「タイムカプセルの丘」で締めくくった。

<真心ブラザーズ>
 桜井秀俊がギターをかき鳴らし始まった「空にまいあがれ」からとにかく自然体。いざYO-KINGが歌い出せば、あっという間に真心ブラザーズの世界だ。ブルースハープを吹きマイク片手に闊歩するYO-KINGは、流麗なスチールギターを聴かせた佐橋佳幸を「天才が帰ります」と送り出し、「新譜のリリースのたびにお世話になっている」という『SUPER J-HITS RADIO』について、「桜井はすっかり惚れ込んで、あの声を聞くために大阪に来るもんね」と振ると、「こうなったら美樹さんもラジオ界の黒柳徹子を目指して……!」と返す桜井秀俊と、MCにもらしさが溢れる。重たいビートに山本拓夫のホーンが冴える「RELAX~OPEN~ENJOY」も極上の気持ち良さで、待ってましたの「ENDLESS SUMMER NUDE」では、森 俊之の渾身のキーボードソロが炸裂! 見渡す限りのオーディエンスが手を振る絶景が生まれ、「ライブの帰り道には心も体もすっかりデトックスされています」という加藤美樹の評に、大いに頷いたライブだった。

<スキマスイッチ>
 たった2人で、歌とピアノで、「奏(かなで)」を披露する。楽曲のとてつもないパワーにいきなり圧倒されたのがスキマスイッチのライブ。そこにSJR CLUB BANDが徐々に寄り添っていくアレンジは秀逸で、「おごそかに歌い始めてみたんですけど、ガラじゃなかったかな?(笑)」とほほ笑んだ大橋卓弥は、「昨日今日とすごいレジェンドがいる中で僕、最年少ですよ? まだまだですね」とご謙遜。【音礼・綴】にいかに偉大なアーティストが集まっているのかが分かる一幕だ。そこで「そんな大先輩とコラボレーションさせていただきます」と藤井フミヤを招き入れると、割れんばかりの大歓声! 2組でKANの「世界でいちばん好きな人」をカバーするレアなコラボには、観客もじっくり耳を傾ける。歌い終わり頭上に手を振った藤井フミヤ、「KANさんは今日ここに来たかったと思います。ていうか絶対にいる」と大橋卓弥。だが、見どころはまだ終わらない。ここで当時のレコーディングにも参加した、真心ブラザーズの桜井秀俊がジョインし「全力少年」を。めくるめくJ-HITSの連続で、フェスティバルホールを総立ちにしたスキマスイッチだった。

<藤井フミヤ>
 「今から『TRUE LOVE』を歌います。本物に弾いてもらいましょう」と、メガヒット曲のRECを担った山弦のギターを背に、朗々と歌声を響かせたのが藤井フミヤ。飾りのないメロディがこうも胸を震わせるのは彼の音楽の力以外の何物でもない。この日のセットリストは加藤美樹の選曲ということで、チェッカーズ時代の「Blue Moon Stone」で華麗にステップを踏み、舞うように歌う変わらぬたたずまいには見ほれるばかりだ。「この辺りでのんびりした曲を歌いたかったんですけど、加藤美樹さんのリクエストだとそうはいかない。皆さんが物心ついたときには、洗濯機とか冷蔵庫と同じように俺がいたでしょ?(笑)」とユーモアたっぷりに和ませた藤井フミヤは、ロマンチックでスウィートなラブソング「タイムマシーン」を披露。【47都道府県コンサートツアー 2025-2026 FUTATABI】中にもかかわらず祝いに駆け付けた粋なステージだった。

<吉田美奈子>
 「美奈子さんとの出会いは音楽的にも人間的にも革命」とまで言わしめた森 俊之と2人で現れた吉田美奈子は、「美樹さんのお陰でこのように贅沢なホールで歌わせて頂けて嬉しいです。この30周年の記念に、私にとって同様に長年歌っていたいと思うこの曲を、一つの区切りとしてお贈りします」と一言。細野晴臣の「終りの季節」を歌い始めるや、その圧倒的な表現力と説得力に一気に引き込まれてしまう。いつまでも聴いていたくなるような素晴らしいパフォーマンスで、「生きていると色々なことがあります。体調を壊してへこんだり、些細でも楽しいことがあったり。その日々を一日一日大事にしているから音楽を続けていられるのだろうと。それを汲んでくれる美樹さんの気持ちに応えて、ミュージシャンが彼女の番組に出る訳です。そして何よりも、皆さんがこうして集まってくださることが、音楽家の背中を押してくれます」と、歌のみならず言葉でも魂を揺り動かす吉田美奈子。森 俊之のソロリーダーアルバム『azurite』の収録曲「悲しみの停る街(feat. Minako Yoshida)」では、山本拓夫のサックスもろとも豊潤な音世界へいざない、最後は「THE LIFE」。拍手喝采が去来する感動を如実に表していた。

