<インタビュー>Sunset Rollercoaster、自身最大規模ライブ翌日に渋谷で見せた素顔

2026年3月30日 / 20:00

 台湾のバンド、落日飛車=Sunset Rollercoasterのここ数年の活躍ぶりがすさまじい。韓国のバンド、HYUKOHと制作したアルバム『AAA』(2024)を携えた【FUJI ROCK FESTIVAL 2025】のGREEN STAGEの登場、Kuo(Vo./ Gt.)がHYUKOHのオ・ヒョクやBTSのRMら韓国実力アーティスト、日本はnever young beach(安部勇麿が主催する5月のイベント出演で来日予定)といった、国境を越えた交流セッションを通して書き上げる音楽探究の成果は、一気に彼らを前衛的なバンドへと加速させた。

 刺激的な数年間を過ごした一方で、世界中をまわりながら完成させた、昨年8月リリースの5年ぶりのアルバム『QUIT QUIETLY』は、実にいい意味で自己主張が目立たない、彼らの日常が見えるほどの人間らしさが息づいていた。目の前にいる恋人や友人、家族と話しているような。

 3月4日、東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催された【Q comes Q goes 2026 Sunset Rollercoaster in TOKYO】は、彼らにとって日本での最大規模公演となった。約3時間にわたり、落ち着いたメロウな時間で観客を酔いしれさせた彼らは、翌日、サイン会のためにタワーレコード渋谷店にいた。ステージ上と同様に、気取らず、カッコつけることもない、素直でどこか冗談めいた姿が印象的だ。

左から:Hung (Ba.), Tsun (Dr.), Kuo, Hao (Saxophone), Shao (Key.)

――昨日の公演は大盛況でした。オーディエンスがそれぞれに自由に楽しんでいる様子が見えました。

Kuo:あんなにも多くの方々が自分たちのライブを来てくれて、その光景に驚きました。日本では過去最大のライブだったので、ライブ前からすごく楽しみにしていたんです。
Hao:アンコールで皆さんが一緒に歌ってくれて、嬉しかったのを覚えています。
Shao:昨日はとても楽しかったです。
Tsun:ライブもスムーズに進んで、成功してよかったです。
Kuo:あと、アンコールを始めたときに自分のアコースティック・ギターがハウリングしてしまって、一度演奏を止めて最初からやり直したんです。こんなことは今までなかったので、日本の皆さんのパワーが強すぎたのかもしれないですね。

――男性が「I love you!」ともう一度言う展開もよかったですよね。

Kuo:はい、あの一言で精神的に支えられました。

――台湾でのライブはどんな雰囲気でしたか?

Kuo:日本公演の前に行った2日間の台北公演は着席でした。私たちの音楽はどちらかといえばスローなので、心地よくて眠ってしまった方もいたことでしょう。「どうぞお眠りください」なんてジョークを言うこともよくあるんです。「そんな皆さんのために演奏します。聞いてください」って(笑)。それにファンの多くは僕らと同世代の30代後半なので、座りたがるんですよね。激しいロックでもないので、座って演奏を楽しんでくれているようです。

――皆さんは歌ってもらいたい派ですか? それともじっくりと聴いてもらいたい派?

Kuo:どちらでも構いません。台湾では僕らのように英語で歌うバンドは多くないので、言語の面を考えると、一緒に歌ってもらうのは簡単ではないと思います。だからこそ、好きなように楽しんでもらえたら、それが一番嬉しいです。

――今日のサイン会にもたくさんの方が集まっています。皆さんは誰かにサインをもらったことがありますか?

(メンバー同士でこそこそ会議)
Hung:台湾総統から署名をいただいたことはありますけど(編注:おそらく書類の承認署名)。
Kuo:……考えてみると、いわゆる“サイン”をこれまでもらったことがないですね。関係者や音楽仲間に自分たちの作品を渡したりもらったりすることはありますが、制作を通して友人になるような相手にサインをお願いすることは、あまりないですね。ちょっと気まずいですし(笑)。

――確かに(笑)。もしチャンスがあれば誰のサインが欲しいですか?

Hao:マイケル・ジャクソン!
Kuo:もう難しいけど。
Hao:マイケル・ジョーダン。
Kuo:まだ可能性ありそう。
Shao:僕はジーン・ケリー。
Hung:僕は……トランプ大統領。冗談です。
Tsun:YMOもいいですね。
Kuo:細野(晴臣)さん。生きるレジェンド。

――音楽家としての今年の目標は何でしょうか?

Kuo:このツアーも折り返し地点に来ました。この先も何事もなく、無事に最後までやり切れたらと思っています。もうすぐ発表になりますが、アメリカツアーも控えているので、そこまでトラブルなく、穏やかに駆け抜けたいですね。
Shao:僕は、ツアーに向けて体作りに励みます。

――1人の人間として、今年やりたいと思っていることはありますか?

Hung:体重を落としたいんです。
Hao:僕も。
Shao:僕はキーボードの練習に励みます。
Tsun:お仕事がんばります。
Kuo:ほかのアーティストとも常に楽曲制作を進めているので、時間ができても、きっと音楽に没頭していると思います。僕は退屈な人間なんです。

Text by Mariko Ikitake
Photos by Yuma Totsuka
取材協力:タワーレコード渋谷店


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