マイリー・サイラス、「Flowers」めぐるブルーノ・マーズ楽曲との訴訟棄却を要請「こうした言葉は誰かが所有できるものではない」

2026年2月25日 / 14:30

 マイリー・サイラスは、自身のヒット曲「Flowers」がブルーノ・マーズの「When I Was Your Man」を盗用したとする長期係争中の訴訟について、“失恋ソングで一般的に使われる表現”を誰かが独占すべきではないと主張し、裁判所に棄却を求めている。

 マイリーに対する訴訟が最初に提起されてから約2年が経過するなか、月曜日に提出された裁判書面で彼女の弁護団は、この注目度の高い法廷闘争を終結させる時期だと主張した。問題の楽曲は以前の楽曲とは”大きく異なり”、著作権侵害には当たらないと明確に訴えている。

 米ビルボードが入手し最初に報じた申し立て書で、サイラス側のピーター・アンダーソン弁護士は、「“When I Was Your Man”は、関係を救えたかもしれないと信じる行動を取らなかったことを後悔する男性の視点による、ゆったりしたピアノ・バラードの失恋ソングだ。一方“Flowers”は、主体性と自己肯定を喜ぶ女性の視点による失恋ソングで、アップテンポでダンサブルなポップ・ソングだ」と書いている。

 なお、ブルーノ・マーズ本人はこの訴訟に関与していない。訴えを起こしたのは同曲の共作者であるフィリップ・ローレンスの著作権を取得した投資会社、テンポ・ミュージック・インベストメンツだ。

 テンポ側の訴えの終結を求めるなかで、マイリーの弁護団は両曲の実質的な共通点はコール&レスポンスのように聞こえる歌詞程度だと指摘する。たとえば彼の「I should’ve bought you flowers」と彼女の「I can buy myself flowers」だ。しかしこれらは失恋を扱う楽曲で一般的に使われる基本的な言葉に過ぎず、侵害の証拠ではないと主張している。アンダーソンは、「こうした言葉は失恋ソングで一般的に使われる表現であり、誰かが所有できるものではない」と述べている。

 「Flowers」は2023年1月のリリース後、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で8週にわたり首位を獲得し、多くのファンの間では「When I Was Your Man」への“アンサーソング”と受け止められた。同曲は2012年に同チャート首位を記録している。ネット上では、マイリーがブルーノ本人ではなく元夫のリアム・ヘムズワースに向けたものではないかとの見方もあり、かつて彼が同曲を彼女に捧げたとされる説が広まっている。

 こうした関連性が指摘されながらも、当時法律専門家は米ビルボードに対し、類似した歌詞を用いたとしても直ちに著作権侵害にはならない可能性が高いと説明していた。しかしテンポは2024年9月に提訴し、“反論的な歌詞”だけでなく“メロディーおよび和声素材”、“音程終止パターン”、“ベースライン構造”など多数の要素が流用されたと主張した。

 今回の申し立てでサイラス側弁護団はそれらの主張を全面的に否定し、陪審審理を経ずに訴訟を退ける略式判決を求めている。両曲の間に実質的な類似性は存在しないというのが理由だ。

 音楽的観点ではメロディーの重なりはなく、その他に見られるのは”無作為で保護対象外の要素”に過ぎないと弁護団は述べる。歌詞についても指摘されている類似点は他の失恋ソングにも見られるとして、ジャスティン・ビーバーの2011年楽曲を例に挙げ、「“That Should Be Me”も花や手をつなぐこと、元恋人を連れて出かけること、何時間も語り合うことに触れた失恋ソングだ」と説明している。

 さらに弁護団は別の重要な論点として、「Flowers」はフェアユース原則によって保護される可能性があるとも主張する。これは既存作品を批評・言及する目的で再利用することを認める著作権上の概念だ。マイリー本人および共作者たちは「When I Was Your Man」との関連性を“強く否定し続けている”としながらも、創作意図そのものは問題ではないと論じている。

 「フェアユースは、合理的な観察者が“Flowers”を“When I Was Your Man”へのコメントとして解釈し得るかどうかを検討するものです。原告側でさえ、“Flowers”の高揚感ある歌詞が”When I Was Your Man”の憂鬱な歌詞への応答として受け止められてきたことを認めています」と弁護団は述べている。

 サイラス側は以前、テンポに訴訟提起の法的資格がないとして手続き面からの棄却を求めたが、その申し立ては昨年却下され、今回の実質的な類似性を巡る審理へと進んだ経緯がある。テンポ側の弁護士は現時点でコメント要請に応じておらず、来月この申し立てに対する正式な回答書を提出する見通しだ。


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