<奥田民生>
 【音礼・綴】のイベントキャラクターとなる、ラジオを聴く猫「にゃん」を手掛けた客席の安斎肇に礼を述べた加藤美樹は、「つないでくれたのはこの方と言っても過言ではない」と奥田民生を呼び込む。SJR CLUB BANDを従えじりじり上昇していく熱量にシビれるド迫力の「CUSTOM」、アーシーなバンドサウンド上でシャウトした「イージュー★ライダー」と、たった2曲で唯一無二の存在感を感じさせたのはさすがだ。そして彼が、「名のあるミュージシャンの方々にこの曲を弾いてもらうのはビビるんですけど、リハーサルをやった感想は、うま過ぎ(笑)。割と昔の曲です」と言うなり、耳慣れたイントロが……! 凄腕メンバーで送るUNICORNの『大迷惑』には鳥肌が止まらない。サビの掛け合いもバッチリ決まって大満足&もう最高!

<仲井戸“CHABO”麗市>
 SJR CLUB BANDとの肩慣らしのセッションの時点で高ぶるテンション。「30周年おめでとう! 2日間の一番最後にやらされます。理由は簡単、一番年上だから(笑)。俺は中学3年の2学期から誰にも指図は受けない人生を歩んできました。(忌野)清志郎の言うことも聞いたことはない。でも、今回は加藤美樹に押し切られました(笑)。せっかくだから若者と一緒に歌います!」と仲井戸“CHABO”麗市に呼び出されたのは、YO-KING。『SUPER J-HITS RADIO』のアニバーサリーにピッタリの「ラジオ」では、CHABOのギターで軽やかにドライブするロックンロールがたまらない。CHABOから一人ずつ紹介されるSJR CLUB BANDの各人も何ともうれしそうで、「清志郎がいたら喜んで来たと思うよ。あいつとの最後の共作になった曲を。もう1人呼んじゃおうかな」と、さらに奥田民生も加わり「毎日がブランニューデイ」へ。CHABOにかかれば奥田民生もYO-KINGもみんなロックキッズのようで、そんな彼らの姿が見られるのもほほ笑ましい限りだ。

 「ガキの頃、自分がこんな年になるとは思っていなかった。みんなもそうかもね。俺たちは自由に音楽を聴けるけど、ラジオが聴けない、音楽どころじゃない街もある。世界中にいいことがたくさんありますように。美樹さん、これからもたくさんのご機嫌な音楽と、君の温かくて豊かなおしゃべりをたくさんの人に届けておくれ。今夜はありがとう!」

 何もかも包み込むような「ガルシアの風」がじんわりと染みわたり、「どうにもならぬことなど、何もない! どうしようもないことなど、何もない!」と何度も叫ぶCHABO。【音礼・綴】のトリにふさわしい、ピースフルな大団円となった。

 「誰かの心をヒットしたらそれはヒット曲」と語った加藤美樹が、改めて出演者の名をコールしていく。記念撮影を終え多くのスタッフをねぎらい、「誰一人欠けてもできないライブでした」と加藤美樹が告げると、それに賛同するように大きな拍手が! 『SUPER J-HITS RADIO』のエンディングテーマでもある山弦の「月星 / tsukihoshi」が優しきエンドロールとなり、【音礼・綴】は見事に幕を閉じた。

 なお、この日の模様は『SUPER J-HITS RADIO』にて6月7日、14日にオンエアされる。

Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by 井上嘉和

◎公演情報
【SUPER J-HITS RADIO 30th Anniversary Live 「音礼・綴(おんれいつづり)」】
2026年4月27日(月)28日(火)大阪・フェスティバルホール
<4月28日セットリスト>
春(SPRING) / 山弦
rise & shine~JOY RIDE / 山弦
大きな翼 / 矢野まき
ポートレイト / 矢野まき×大橋卓弥
タイムカプセルの丘 / 矢野まき
空にまいあがれ / 真心ブラザーズ
RELAX~OPEN~ENJOY / 真心ブラザーズ
ENDLESS SUMMER NUDE / 真心ブラザーズ
奏 / スキマスイッチ
世界でいちばん好きな人 / スキマスイッチ+藤井フミヤ
全力少年 / スキマスイッチ with 桜井秀俊
TRUE LOVE / 藤井フミヤ×山弦
Blue Moon Stone / 藤井フミヤ
タイムマシーン / 藤井フミヤ
終わりの季節 / 吉田美奈子 with 森俊之
悲しみの停る街 / 吉田美奈子with 森俊之
THE LIFE / 吉田美奈子with 森俊之
CUSTOM / 奥田民生
イージュー★ライダー / 奥田民生
大迷惑 / 奥田民生
ラジオ / 仲井戸”CHABO”麗市+YO-KING
毎日がブランニューディ / 仲井戸”CHABO”麗市+YO-KING+奥田民生
ガルシアの風 / 仲井戸”CHABO”麗市
月星 / tsukihoshi / 山弦

◎番組情報
FM COCOLO『SUPER J-HITS RADIO』
毎週日曜日19:00~21:00
https://cocolo.jp/sjr/


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